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くろいわのラーメン 第179号

今月は珍しいタイトルになりました。

実は先日、私の故郷にあるラーメン屋(タイトルで店名はバレましたが)から地方発送でラーメンを注文し、家族皆でで食べました・・・ とてもおいしいラーメンで、高校生の頃から食べており、それ以来もう40年以上になります。 今でもこうして食べたくなると、店へ電話して宅急便で送って貰います。 お店のおばちゃんも憶えてくれているようで、名前を言っただけで「お元気ですか?」などと言われたりします。 お互いに顔も知らないのですが、地元訛りのこんなやり取りもいいものです。

ここのラーメンは、とんこつの白く濁った、少し塩気のするスープで、中太の麺とこれまた美味しいチャーシュー3枚と、いっぱいのもやしと細ねぎとみじん切りの玉ねぎを色が変わるまで炒めたものが入ったラーメンです。 私自身は別段、麺好きではないのですが、年に何回か無性に食べたくなって、つい電話します。 クール宅急便+箱代で一杯あたり1000円程になる高いラーメンなのですが、本当に美味しいので価格のことを忘れてしまいます。 食べた後の満足感・・・何とも言えない気持ちです・・・食べたあ~!おいしかったあ~・・・ 断っておきますが、この店は行列の出来る有名店とかではなく、私が高校生の時に出掛けた本屋の隣にあった普通のラーメン屋なのです。 その本屋は地元でも有名な大きな本屋で、欲しい本(決して学習書ではありません)はそこにしかなかったので、バスに乗ってわざわざそこまで来ていました。 今は建物もなくなってしまいました・・・

けれども、そのラーメン屋だけは同じ場所で、同じ雰囲気で今でもやっています。 自分の昔に戻ったような気分になります。 故郷に帰った際には必ずこのラーメン屋には家族で立ち寄ります。

店のことにも触れておきますが、街中の繁華街の裏手にあって人通りもそれなりにあり、地元のサラリーマンなども大勢来るようです。 店は3階建てで狭い階段なのですが、何ともいえない昔のラーメン屋って感じです。 また、年配の方はご存知ですが、台湾での航空機事故で亡くなった脚本家の向田邦子さんが小学校時代を過ごした山下小学校も近くにあり、もしそのラーメン屋が当時からあったら、家族で食べに来たかも知れません。 ちなみに東京生まれで故郷のなかった向田さんは、この地が私の故郷みたいなところと言っていたそうで、いろいろな思い出があったようです。 遺品は建てられた地元の文学館に寄贈されてあり、お母さんが「鹿児島に嫁入りさせよう」と言ったのだそうです。 向田さんはまた、私が大好きな両棒餅(じゃんぼもちと読みます)も大好物だったようです。

ところで、私には食べ物に対する一種のこだわりがあって、その店がその種類の食べ物で一番美味しいと所だと思ったら、その食べ物を本当に食べたいなあと思った時にはその店でしか食べない傾向があります。 例えば、お好み焼きならどこだとか、ソバ屋ならこことか、鰻ならここが一番とか、スパゲッティならあそこだとか、中華ならあの店だとか、かつ丼ならここかなあとか、原則としてその店でしか食べないようにしています。 実は、ラーメンはその店なのです。

誤解のないように言っておきますが、絶対に他の店で食べないということではありません。本当に美味しいのを食べたい!と思った時には、普段は我慢してその店のものを食べるということです。

生きていることは、いつか寿命が尽きる方向へ向かっているという事です。 頑張って生きて来て、それなりの年齢になったので、若い頃の欲は随分と減って来ました。 食べるもの位、食べたいものを食べても良い年齢になったように思います。 今になってお年寄りの気持ちというか心境というか、何かそんなことがわかるように思います。 最後に、ここだけはまだ行ったことがなく、いつか必ず訪れたいレストランがあります。 その店は東京にあるギャマンと言います。 私の苦手なフランス料理のレストランで、それも超一流です。 この社長コラムの昨年11号にも紹介したお店です。 食べ物は美味しい、不味いという味そのものもありますが、そこで働く人の「こころ」や「思いやり」や「優しさ」が感じられて、自分に合う店になって、お気に入りになるのだろうと思います。 そんな訳で決してランキングをつけたり、点数や星印の数で美味しいということではないように私は思います。 誰にでもお気に入りの美味しいお店がそれぞれあるんだろうなと思います。 つまり、自分のお気に入りということなんだと思います。

私のこのお気に入りは意外と更新されていません。 それは単に美味しいということだけではない証拠だと思います。 これは仕事でも、友達でも、住んでいる地域でもそうなんだろうなと思います。 そんな美味しいお店のように自分もなっていけたらいいなあと思います。 日々精進、これに尽きます。