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  • 執筆者の写真社長

シリコンバレーの思い出 第272号

年令を重ねて来ると、これから先の抱負や希望よりもいつの間にか自然と昔の思い出

を懐かしく思い出す時が増えて来るような気がします・・どうしてそうなるのかは自

分では分かりませんが、脳自体が特に意識しなくても何かの拍子に働き始めるのかも

知れません。それでも自分の意識があるのだろうと思います。

また、脳は新しいことに対しては活発に動くようで、その時にはエネルギーも多く必

要になるようです。昔の思い出ならエネルギーも少ないようで、楽なのかも知れませ

ん。脳自体は自分の体の一部ながら、自分で見たこともありませんし、取り出せる部

位ではないので考えているだけの話です。やはり、記憶されている情報の中でも取り

出しやすい情報が昔の思い出ではないかと思います。

 

取り出しやすい思い出も時間と共に思い出せなくなるのは何故なのでしょうか?

使わないとどんどん奥へ収納され、瞬時に取り出せなくなるのでしょうか?

正確に思い出せないことは脳には助かるかも知れません。脳は使えば使う程良いと言

われますが、使わない余力があるからこそ、脳にとっては助かるのかも知れません。

私にも脳はありますが、自分の一部でありながら脳の働き方が自分でも解らない時も

あります。特に、思い出せない記憶が何の関係もない場所、時間にひょっこり思い出

すことがあります。気になっていること自体は新しい記憶として残るので、何か関係

があるのでしょうか?昔の懐かしい記憶は思い出せそうで思い出せない、それでいて

ひょっこりと突然に関係のない時に思い出すことがあります。この時、脳も喜んでい

る気がします。


半面、なかなか思い出せそうで思い出せない時は、とても歯がゆい自分自身になり、

そんな時には脳自身も多大なエネルギーを使っているのではないでしょうか?・・

頭の中の記憶情報なのでコンピュータであれば、情報の検索は、探すデータが多けれ

ば多いほど時間もエネルギーも消費します。これと同じように、永く生きていればい

る程、昔の情報を取り出しにくいのは、脳機能の低下と情報量が反比例しており、栄

養素不足や細胞の衰えも加わり、細胞が死に始めているからなのか、自分の脳ながら

自分で確認が出来ません。人間の脳は生物の進化の中でも特異な存在だと思います。

道具や言葉や文字や二足歩行など、いずれも人間だけに集中して備わっています。

更に今は寿命すら永くなりつつあるので、脳科学も進歩していくのは間違いありませ

ん。人間とAIの共存共栄も面白いテーマです。


前置きが長くなりましたが、本論に戻ります。断片的にしか思い出せない私の回想話

です。今から遡ること30年程前、自分達で海外企業の視察ツアーを計画し、アメリ

カのシリコンバレーやシアトルを訪問したことがあります。約1週間程の日程でした

が、とても楽しかったことをはっきりと憶えています。

何と言っても自分達で企画や準備をしたので、パッケージツアーと違い、時間の融通

も訪問先での融通も自由が効く上、参加メンバーは知り合いのIT会社の社長さんが

中心なので、気を遣わない気楽な感じで、出発前から楽しい気分でした。更に、メン

バーには一人、現役の大学生もいたりして何でもありの様相でした。大学生がと何で

?と思われるでしょうが、これもたまたま知り合った縁でした・・・こんなツアーは

先にも後にもこれ一回切りでした。

ラスベガスではコンピュータ関係の展示会を見学し、サンフランシスコではスタンフ

ォード大学やインテル本社を見学し、更には当時、新進気鋭のネットスケープ社の見

学もオフィシャルにやりました。ここでは到着する迄は気楽な気分で行ったのですが、

実際は真面目なビジネスディスカッションの場が設けられていて、とても焦った思い

出が残りました・・・


この手作りツアー企画にあたっては航空券やホテルの手配も必要なので、海外留学の

仲介ビジネス会社に勤めている知り合いのA氏にそれらをお願いしました。A氏は当

初、手配だけの仕事だったのですが、折角だから一緒に行きませんか?と誘いました。

費用も参加者で負担し、ツアー全体で11人か12人のツアーとなりました。アメリ

カ国内では別の知り合いのB氏に展示会やIT企業訪問の予約等をお願いし、関空か

らサンフランシスコ、ラスベガス、シアトルと回りました。唯一、このツアーで残念

だったことが一つありました・・・先に紹介した大学生が、サンフランシスコでお腹

を壊し、折角の美味しいロブスター料理をフィッシャーマンズパークで食べられなか

ったことです。ホテルにのこったままになりました・・我々は勿論、堪能しました。

ロブスターが美味しかったこと!

この時に泊まっていたホテルは安いホテルでしたが、名前がとてもタイムリーでクー

ルで良い思い出に残りました。その名は何と「ホテル・カリフォルニア」といいまし

た。何たる偶然かイーグルスの名曲と同一なんです。今でもそのホテルを懐かしく思

い出されます・・・


シリコンバレーでは、お決まりのインテル本社を訪問し、それから創業3,4年目の

ネットスケープ社、優秀な学生を輩出するスタンフォード大学を回りました。ラスベ

ガスではちっと観光気分でしたが、IT展示会ではもう見たくないと思う程のブース

数を回りました。千数百社が出店していましたし、展示会場も3か所に分散していま

した。おまけにツアーの一人がスロットルマシンで大当たりを出して、赤色灯や音が

鳴るやらでコインがザクザク出て来たのにはビックリ!!しました。日本円で数万円

が確か20セントコインで出たそうです・・・


サンフランシスコ市内からシリコンバレーへの往復手段はロスアンジェルスで働いて

いる日本の商社勤めのBさんに休暇を取って貰い、サンフランシスコとシリコンバレ

ーをガイドして貰いました。移動手段はグレイハウンドの大型バスをチャーターして

くれていて、運転手さんは韓国人の社長さんで観光事業を営んでいる方でした。

自ら運転をしてくれました。このバスは憧れのバスで、後輪が4本もついていて当時

の日本ではお目に掛かれない、これがアメリカだ!といった、大きなバスでした。

こんな大きなバスにたったの11,12人が好きなシートへ好きなように座わって貸

切りとくれば、そりゃあ皆、大喜びでした。旅行社ツアーでは無理な驚きでした。


話があちこち飛びますが、スタンフォード大学では生協みたいな施設でTシャツやら

雑誌やら書籍などいろいろなものを売っていました。校内には教会の建物もあり、礼

拝も出来て、近くには卒業生のフーバー元大統領の記念碑もあったかと思います。

また、広いキャンパスでは本を読みながら歩く大学生を初めて見ました。日本との違

いに大きなショックを受けました・・・日本とは余りにも大学の様子が違い、驚きま

した。アメリカの大学では勉強するために大学へ行く訳です。その勉強は自分の将来

の為に行く訳で目的もはっきりしています。しかし、日本では大学合格がゴールにな

っている学生が多く、大学で一心不乱に勉強をする学生は殆ど見たことがありません。

ここが大学とは何ぞや?という意味付けで大きな違いに気付きました。

シアトルでもワシントン大学で観ましたが、大学構内の図書館は24時間オープンし

ていることに驚きましたが、しかも大学院生用の図書館も別にあり、これには羨まし

いというか大学進学の目的が日本と違うことを反省させられました・・・


スタンフォード大学では構内を離れると、凄い田舎に隔離された場所にあり、日本の

都会の近くにある大学のイメージとは大きく違っていて、改めてアメリカの大学は勉

強する為の場所だと教えられました。

日本の大学では多くの学生は入学前程は勉強しません。この為、卒業後の道が明確に

決まっている大学生は少ないと感じます。こういう面もあってか、楽な生き方が出来

るような主体性の低い学生が多いのではないでしょうか・・・何をやりたいかではな

く、楽をしたいという大企業に入りたいといった、何をしたかではなく別の視点で就

職を考えているのが分かります。アメリカの大学は卒業するまで勉強を続けないと卒

業は出来ないので、勉強も真剣で、将来の進む道も自立していて主導的です。例えば、

スタンフォード大学はシリコンバレーに近く、大学の卒業生からSUNやGoogleを起業

した人材が出るのも尤もだと思います。私達が行った当時でもシリコンバレーにはベ

ンチャー企業が沢山ありました。


先程、話しましたネットスケープ社を訪問した時、まだ起業後3,4年目の会社なのに

敷地内に噴水もあり、建物もいろいろあって、何でこれだけの年数で、こんな凄い会

社になるのか目を丸くしたものです。日本では考えられないスピードです。投資家の

国と言えばそうなのでしょうが、余りにも凄すぎる!と驚きました。

ここでは、B氏が訪問先として頼んでくれていたので、迎えの人が出迎えてくれまし

た。

しかし、通された部屋に入った途端、この国はビジネスの国であることに気付きます。

その理由は、私達各自が座る席も用意され、机にはレジメも置かれり、先方の会社案

内や事業説明を若い女性社員2名が説明してくれました。勿論、ネイティブ英語です。

何が何やら分からないのに、その説明が終わったら、直ぐにビジネス・ディスカッシ

ョンをやることになっており、企業見学並みの我々の意識は非常にまずい場面になり

ました。

これは何とかしなければいけないと思ったので、咄嗟に意を決してありきたりの質問

をしました。

「御社製品の有利性は何でしょうか?」という質問です。勿論、下手な英語でです。

どこまで伝わったか分かりませんが、女性達は一応、それなりの説明をしてくれまし

たが、細かい内容までは私にも分かりませんでした・・・

その後は、Bさんが通訳してくれて質問や回答の場が続きました。

こういったビジネスを優先した会議スタイルにはいきなりで、正直、驚きました。


この手作りツアーを企画・実行し、無事に帰国できた時には「やれば出来る!」とい

う自信が持て、その後の海外企業との取引きにもその経験が生きています。

このツアーには仲介業者もなく、費用も安く済み、内容も濃く、何よりもリラックス

したツアーでした。

私自身、どこか吹っ切れた気持ちにもなれました。

それは、いろいろ考えてやらないよりは、まずは「トライしてみる!」という米国的

な感覚です。考えることも大事なのですが、それよりもやってみることがもっと大事

だと感じた手作り海外ツアーでした。

インテル本社も面白かったし、シアトルは風景も空気もクラムチャウダーも美味かっ

たあ~。

さて、大人の海外ツアーに参加した唯一の大学生のその後ですが、彼は大学卒業後、

勤め人を経験せずして、卒業後すぐにIT会社を設立して、現在も創業以来の会社を

取り仕切っています。

やれば出来るのです!


もし、ご自身の人生にモヤモヤして働いているなら、今からでも頑張ってやりたい事

をやったらどうでしょうか?・・・無責任に言っている訳ではありません。

今の日本には身分制度もありませんし、鎖国もありません。ましてやパスポートは世

界でも一二位の海外渡航国があるのです。海外に出掛けて来るのも良し、自分で事業

を始めるのも良し、海外で働くのも良しです。

ご自身に悔いなく生きたい気持ちがあるなら、気持ちに従って生きることは大切です。

失敗したっていいじゃないですか・・・若い時は失敗しても立ち直れますし、挑戦し

て成功する可能性もあります。家族がいるなら家族の協力もあります。

私は人生は与えられるものではなく、自分で創って行くものだと言い切れます。

一度しかない人生です。時間はどんどん過ぎて行きます。

互いに頑張って生きていきましょう。

では。

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