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  • 執筆者の写真社長

ボーイスカウト 第271号

今月はボーイスカウトの話です。

どうしてこんなテーマをと不思議に思った方もいらっしゃるかと思います。

実は、一つの話からの数珠つなぎの結果で今回の話題となったのですが、その経緯はこういうことなのです。


ある日の朝、会社の壁に掛けてある日めくりカレンダーをその日の数字に合わせるのですが、その日は「順調なときこそ心の備え」という松下幸之助氏の言葉でした。幸之助氏(以降は幸之助氏と書かせて貰います)は「経営の神様」と言われる程の偉大な日本を代表する名経営者ですが、この言葉には「ダム式経営」と呼ばれる経営哲学に通じる言葉です。この話は京セラ創業者の稲盛和夫氏と深い関係があるからです。


当時、京都で幸之助氏の講演があった時、講演が終わりかけの会場に着いた稲盛氏は会場から幸之助氏へ質問があり、「どうしたらそんな経営が出来るのでしょうか?」と教えを乞う質問が会ったのです。すると幸之助氏は「困りましたなあ・・」と言いつつ、「まず、思うことですな」と返事したそうです。

すると、質問された方は「そんなことなら私達の小さな会社の方が幸之助さんよりも余程そうなりたいと真剣にこのことを思っていますよ」と応え、会場にいた聴衆はその言葉に大笑いしたそうです。


私が一番感動したのはこの部分なのです。

会場にいた京セラの若き経営者だった稲森氏は「成程、そうなんだ!」とその言葉の意味する真意を理解したのです。

どうして幸之助氏のこの言葉を聴いて稲盛氏は感動したかが大事な要諦なのです。

何故、多くの人は笑うだけだったのに、稲盛さんは大きく感動したのでしょうか?・・

私が思うに、笑った人と感動した人の違いは紙一重の違いだと思うのです。

言葉の持つ本質(=真剣度、悩み抜いた結果)が、笑った人達とは全く違うという事です。

言葉自体は誰でも同じ「思うこと」なのですが、受け取る人次第で言葉の重みが違うということです。ですから、言葉だけで誰にでも分かるものではないということなのです。


例えば、チャンスという言葉も世の中にはチャンスはいっぱいあるという言葉にも多くの人へは言葉としてだけ伝わりますが、その事にド真剣に悩んでいる人には何の変哲もない言葉に大きなチャンスとなる訳です。

つまり、潜在意識の中に常にその問題があれば、大した言葉でなくても気付きや確信に繋がるのです。

1903年にアメリカのライト兄弟が飛行機を発明しましたが、人間も空を飛びたいと願いド真剣になれば発明までやってのける訳です。もっと前ならあの何でも発明するレオナルド・ダビンチも空を飛ぶ飛行機?の絵を遺しています。この絵はANA(前身は全日空)の飛行機の尾翼に描かれてありました・・・


つまり、頭に中の潜在意識に寝ても起きても常時、何かに対する問題意識がある人とそうじゃない人の差はここなのです。つまり、寝ても醒めてその事を考えている状態です。

常に潜在意識の中に問題意識のある人には平凡で小さな言葉でも直ぐにピーンと響き、そうでもない人にはただの言葉としてしか聞こえず、直ぐに消えていくのです。

この幸之助氏と稲盛さんの逸話は私にもいつも心にあるのですが、まだまだ私はその思いが弱く、寝ても醒めてもという状態には至っていません。


元の話が途中で切れましたが、この幸之助氏の話を思い出した途端、応接室に掛けている別人の教えをふと思い出したのです。その教えとは「財を遺すは下、事業を遺すは中、人を遺すは上なり。されど、財なくんば事業保ち難く、事業なくんば人育ち難し」という言葉です。

応接室に飾った時には、凄い言葉だなあと感銘を受けて飾ったのですが、誰がその言葉を言ったのかまでは知らず、後日に調べてみたら後藤新平という明治・大正・昭和と活躍した医者・官僚・政治家であった方で岩手県出身の偉い方の言葉だったのです。偉い人なのですが

明治時代にはそういった方が多くいて、一体どんな人なのかまでは分からずにいたのですが、日本国内や満州や韓国に渡って活躍された方なのですが、私はその経歴の中でとても気に入っていた部分があり、それが日本ボーイスカウト連盟の初代総長という肩書でした・・


私自身、九州の田舎で育ったのですが、小さい頃に見かけたボーイスカウトの姿が当時はとても格好良くて、眩しくて、憧れだったのです・・どんな事をしているかなどは何も知らず、貧しかった時代の日本の中でその姿はハイカラでした・・

実は自分の子供にもボーイスカウトへ入隊させたくて、支部や地域にあるチームへも相談にも出掛けたことがあります。残念ながら、子供の入隊には至らなかったのですが、今でもそのことが少し残念なこととして残っています。子供には敬礼も縄の結び方もキャンプもチームワーク芋も誓いの敬礼も社会貢献活動も凄く良い活動だと思います。

ちなみにボーイスカウトには誓いの言葉が3つあります。これも格好いい。

子供達が誓う姿がとてもいいと思ってしまいます。

今のスマホやいじめや多い時代にはなかなか流行らない言葉です。

 一、神(仏)と国とに誠を尽くし掟を守ります。

 一、いつも、他の人々を助けます。

 一、身体を強くし、心を健やかに、徳を養います。

また、掟は8つもあります。

 1.スカウトは誠実である

 2.スカウトは友情にあつい

 3.スカウトは礼儀正しい

 4.スカウトは親切である

 5.スカウトは快活である

 6.スカウトは質素である

 7.スカウトは勇敢である

 8.スカウトは感謝の心をもつ


古臭いと思われるでしょうが、元々がイギリスで生まれた組織なので、どことなくイギリス紳士みたいな感じがしませんか?

ダンディというのでしょうか・・・

誓いの言葉などは今の社会で減りつつある内容と思いますが、私の田舎の郷中教育を彷彿させます。郷中教育とは江戸時代に薩摩で行われていた独特の青少年教育の仕組みで、ボーイスカウトと似ている感じがします。

郷中教育では「嘘を言うな」、「勇気を持て」、「弱い者いじめするな」、「年寄りは敬え」と・・こんなことを周囲の大人からも言われたものです。

特に、「勇気を持て」と「嘘をつくな」は厳しかったと思います。


さて、今の日本も世界の国々から観れば自分より相手を優先する、人のものを盗んではいけない、年長者には席や順番を譲る、災害に遭われ際にも我先にと先を争うことはせず順番を守る、そんな人間としての徳が高いと評価されています。

ただ、それでも小中高ではいじめ問題が多く取り上げていますが、この問題が減れば今よりも更に素晴らしい国になります。


後藤新平氏がこのような名言をどうして生み出されたのか経緯は知りませんが、この言葉の前半と後半の言葉には互いに相反する言葉が並べられており、両方を実現することが経営だと指南されている気がします。

お金が全てではありませんが、お金がないと事業は続けられませんし、人の育成や教育にもお金はかかります。

また、東北にあった上杉藩の藩主だった上杉鷹山も当社は学問ばかりしていたようですが、城下の家臣達の家々に遅くまで明かりが灯り、家族総出で傘張りや草鞋作りに精出す姿を見せられ、鷹山は机上の学問よりも大事なのは現実だと教えられたのも思い出されます。

そして、自藩へ下向する際に降りしきる雪の中で、家臣を駕籠の回りに集め、皆に籠の中の火を起こし直した炭火を分け与えて共に藩政改革をすることを誓った話も同じです。

藩政改革は一回では成し遂げられませんでしたが、後年、遂にやり遂げることになります。

この話をアメリカのジョン・F・ケネディ大統領は、尊敬する日本人として挙げた話も有名です。洋の東西を問わず、何とかしたい、しなければならないと覚悟を持った人には通じる話だと感じ入りました。ケネディ大統領もアメリカを再生する決意が強く、どのようにしたら良いかと苦悩していたんだろうと思います。有名なスピーチにもそれが表れています。「国が皆さんに何をしてくれるかではなく、皆さんが国に対し何が出来るかが大事です」ということです。

結局、ボーイスカウトも後藤新平翁も上杉鷹山翁も松下幸之助氏も稲盛和夫氏もケネディ大統領も生き方の中には共通点があると思います。

それは自分以外に尽くすという考え方に私には思えます。

社会や企業や団体と違いはあっても自分以外に対する尊い生き方のように思います。


話があちこちへ飛びましたが、今回の話の要諦は社会や国や自治体や企業が自分達にどんなことをしてくれるのだろうという考え方が多いのですが、それ以上に自分以外に尽くす、与えることも大事ではないかという考えです。

稲盛和夫さんはそれを「利他」という言葉で伝えています。

皆さんは働くことに見返りだけを求めているでしょうか?

確かに見返りも大事ですし、それだけ一生懸命なのもあるでしょうが、それだけではないように私は思えます。

自分達の働いている会社を好きになることも、日本の社会を良くすることも、どこかで繋がるのではないでしょうか?・・・

昭和の考えだと言われるかも知れませんが、皆さんは古いだけで何でもかんでも捨てられますか?

良いものは月日を隔てても良いものなのです。

私自身、そんな自分でありたいと願っています。

ボーイスカウトの憧れはもう実現出来ませんが、心の中では今でも憧れのままです・・

感謝。


 



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