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マイケル・ジャクソン 第102号



余りにも有名な歌手のマイケル・ジャクソンさんが、先月25日に呼吸停止で発見され、医療センターへ急いで運ばれたにもかかわらず死亡したというニュースは世界中を駆け回りました・・・ 50歳という余りにも短い天才は、あっという間にこの世を去ってしまいました。 存命中はいろいろと噂され、記事にされ、好奇心に晒され、歌手という本業以外の部分で世間から注目を浴びたのです・・・

余りにも惜しい・・・ 余りにも悲しい・・・ 余りにも早過ぎる・・・ 余りにも凄すぎる・・・ 余りにも本当の姿が見えない・・・ そんな人物だったように思います。 享年50歳。 本当に早すぎる天才の死でした・・・

実は私自身、小さい頃から洋楽が好きでソノシートと呼ばれていたビニールのようなレコードを聴いて育ちました。 トロイ・ドナヒュー、ステーブ・ローレンス、フランキー・レイ、ナット・キング・コールなど、今の若い人達が殆ど知らない歌手ばかりです。 我ながら、当時としては珍しい子供だったと思っています。 英語など分らないのに、スピーカーから流れて来る声をカタカナにして、それを口真似したりしていました。 この頃に憶えた曲を今でも憶えています。 その後も、ビッグバンドやビッグコーラス、或はトランペッターが好きになり、やがて高校生の頃には地元ラジオ局のパーソナリティにも憶えて貰うほどのリクエスターにもなり、ラジオで自分の声が流れると悦に入っていました。 例えば、ベルトケンプヘルト楽団の碧空など高校生としては生意気なリクエストをしていました・・・ その当時だったと思います。グレン・キャンベルという歌手の曲を聴いて、直ぐに虜になりました。 それ以来、ずっーと永い間カントリーファンという経歴です。

こんな私でも、TVで初めてマイケル・ジャクソンを観た時は、凄いな! と思いました。 それまでにいなかったリズム感やビートの利いた歌唱力、それに歌手なのかダンサーなのか分らないほど上手いダンス、それも誰もしていなかった新しいダンス・・・ この人は、一体どれほど凄い人なのだろうかと感じました。 その動き回るマイケル・ジャクソンを観て、何よりも新しいタイプだ! と。 皆さんがご存知のように、曲を出せばヒット曲ばかり・・・

こんな歌手は彼以外にはもう二度と出て来ないと思います。 彼の影響力やヒット性が凄まじく、凄過ぎるのです!

しかし一方、それ以上にマイケル自身のピュアで、内面的で奇妙な言動が余人の私達には未知に思える人でした・・・ 真実なのか奇行なのか、作られた人物なのか自然な姿なのか、そんなことが全く区別出来ない程、近寄りがたい存在だったのではないでしょうか?・・・

随分以前に、名も知れていてヒット曲もいろいろある、ある日本人歌手のマネージャーだった人から直接、こんな話を聞いたことがあります。 芸人は商品として作られており、皆さんがTVやラジオで観たり聴いたりいるのは、商品を観たり聴いたりしていることなのですと。 それほど実物は我々には分らないものなのですと。 そして、こんな話もされました。 日本を代表する某女性歌手の奇行を聞かされた時には、まさか?!!と思いました。 常識では考えられない行動を観たことがあると話してくれました。 こんなことを思い巡らすと、マイケル・ジャクソンは果たしてどちらのタイプだったのでしょうか?・・・

超有名人たる所以の孤独、してはいけない制約の多さ、一般人のような振る舞いすら許されない日常生活、どこまでが本物でどこからが偽物なのか、当の本人だけが知っていることです。 しかしながら、ロンドン公演も間近に控えていて、余りにも突然で、悲しむにはむご過ぎる一生だったと思います。 享年50歳、1958年8月29日から2009年6月25日まで、精一杯に生きた人生でした・・・ 心からご冥福をお祈りします。

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