top of page

マジック・アイ 第98号

このところ、景気のせいで随分と疲れてしまいます。 毎日、毎日、難題が降りかかって来ている気がします。 本当に、日本政府には頑張って有効な対策を打って欲しいと思います。

こんな毎日の中でひょんなことから浮世離れした別世界を垣間見る機会がありました。 それはマジックアイです。 ご存知の方もいらっしゃると思いますが、私はこの年になるまでマジックアイなど全く知りませんでした・・・ アメリカには専門のデザイナーもいるとかで、一体どうやって描き出すのだろうかと思ってしまいました。 恐らく何がしかの条件があって、それを満足すれば完成するのだろうと思います。

さて、マジックアイとは二次元の幾何学的な絵模様を、ある条件に従って眺めていると、突然、三次元の別の世界が浮かんで来るデザイン絵模様のことを指します。 これが何の役に立つかと言いますと、ものを見る焦点が柔軟でなくなって遠近調整が出来なくなっている近視の矯正などに効果があるようなのです。 もっと分かり易く言えば、ある一定の距離にあるものを見ている焦点のまま、それよりもずっと手前にあるマジックアイの絵柄を眺めているとあーら不思議、二次元とは別の三次元の風景や絵柄が見えて来るのです。 最初にその体験をした時は何でこうなるのか、不思議な手品を見ているようでした。 何でこのように見えるのでしょうか?・・・

最初にこれを見た時、何か絵に仕掛けでもあるのかと思い、絵柄の表面を触ってみましたが、何もありませんでした・・・ 今まで経験したことがありませんでしたので、大変不思議な気がしました。江戸時代の人がいきなり蒸気汽船を見たような驚きでです。 それから本屋へ出かけて店員さんに尋ねてみたところ、直ぐに 数冊のマジックアイの本を持って来てくれました。

こんなにもあるのか・・・ 面白い世界だな・・・ でも何でこんな風に見えるのだろうか? こんな疑問がありました。 帰り道、そのマジックアイの本を電車の中で見ながら帰りましたが、なかなかコツが分からず三次元は見えませんでした。

それからも三次元に見えるものもあれば、見えないものもあり、なかなか難しいものだなと思いました。 しかし、徐々にコツのようなあるようで、絵柄やサイズにもより ますが、だいぶスピードアップしてその世界にのめりこむことが出来るようになりました。 パズルを解く感覚で二次元画像が異なる絵柄の立体画像に見えるのです。

妙なことになかなか見えないものも、徐々に分かってきました。 小さいサイズのものはそう簡単には見えず、大きいサイズでも 似たような色や絵柄のものはなかなか正確な正体が見抜けません。この辺が面白い所以でしょうか・・・

さて、そんなマジック・アイを時々眺めては「見えた! 見えた!」といって家の中ではしゃいでいます。 そして、ある時にこんなことを考えついたのです。 それは、人や世の中や世間やものを見る時とマジック・アイには共通点があるのではないかということでした。 遠くをみながら近くを見ると、見えないものが見えて来る、逆に 近くを見ていて遠くを見ても、そのままの焦点では遠くは見えないということです。 つまり、人も会社も同じで、先にこうなりたいと考える姿があり、そこから今を見つめ直すと、何が足りないのか、何をしなければならないのかが見えて来るのではないかということです。 とかく、現在から遠くを見がちですが、それは推測であって、こうなりたい、こうありたいということではないのです。

こう考えると、人の行動や考え方もよく理解出来ます。 現実からだけの人は目標や夢がない人が多く、無から有を描くことが出来ない人が多い。 反対に将来こうなりたいと思う人は、今から何をすべきであるか明確に意識している人もいるということです。 私は後者でありたいと考えています。 将来こうありたいから、今があり、何をすべきかも分かると思うのです。 正に、人生のマジック・アイが見えるか、見えないかが、大事なことに思えたのでした。

皆さんも、マジック・アイをやってみて下さい。 不思議な体験を楽しんでみて下さい。

最新記事

すべて表示

久しぶりのソウル 第280号

新型コロナ以来、久しぶりにソウルへ行って来ました。いやあ実に4年振りだったので、ソウルのオフィス街の雰囲気がガラッと変わったなあと感じました。 一言で言えば、活気が以前より溢れていて、行き交う人々も明るくて歩き方まで以前とは違う感じがしました。そんな活気ある都市から大阪へ帰...

声の記憶 第279号

今回はちょっと変わった話です。皆さんは「人の声」が印象に残ったことはありませんか? 声はそれだけで人の印象に残ることがあります。例えば声優という職業は今や立派な存在になっていますが、昔から今のように社会的に認知された存在ではなかったようです。当時でも声を職業にした人達はいま...

学問への興味 第278号

私自身は、どちらかと言えば理系人間ですが、高校時代は化学(バケガクと私達は読んでいました)だけは全くの苦手人間で成績も悪かったのですが、一方、物理については勉強は大してやってもいないのに現実感があり、馴染みやすくて分かり易い面も多く、割と出来た方ではないかと思っています。...

Comments


bottom of page