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今年のいいこと・・・ 第15号

  • 2002年12月1日
  • 読了時間: 6分

更新日:2022年3月18日

12月になったばかりで少々気が早いですが、今年一年を振り返ってみたいと思います。 私のように零細企業の経営者にとっては今年は近年にない厳しい一年でした・・・ 明るい話よりも暗く、辛い、先行きの見えない一年だったと思います。 世間でも悪いニュースが飛び交い、世の中がすさんで来ていることをはっきりと感じるような時代になりました・・・ かと言って、社会に期待が持てないということではありません。むしろ、人間はもっと謙虚に反省しなければいけないのではないかという力も感じています。 こんな状況ですが、敢えて私はこの一年で嬉しかったことを順に書いてみたいと思います。

まず一番目ですが、家族が健康で明るく過ごせたことが挙げられます。 仕事に一生懸命専念出来たのも家族がいるからであり、家族が平穏で幸せだから仕事にも集中出来たのだと思います。家族に問題があれば、仕事にも身が入りませんし、何かの拍子に思い出してしまい気持ちがそちらへ削がれてしまいます。幸せは尊いものだと思います。深く感謝します。 私には八十をとっくに過ぎた父親が故郷で健在ですが、足が悪くなり、耳が遠くなり、道に迷ったりすることも起こったりして非常に心配ですが、それでも幸せなのだと思います。

二番目は、事業が継続できたことです。 継続できたことが嬉しいだけでは笑われるかも知れませんが、事業は明日どうなっているか分からないというのが本音です。特に創業して3年目に入ったばかりの当社ではちょっとした油断さえも許されません。最近は、相当大きな会社でも内情が火の車だったり、いつ何が起こるか分からないのではないでしょうか・・・ 自分の人生を担保にして事業を行っているのが、中小・零細企業の経営者だとつくづく思います。自分が諦めたら何もかも全てを失ってしまいます。 辛くとも厳しくとも悲しくとも泣きたくとも、決して、決して、諦めないでやるしかないのだと思います。信じることしかないのだと思います。頑張って行けばいつか必ず報われると信じることなのだと思います。この一年、無事に事業を続けて来られたことに心から感謝します。お客様、社員に感謝します。

三番目は、社員が増えたことです。 増えたといってもたかが知れていますが、現在17名、来年早々には更に1名増えます。私自身の計画よりも実績は下回っているので本当はもっと頑張らねばならないのですが、兎に角、社員が増えることは嬉しいことなのです。家族に新しい子供が増えるようなもので、嬉しいものなのです。しかし、育てるのは子供以上に大変だと思います。他人を預かっている訳であり、衣食住、常に一緒にいる訳ではありませんから、自ずと限界があるとは思いますが、それでもやり続けなければ少しでも大きな家族にはなれないのだと思います。

四番目は、禁煙出来たことです。 10月上旬に禁煙を始めたので、2ケ月過ぎましたが、まだ何かの瞬間に誘惑があります。喫茶店で吸っている人を見かけた何気ない美味そうに見える瞬間、 自動販売機の横を通り過ぎた瞬間に残像が残ったりと、こんなことがあります。その機会は徐々に減っては来ました。むしろ、増えたのが吸う人のマナーへの嫌悪感です。かつては自分もそうだったのかと思うと、今更ながら改めて迷惑をかけた人達には謝りたい気持ちです。特に、歩きながら吸っている人には、後ろを歩いている人にどれだけ迷惑をかけているか訴えたい程です。煙たいというより嫌いな匂いや煙たさの中で我慢させているようなものなのです。 それから、着ている服が臭くなくなりました。これは妻に喜ばれました・・・以前は通っただけで臭かったそうです。(自分では分からないのですが)

これ以外にもお客様のこと、社内旅行のこと、社内設備のこと、専任営業のこと、その他と嬉しかった事が色々あります。 常日頃は肩肘張って仏頂面して厳しい話が多いものですが、嬉しい時には顔がほころんで口元が開き目尻が下がるものです。 嬉しいことが長続きしてくれればとても幸せなのですが、むしろその逆が永いように思います。それでもやはり幸せなのだと思います。

私は年を重ねて来るに従い、自分の幼い頃の情景をたまに思い出してしまいます。貧しかったけれど、心が豊かで幸せだったからだと思います。 現在の方がものに恵まれ、お金に恵まれているのに、どこか手放しで幸せではないと感じるのは物質的なことではなく精神的に問題があるからだと思います。 私が小さい頃はよくこんなシーンがありました・・・ 今日は給料日です。夕食はご馳走です。すき焼きです。滅多にない牛肉もあるし、卵も用意されています。兄弟四人、誰が見てもご馳走です。 親父さんが帰宅してお袋に給料袋を渡すと、お袋は袋に頭を下げて親父さんに「ご苦労さまでした」と言い、それを神棚に供えます。 そして家族六人が揃って円卓を囲んで食事となります。親父さんが箸を付け、いよいよ戦闘開始です。滅多にないご馳走ですから食べるわ食べるわです。その間お袋は殆ど食べていませんが、子供心には気にするゆとりすらありませんでした・・・ 親父さんも多分、それ程食べていなかったと思います。始めに肉がなくなり、豆腐が次になくなり、最後は野菜がなくなります。そして、ここからが最後の仕上げです。何も残っていないすき焼きなのですが、食べた後の汁が残っているのです。これもご馳走でした。ご飯の上にかけて食べるのです。これが本当に美味いのです。 現在の我が家ではこんなことは許されない情景となりました。 すき焼きなどいつでも食べられるし、卵だって幾らでも安く手に入ります。すき焼きの残り汁を食するのは下品なこととなってしまいました。

今思うと、その頃の自分が一番幸せだったと思います。 それは自分が子供だったこと、ものには不自由な面もあったけれど心が満たされていたこと、家族が一緒にいること、社会が目に見えないけれど大きなルールを保持していたことなどが背景だったからだと思います。 人間には物質的な欲求もあれば、精神的欲求もあります。そのどちらも大切でしょうが、やはり最後は精神的な欲求が満たされてこそ、幸せを感じるのだと思います。 私自身、精神的な欲求を満たせるような生き方には到底達し得ないと思いますが、家族や社員やお客様や社会に何かしら貢献出来る様になりたいと願っています。 今年一年、残すところ今日を入れてあと31日です。時間に継ぎ目はありませんので、生きるとは一生のマラソンなのだと考えております。 途中でしんどくなったり、走れなくなったり、歩いたり、お腹が痛くなったりして、休憩してそれでいいのだと思います。

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