top of page

何だこりゃ?! 第129号

先月、東京タワーの話をしましたが、縁あってこの度、PVRの撮影を行うことになり、先日、その行って来ました。 (PVRが分からない方は本ホームページの取扱い商品ページをご参照下さい)

昼と夜の2回、地上250mの特別展望室の少し上から外の景色を撮影しました。 さすがに、地上250mは圧巻です!! 東京に高いビルが多いとは云いながら、250mの高さのビルはそうはないと思います。 遠くには雪の富士山が見えました・・・ 昼の撮影が終了し、特別展望室へ戻ってきた際に、その信じられない光景は起こりました!・・・

最初は、何がなんだか分からかったのですが、すぐに若い女性が展望室の外側に立っていて窓拭きを手でやっていたのです・・・ 何だこりゃ?!・・・という単純な思いでした。

もう少し詳しく説明しますと、特別展望室の窓は人の背丈より高く、窓が外側に傾斜しているのです。 更に、その窓の外にはかろううじて人が歩ける5,60cmの出っ張りが展望室の周囲にあるだけなのです。 そお女性はそこに出ていて作業をしているのです。 よく見かけるゴンドラなどではありません。 命綱が腰の左右から一本ずつ窓枠の外にあるらしいフックにかけて、その綱が邪魔のようにひたすら普通の掃除のように窓を拭いているのです。 拭いている布すら、その出っ張りにそのまま置いて掃除をしているのです・・・ もう一度云います。彼女の後ろは250mの空なのです・・・

分かりにくいでしょうから、更にもう一度説明しますと、20代前半の華奢で若い女の子が一人、地上250mの高さで黙々と、淡々と空を背にして拭き掃除をしているのです。

これには本当に、ビックリしました。 展望室にいた観光客も、景色よりその女性を信じられないといった感じで見つめていました・・・

私達を案内してくれた東京タワーの社員の話では、彼女は清掃会社の社員で、その女性しかその掃除は出来ないのだそうですと教えてくれました。

幾ら仕事は云いながら、誰彼ともやれる仕事ではありません。 風の強い時もあるでしょうし、暑い日も寒い日もあると思います。 週に1回のペースでその女性は外の掃除をしているとのことでした。

そして、夜、といっても午後5時過ぎには暗いので撮影をし、6時前には終了して、展望室に戻ってくると、何と、朝に掃除していたその女性が、今度は展望室の内側の窓を掃除していました。 偶然にも彼女が近くに来たので、私は思わずこう聞いてしまいました。

「朝、窓の外を掃除しているのを見かけたのですが、怖くはないのですか?」 すると、彼女は怪訝そうにこう答えました。 「ハイ、別に怖くはありません・・・」

「失礼ですが、おいくつですか?」と聞き返すと 「22です・・・」

「何年位、ここでやっているんですか?」と聞くと 「一年ちょっとになります・・・」

これだけの会話でしたが、この女性には高い所での恐怖心というものはないのだなと思うしかありませんでした・・・ 若い男性でも高所恐怖症という人が結構多いのですが、この女性には無縁のように思いました。

東京タワーのはるか向こうにはスカイツリーが見えます。 しかし、東京タワーはその造形美が美しいのです。 地上から真上を見た時の曲線の美しさは、本当に素晴らしいのです。 赤と白のタワーがライトアップされた夜景も、これまた美しいのです。

電波塔という役割は東京スカイツリーに譲り渡して行きますが、美しさという点では東京タワーもなかなかのものだと思います。

東京タワーが完成して早や50年ちょっとが経ちました・・・ 是非、後世の方には生誕100周年を盛大に祝って欲しいと思います。 私達はこの東京タワーに関与することが出来て、本当に嬉しく思います。 東京タワー、万歳!

東京タワーのPVRが公開される日が決まりみたら、読者の皆さんにお知らせ致しますので、その節には是非ともご覧下さい。

最新記事

すべて表示

学問への興味 第278号

私自身は、どちらかと言えば理系人間ですが、高校時代は化学(バケガクと私達は読んでいました)だけは全くの苦手人間で成績も悪かったのですが、一方、物理については勉強は大してやってもいないのに現実感があり、馴染みやすくて分かり易い面も多く、割と出来た方ではないかと思っています。...

朝の風景 第277号

私の日課についての話です。仕事の日は朝4時45分に起床し、5時55分に家を出て近所のバス停まで徒歩6,7分歩いて6時9分のバスに乗り、最寄り駅へ到着します。 永年の習慣なので、この時間は殆ど変わりません。休日には目覚まし時計は使わない為、夜更けまで Netflixを観たり、...

ちゃわんのはなし 第276号

過日、久し振りに一人で映画館へ行って来ました。私は高校時代は一端の洋画ファンで、よく一人で出掛けていました。今回の映画は普通の作品ではなく、ドキュメンタリー風の人物中心の作品でした。 私がこの映画を観ることになったのは、全くの偶然が始まりですが、私の中では「人と人の繋がり」...

Comentários


bottom of page