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先人達の生き様 第239号

ここ最近、10名以上の創業経営者や中興の祖と言われた日本や米国の経営者に共通した考え方や特徴、業績を自分なりに調べ、整理したことを書かせて貰おうと思います。 今月のタイトルは「先人達の生き様」という、私個人がとても惹きつけられる名経営者や歴史上の人物に関する話です。

まずは、プロローグです。 早速ながら、私自身は多感な中学・高校時代から時代小説が好きで、フィクションでも歴史小説を好んで読んでいました。 何故かというと、単純に面白くて、実際に存在した人物だからです。 フィクションも面白いことは面白いのですが、やはり実際にその時代に生きたという事実が、心に強く刺さりますし、頭の中のイメージも全く違います。

そんな私の読書経験でも中国の「三国志」は心に強く残りました・・・ 今から1800年以上前の中国で実際にあった歴史を、小説家が見て来たかのように登場人物を生き生きと蘇らせ、その描写やその故事に大いに心が躍りました・・・ 舞台が広範囲で壮大で、日本と違って登場人物も多く、話自体もスケールが大きく、日本とは深みや拡がりが全く違う。 私は多感な時にその世界にのめり込んでしまいました・・・

中国の歴史物には人名を正確に憶えられない程に大勢の人物が現れ、誰が何の役だったか分からなくなり、途中から読み返すことも度々ありました・・・ 軍隊の規模も50万人とか100万人とか嘘だろう、大袈裟なと思うほど大軍で、当初は嘘だろうと思うのですが、次第にその広い国土や異なる民族など、日本にはない多民族や歴史の奥行きやスケールに圧倒され、私には逆にそれが 面白くて、ワクワクする躍動感さえ憶えました・・・ 実際に後年、映画でその故事を再現した兵士の多さや武器の多様さや規模を観ると、余りにも壮大すぎて日本との桁違いのスケールに圧倒されました。 まるで、自分がその戦いの中に出くわしたようにリアルな迫力や時代を感じたものです。 レッドクリフという映画など、三国志で読んだイメージ通りの内容やスケールでした・・・スゴイ!の一言でした。

この三国志ですが、話の主要人物は義に篤く、人々に慕われ、大きな徳を持ち、蜀という周囲を山々で囲まれた国を起こした劉備玄徳と、その配下で天才軍師として右に出る者がいない、高名過ぎる諸葛孔明、その諸葛孔明を三顧の礼で迎い入れようと出かけた故事や、天才軍師が死んだ後も敵軍を騙し続けた逸話まで、兎に角、素晴らしい展開でした・・・

時代や場所は全く違いますが、第二次世界大戦時に北アフリカ戦線で大活躍し、「砂漠の狐」と言われたドイツ軍のロンメル将軍に私は諸葛孔明の姿を感じるのです。 あながち諸葛孔明を知っていたのではないかと思う程、兵器の量や質が不足していても、その戦で敵軍を欺く姿は瓜二つです。 このロンメル将軍はまさしくドイツでは英雄であり、まるで諸葛孔明です。 最後にはヒットラー総統を暗殺しようと企てたとかで、ヒットラーから毒を与えられ自ら命を絶った人物です。 ロンメルは終生、ナチス党員にはなっていません。 そればかりか平民から元帥にまでなったただ一人の軍人です。 それでもその才能はドイツには必要だったばかりか、敵のイギリスのチャーチル首相もその才と勇気を惜しんだ程です。 砂漠の狐とは上手く言ったものだと思います。 愛用のゴーグルは敵軍(連合軍)からの戦利品でなかなか面白い人でもあったと思います。 砂漠での戦い方はまるで諸葛孔明の策と思うほど面白くて愉快な戦術を用いています。 こんな軍人だからこそドイツでは愛される英雄で凄い軍人だったと思います。

さて、三国志では劉備玄徳や諸葛孔明にとって宿敵のライバルであり、戦さの天才で負けることを知らない魏の皇帝となる曹操があちこちに描かれており、私は三国志に心を鷲掴みにされました。 読んだ三国志はまるで百科事典のように分厚く、上下巻あり、随分と時間をかけて読み切りました。 当時、大いに感動したものです・・・ 結局、2、3回は読み返したと思います。 また、劉備玄徳と兄弟の契りを結んだ関羽と張飛の強さや逸話も面白く、漫画の主人公ようにワクワク感を憶えました。 そこへいくと、諸葛孔明は博学で自然気象や天文にも通じ占いもやる、正に探しても簡単には手に入らない天下の賢人で劉備玄徳の「徳」が「三顧の礼」となり、玄徳の下で働くことになったのです。

話は変わりますが、南大阪にある司馬遼太郎の旧宅を見学した際に、見つけた単行本を後日、本屋で入手して読んで深く感銘を受けたことがあります。 それは「自分は時代を超えて、過去の人物に会うことが出来ます。その人物に問いかけをし、その人物を自分で描くことが出来る、そんな仕事は他にはないし、自分はとても恵まれていて幸せだと」と・・・こんな文面だったと思います。 この言葉は本当に素晴らしい話だなと感動しました・・・ 恵まれた幸せな仕事とは考えたこともありませんでした・・・ 自分が描く世界で問いかけや話が出来るなど、実社会ではあり得ない姿に時代小説の面白さや素晴らしさを感じたのです。 今はいない人物に出会い、問いかけして、その人物を自分なりに描いて見せる、こんな考え方で作家は対峙しているのかととても新鮮でした・・・

文章を書くレベルは全く違いますが、この社長コラムでも関ヶ原の戦いを西軍と東軍の2つの視点から描いてみたいと思ったのは、この司馬遼太郎記念館に行ったことがどこか自分の中にあったのだろうと思います。 関ヶ原へ出かけ、400年以上も前の古戦場で死を賭けて戦った戦国武将の気持ちはどんなものだったのでしょうか?・・・ 私も下調べをして、実際にその場所を歩き、当時の情景を頭の中で描きながら天下分け目の合戦を描いてみたかったのです。 西暦1600年の故事ですが、そこには10万人を超えた侍達が戦ったことは事実です。 まとめるのは大変でしたが、非常に楽しく、面白く、そして疲れました・・・

人は生きている間に感動したり、感銘を受けたりして過ごしています。 その度に何かを感じ、受け止め、自分を見直したり、新たなエネルギーを注入したりして、また続きの人生を生きて行きます。 感動することは人生にとって重要なことであり、その人の人生も変わることすらあるのです。

そして、ここからが、第二部です。 こんな私が一人の経営者となり、それなりの志もあり、まだまだそれが実現していないことも分かっています。 必死になればなる程、実際に成功した経営者の著作や雑誌を読み、その考え方や違いを読み取ろうとして、著名な経営者の考え方や 生き方などを吸収したいと思い集めました。 経営者のキーワード抽出では、次の基準で選びました。 ・その人が実現した「事実」に注力した。 ・その人の語録から特徴的な文言を探し出す。 ・勝ち組であること。負け組では残ったものが少ない。 ・順風満帆に成功していない人。 ・幼少から苦労した人。貧乏、大病、家庭環境、挫折など。 ・気持ちが強く、その意志の強さはどこから来たか? ・転機になったこと、人との出会い、運とは? ・条件が揃っていなくても事を成す源は何か? ・家庭も仕事も円満だったか? ・資産や年俸が分かれば使う。

さて、どうやって情報を拾い出したかですが、今の時代はインターネットを使えば瞬時に調べることが出来ます。 少なくとも、情報の真偽の問題はあっても加筆修正は出来ます。 こんな便利なものが机の上にいつでもあることも凄いと思います。 中には動画も揃っていて、故人でも本人が語っているものもあります。 本人に会っていなくても、語る口調や声の強弱、抑揚でも感じ取ることも出来ます。 私はほぼ毎日、インターネットで興味がある事柄を調べます。

この中で実際に講演会や生で観たことがある人もいますが、多くはU-TUBEや自伝と言われる書物などからです。 どうしてそんな本に憧れて読んだかというと、そんな風になりたいからです。 また、友達とそんな名経営者について、こんな時は誰々はどういう風に考えたかなど、予想というか真似という か、他愛のない経営問答の真似みたいなことをしたことも何度もあります。 残念ながら、そんなことが出来る友は今までに一人しかおらず、数年間に他界したので本当に寂しいいものです・・・

さて、名経営者は多くの語録や映像にも残っていて、その言葉を分析して経営スタイルを分類した人もいます。 そんな本を読んだことがあります。 その著者はコンピューターメーカーに勤めていて、得意なコンピュータを使って、洋の東西から名経営者を言葉を集めて 分析していました。 その本は私には面白くてその考え方に共感を憶えました。 その本は、「企業進化論と続・企業進化論」です。 著者は梶谷通稔さんという日本IBMに勤めている方でした。 もう30年も前の本です。 この本から今も考え方の基本になっている狩猟民族、農耕民族の話は、本当にそうだなあと同感します。 また、経営者は多くの言葉を日々発していて、その言葉の中にその考え方や視点、或いは特徴が表れていると思います。

冒頭で書きましたが、奇しくも今回は私なりの名経営者に共通したキーワードについて書き記しておきます。 誰がどの言葉といったまとめ方ではなく、自分でまとめた文章や事例から共通的に良く使われていると思う言葉や単語を 選んでいます。 知識として分かったとしても、それが実践出来るかは別問題であり、多くは実践し続けることは出来ないだろうと思います。 何故なら、その効果は継続しない限りは出て来ないだろうし、そう簡単に実践出来ることでもないからです。 しかし、名経営者たる人達はそれを実践し続け、効果を生み出し、成功している訳です。 人間の心はどうしても揺らぎます。 揺らいだ時に本当に苦悩すると思います。 そんな時、自分から離れて名経営者の言葉や文章を読み直すとしみじみと思い当たる時があるものです・・・

では、実際に調べて分かった言葉をここにランダムに出してみようと思います。 「努力とは、誰にも負けない努力を努力という」 「明日やろうと考える前に今日やることを実行せよ」 「条件が満たされないのは普通のことで、何がどれだけ足りないのか、新品でなく中古ではダメなのか考えるのが挑戦」 「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」 「同族会社にしない」 「下請けはやらない」 「世界に君臨する企業を目指す」 「始末をつける」 「商売は自分の才覚と努力で幾らでも大きく出来る」 「ものは心が通じないと売れはしない」 「商売は99%はお金やな、残り1%が哲学というかそんなものやな」 「商品の安売りは自分の首を絞めるだけ」 「要らんものは放置しとばいい。必要なら向こうから言ってくる」 「部下に悟らすことが最上の人材育成」 「思うことが全ての始まり」 「安いからと材料を大量に買うことは駄目だ。売れなくなった時のことも考えよ」 「経営者で成功するのは、刑務所に入ったことがある人か、信頼していた友人に 裏切られたとか、死線をさまよう大病をした奴くらいかな」 「やり始めたらそれ以降を最初で引き離すことやな」 「この事業は人が全て、解散価値がない、タイムリーな生産、日銭の商売、累積産業やな」 「材料費をケチっていいビールは作れない。顧客が喜ぶビールを作らないといけない」 「スーパードライは誰も売れないと言った。しかし、結果は大ヒット」 「叱れない上司は褒める上司よりダメだ」 「知らないことは素直になって聞く」 「品質の高い製品を顧客へ届けるのが使命」 「前例がない。だからやる!」 「問題は現場にあり」 「消し炭の中の火種を人に移す」 「国が皆さんに何をしてくれるかではなく、皆さんが国に何をしてくれるかを問おうではないか」 「財政改革」、「産業振興」、「心の改革」 「改革意欲の高い人材の登用」 「ニーズとシーズ」 「日本人は意見に食い違いが生じると、友情もそこまでと考える人が多い。欧米人は相手を友達と思えば、  トコトン議論し、そこをよく理解しようとトコトン議論し、徹底的に思うところを説明しようとする」 「原稿を読んでいては絶対に人は口説けない」 「企業は高い付加価値を生み出すイノベーションこそ最も大事」 「医者になりたい人はただひとえに人の命を救いたいと思う一点が唯一である」 「考え方次第で今の技術では不可能と言われる問題を解決する方法はある」 「紳士服よりもカジュアル衣料の方が接客が要らない」 「諦めないでやり続けると思わぬ結果が生まれる」 「既成の価値観を失くして考えるととんでもない商品が生まれる」 「週90時間働いているか??」 「人間の既成概念など時間が過ぎれば過去のガラクタ」 まあ、こういった語録や意訳です。 14名の経営者や政治家に言葉から抜粋しました。 短い言葉だけで人を動かすのはとても大変だなと思います。 しかし、こういった言葉はその人の生き様であり濃いエキスだと私は思います。 私も少しでも近づけるように頑張りたい。

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