• 株式会社ビジョンクリエイト

地下鉄対決

つい先日、ソウル市内を縦横に網羅している地下鉄に乗車する機会があり、大阪の地下鉄との違いを肌で感じました。その見聞を書いてみたいと思います。また、乗車したのはほんの2路線ですので、ソウル地下鉄の全てを言い表しているかは不明なこともご了承下さい。

今回の体験談を通じて、ソウル地下鉄の方が大阪市営地下鉄よりも安くて快適で、しかも静かだということが分かりました。 ソウル地下鉄に軍配が上がるどころか、大阪市営地下鉄の担当者や責任者は是非ともソウルを学んで欲しいとさえ思いました。 「何故、こうも違うの?・・・・」という思いです。 例えば、大阪でも地下鉄駅にアルファベットと番号が付けられていますが、そんなことはソウルではとっくに行われています。それに、ややこしい名称を付けた路線名ではなく、誰もがすぐに分かる番号が路線名に付いています。

私は常々こんなことを思っています・・・ 「人間の進歩には二通りの方法があります。一つ目は自分で努力して工夫や知恵を出して問題や課題を改善解決する方法と、二つ目は人の優れている点を真似する方法です。 前者は手本がなく自らが先駆者となるケースであり、後者は既に存在している周知の事実を真似る訳です。前者は格好いいけれど、その労苦や迷いや怖さや焦りは体験した人にしか分かりませんし、後者の場合は格好良くはないし、どこかで人真似に対する堂々と出来ないようなわだかまりもあるし、自ら生み出した訳ではないので、どうしても軽く見られてしまいかちです。

本当に難しいのは前者ですが、後者も結構難しいんのです。何故なら人はそう簡単にバカになれないからです。それでも敢えてやれる人こそ偉いのです。 これから、大阪の地下鉄と比べた点を挙げたいと思います。 あくまでも私の局所的な経験であり、甚だサンプル数が少ないですがご容赦下さい。

その1.トイレ トイレは改札内ではなく、改札の外にあります。ビックリするのは、その清潔さとキレイさです。大阪のトイレは特有の匂いがしますし、決してキレイではありません。文句なくソウルの勝ちです。 聞けば、大阪では外部業者にトイレ掃除を委託しているそうですが、職員の方々が自分達でやれば、経費も不要ですし、トイレのキレイさを保つ重要性や掃除の大切さがもっともっと分かることと思います。赤字になった会社を再生する際に、再建を引き受け見事に収益改善を実現される有名な企業経営者が、最初に社員自身に掃除をさせることをやらす道理もそこにあるかと思います。 自分達でやればその重要性が分かるものです。

その2.券売機 券売機の使い勝手もあるでしょうが、考え方の違いを感じます。 大阪ではお金を先に投入しますが、ソウルでは行き先を指定してからお金の投入をします。しかも6駅を3人で乗って4000ウォン(=360円強)という安さ、降りた駅では購入したカードを返却するとそのカード代が返却されます。 何でこんなに安いの?と思ってしまいますが、タクシーでも2400ウォン(=230円弱)という料金でも走ってくれます。 乗っている私達の方が恐縮してしまう感じでした。それいて、ガソリン代は日本より高いのですからタクシー代は日本の半分以下です。これも何でこう安いの?という感じでした。

その3.車両内の広さ 車両内の横幅が大阪(いや日本?)より広く、座席の向こう側との距離が広く、乗っていても横揺れが少ない感じを受けました。

その4.車内広告 これは全然違います。大阪の地下鉄は走る広告です。特に、車内通路中央に吊されたチラシ広告はハッキリ言って邪魔です。ソウルの地下鉄ではそんな広告がないので、一車両の端から端までスッキリ見渡せます。日本の地下鉄の吊り広告は車両内のエアコンの流れを遮断するだけでなく、背の高い人には迷惑でしかありません。ここまで何でしなくちゃならないのと私は日頃から思っています。 乗車した人の快適性を犠牲にしている自分勝手な収支だけの地下鉄が大阪です。

その5.エアコン配置 大阪では車両内の扉付近天井のエアコンが、車両の真ん中付近とでは明らかに構造が異なっていますが、ソウルでは先ほども言いましたが、同じ作りで一直線に並んでおりスッキリしており、効果も涼しいようです。

その6.開閉扉 開閉は日本と同じようなものですが、どちら側が開くか天井から下がっている液晶画面で案内されます。韓国語と英語の2種類で表示され、音声案内もあります。また、大阪のように入口付近に邪魔なのに立ち続けている人もいませんでした。

その7.優先座席 日本と随分、違います。まず、シルバーシートは誰も座らずに空いていることが多く、座っていても年配の方が来ると、サッーと黙って席を譲るシーンは印象的でした。 大阪ではなかなかこうならない。同じ料金なら座らなければ損とでも思っているようです。

その8.車内放送 これも大阪では停車駅周辺の企業宣伝が結構行われていますが、ソウルでは全く聞かれませんでした。もし、あったとしても韓国語ですので私には分からなかったと思います。走行中、社内は静かで、大阪の騒々しい車内放送に比べ居心地がいいものでした。

その9.駅構内放送 先日、梅田駅でドアが閉まる直前での駆け込み乗車に対する駅係員の放送が聞こえましたが、まるで大声で怒鳴っています。 駆け込み乗車する方もする方なら、それを危険だからと怒鳴って諌めている係員も係員でみっともない。これで国際都市になれると全く思えません。

その10.補助指導員 ソウル駅のあちこちで年配のおじさんが切符の買い方が分からなかったりして右往左往していると、こちらへ寄って来て何かしら教えてくれるのです。勿論、韓国語ですので何を言っているのか分かりませんが、すぐに助けてくれることが分かりました。これが大阪でも最近やっているコンシェルジュなのか?・・・

その11.綺麗さ 車両も駅構内もソウルに軍配が上がります。何せ構内もトイレも車内も綺麗です。 ソウル市内は大阪の3,4倍の路線数があるようですので、全部は分かりませんが、静かで綺麗なことは間違いないと思います。

これ以外にも比較できる点はあるでしょうが、総じて、ソウル地下鉄に軍配が上がります。この良い点を見習って大阪の地下鉄も良くなって欲しいと思います。赤字だからと収入を増やす為に広告や案内をやることも必要かも知れませんが、利用客の要望や心地よさも追求しないと本末転倒の策になるのではないでしょうか?・・・ 車掌の車内案内一つ聞いても、研修や指導がきちんと行われているようには全く思えませんし、ただの棒読みでは乗っている乗客も何も感じません。 「痴漢は犯罪です」という車内アナウンス自体、程度の知れた公的モラルなのだと実感する次第です。もっと考えていろいろな策を試して欲しいと思う次第です。