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少年サッカー 第130号

平成24年がいよいよ始まりました・・・ 近年は明るい話題が少なく、ずっと低成長だの、国力低下だの、政治不信だの暗い時期が続いています。 特に、政治不信は深刻だと思います。

政治に将来ビジョンがなく、法律の擁立と現法の改定ばかりやって、ジワジワと税金を上げ、それでいて一定収入以上の人達に集中的にその税源を多く割り当てているだけのように見受けます。 政治家には2代目とか世襲制のような人が多く、誰一人、自分達の報酬を下げようとか、情報化社会だから国会議員数を減らそうとかの提案や行動を行おうとする人すらいないのが現状です。 国会という選挙民の手が届かない場で、派閥等の力という論理だけで、物事が決められているように思います。

こんな訳で、日本企業はこれからもドンドン海外へ出て行くでしょうし、政治を当てにはしないようになる傾向が更に強まると思います。 我が身は我が身で守る企業思想の傾向が更に強まると思うのです。 もはや、政治は世情実態に遅れ始めており、益々、この傾向は顕著になると予想します。

さて、今回は少年サッカーという話題に触れたいと思いますが、少年サッカーが今書いてきたことと大きくかけ離れているように思われるかも知れませんが、割と関係があるように思いましたので、思い切って年初に書いてみることにしました。

さて、我が家には小学4年の男の子がいます。 幼稚園時代からずっとサッカーをやり続けており、もうかれこれ6,7年になるかと思います。 子供のサッカーは、本当にまだまだTVで観るような統制のとれた サッカーとは程遠く、団子の塊のような気合いだけで蹴りまくっているようなサッカーです。

しかし、そのサッカーが4年になってから、組織プレーに変貌し始めているのです。 そして、明らかにコーチの指導法が3年までと4年からでは激変したのです。 コーチは同じ人です。

小学3年までは皆で楽しく、試合があればどの子も交代で割と出場出来ていたのに、4年になると一定の目標をクリアーしていないと、例え、遠方の会場での試合だろうが、父兄が応援に来ているだろうが、終日、試合に出してはくれないのです・・・ 場外でリフティングの練習をずっとやらされるのです・・・

これにはさすがの父兄もいたたまれなくなって、コーチに苦言を呈したり、チームを辞めたりして行く子もいます・・・ 子供よりも父兄がそうしているのです。 一見、冷たいような対応ですが、コーチにはコーチの考えがあっての指導なのです。

子供達がサッカーを通じて、努力や諦めないという精神力を身につけ、大きくなった時にそのことを思い出して、諦めないで人生や苦難を乗り切って欲しいという信念からなのです。 これはまだ小さな子供達には分からない話かも知れません。

そのコーチは子供達をまず褒めることが少ないし、いつも怒ってばかりいるように見えます。 試合中でも気に入らない行動をとった子供がいると、その場に呼びつけて叱っているような人なのです。 だから、父兄には陰でボロクソに言われています・・・

しかし、子供達はそんな厳しいコーチの元で萎縮しながらもついて行っているのです。 いや、そんな子供達だけが残っているのです・・・ サッカーが好きで疲れても苦しくても何とかついて行っているのです。

こんなコーチの話を思い出しながら、私もこう思います。 実社会は紛れもなく競争社会です。 持って生まれた才能の人もいるでしょうが、多くは才能よりも努力や諦めない目標への執念、そして自分の心のありよう(自我と言えばいいのでしょうか)でその結果が決まるのだと思います。 更に、この子供達のように何年にも渡って仲間となり、助け合い、一つのゴールへ向かって頑張る姿は、実社会の姿そのものでもあります。 今の日本企業では薄れた価値観でしょうが、それが日本人の由縁である「強み」でもあります。

よく私達はこんなことを言います。 「子供は親の後姿を見て育つと・・・」

私は親でなくても、子供達は大人の社会や大人そのものを見て学び、そして真似をして行くものだと思います。 勿論、コーチでなくても両親でも周囲の大人でも同じです。 少年サッカーは子供にとっても親にとっても、決して楽なものではありません。 練習もありますし、試合だってあちらこちらでやります。 その度に親の負担も相当なものです。 でも、子供自身がサッカー好きなので、親も応援しているのです。

やがてこの子供達も成長と共にバラバラになって行きます。 このサッカーは小学生のみが対象なのです。 中学になれば、校区も興味のあることも変わって来ます。 しかし、彼らが大きくなった時に、苦しいこと、我慢出来そうもないことにぶち当たった時に、精神的に強いものを持っていれば、必ずや乗り越えることが出来ます。

大人の社会は楽しいだけでは済まされません。 時として才能に負ける時もあります。 しかし、才能よりも強いものがあります。 それが努力です。 努力に際限はありませんし、時として才能にすら勝ちます。

この少年時代の思い出は一生消えることはないでしょう。 少年の頃の強い体験は人の一生に強い影響を与えます。 少年サッカーといえども、それは闘いであり、自分との闘いだと子供達は感じ始めています・・・

我々大人は、もっと姿勢を正し、目標を定め、一心不乱にやり抜く覚悟を持って仕事に取り組む決意を改めて自覚したい。 人生は自分が思い描いた通りになる! ならないのは努力が足りないだけです。 そう思うと、子供の必死な練習や試合を見るたびに成長の足跡を感じます。 我々、大人も今年こそ、頑張ってみようではありませんか?!

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