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恐竜に会いました! 第61号

つい先日、夏休みを取り福井県勝山市にある「福井県立恐竜博物館」に行って来ました。 行く前は正直な所、大したことはないだろう、チョコチョコと骨か近いものが置いてあって、こんなものかという程度の博物館だろうと予想していました。 実際に世間には、お金だけ取るような施設があったりしますので。

しかしながら、私の「予想」は見事に外れました! 恐竜に関して、ここまで学術的に、且つ量的にも質的にも大規模に展示されているとは思いませんでした・・・ 正直なところ、こんな田舎(失礼ながら)にこんな立派なものがとビックリしました。

まず、驚かされたのは博物館の概観でした。 遠方から、それとはっきり分る楕円立方体を横半分にした、巨大な銀色のドームが周りの林の中にニョキッと飛び出して見えるのです。 恐竜(実際には復元ですが)を見たことがない私には、こんな自然ばかりの中に突然出てきた為か大いに感動しました。 正に恐竜が出てきそうな雰囲気と情景です。 このドームは恐竜の卵を模して作ったのだろうと思います。

この博物館は、概観以上に内部は大きく、中に入るとすぐに長いエスカレーターが地下へ向って真っ直ぐに徐々に暗くなって長く伸びているのです。 これは上手に設計してあると感心しました・・・ この設計者はセンスが非常に良いと思います。 いかにも1億年以上前の恐竜の世界へ踏み入れる期待と、少しばかりの恐怖を与えてくれるのです。 地下でエスカレーターを降りると、その先は恐竜の世界です。 そこには化石や骨格見本でこれでもかこれでもかと溢れていました。 実物もありますが、再現したものも多く、見ただけではその違いは素人の私には全く分かりませんでした・・・

圧巻はスーパーザウルスと呼ばれる首の長い四足恐竜と、獰猛で史上最強の肉食獣と呼ばれるティラノザウルスの後足の解剖見本でした。 前者は首としっぽがとても長く、どちらもキリンの倍以上の長さがあるのではないでしょうか? とてもこの世に生きていたとは思えないスケールでした。 こんな大型で四本足の恐竜が、100年も200年近くも生きていたとは信じられませんでした。 しかし、ティラノザウルスはそれ以上でした。 後足の解剖見本の大きさですが、像の足の倍以上の幅と長さはあったと思います。 こんな獰猛で大型の恐竜が自分の目の前に今、突然現れたらと想像しただけで心臓が止まりそうです。 その巨大な足で踏まれたら一たまりもありませんが、アメリカの科学者が実験やデータから、その噛み砕く力は4トンはあったと公表していますので、他の動物や恐竜は咬まれた瞬間に骨ごとグシャグシャになったことでしょう。 事実、牙の化石が展示されていましたが、杭としか思えない太さと長さと尖がり方でした。現代に生きていて良かったと思います。 ティラノザウルスの骨格標本は、頭部とあご、特にあごの大きさと歯の形状や本数が凄かった!!・・・

兎に角、このように驚くことばかりで、これでもかこれでもかと骨格標本が展示されていますので、真面目に案内文を読んで見学したら丸2日はかかるのではないでしょうか・・・ 正に、見る(=眺める)だけでも嫌になるくらい、骨、骨、骨のオンパレードでした。 真面目に見学すると正直、嫌になるかも知れません。

さて、その恐竜ですが、これまでのところ540種が発見されているそうです。 最近の200種に限っては、約40%余りが中国やモンゴルなどアジアで発見されているそうです。正に、アジアは恐竜の宝庫のようです。 恐竜は「中生代」と言われる時代(25100万年前~6550万年前)に生きていたそうで、この中生代は更に細分化され、古い順から「三畳期」(25100万年前から19960万年前の5140年間)、「ジュラ紀」(三畳紀後から14550万年前の5140万年間)、「白亜紀」(ジュラ紀から6550万年の8000年間)となっており、最初の恐竜が現れたのは三畳紀の後半の22000万年前だそうです。気の遠くなる時代です。 哺乳類の祖先もこの頃に登場したのだそうです。

しかし、恐竜は白亜紀の末、6550万年前に絶滅したそうです。 活躍した期間は計算上、15450万年間です。 そもそも地球が誕生して46億年、人類が始めて現れてから50万年とか言われていますので、人類は地球誕生から最後の0.01%に出現しており、恐竜の繁栄期に比べたら0.3%の長さしか活躍していません。

恐竜絶滅は今のところ、隕石衝突説が有力なのだそうです。理由は恐竜が絶滅した時代の地層に次の特徴が見られるからだそうです。 1.地表には少量しかないイリジウムが多い。 2.高圧で粉砕された石英の粒 3.微小ダイアモンド 4.普通には見られないアミノ酸が存在する これからの特徴は隕石が衝突したとなると説明がうまくつくのだそうです。 火山噴火説もあるようですが、今は隕石衝突説が有力なようです。 いずれにしても、大気中に塵が大量に発生して、太陽光線を遮り、光合成をしていた植物が死に絶え、次に草食動物が死に、最後に肉食動物が死に絶えたようです。 それにしても恐竜は随分と永い間、繁栄した生物なんです! 寿命も長いものでは100年から200年は生きたと推測されるそうですから、凄いの一言です。

ここまで来ると、恐竜がいかに優れた生き物であったかお分かりになると思います。 初期の哺乳類の祖先は2,3年しか寿命が無かったそうですから、生物の進化とは大変なものだと思います。 逆に言うと、人類はあとどれ位繁栄するのでしょうか・・・ 必ず、繁栄する生き物との交代が起きると思います。 それは少なくとも今生きている人類以外の生物であることは間違いないと思います。 人類がお互いに助け合い、お互いに尊重し合い、お互いに慈しみ合わなければ、きっといつか滅亡の時が来ると思います。 最近の人類は少々、傲慢になり、自然への畏敬や感謝の念も薄れ、私利私欲に走っているように見えます。 地球は丸い一つの運命共同体であり、資源もその中からしか生まれませんし、悪い影響もその中でしか起きません。 このあたりのことを疎かにしたり傲慢になったりすると、間違いなく絶滅へ向って行くと確信します。 そうならない為に、先に述べた様に命を慈しみ、お互いが思いやりのある生き方を して行くならば、宇宙根源の法則に沿った扱いを受けられるのではないでしょうか?・・・ 今回のコラムは時間軸の長い、浮世離れした世界を旅して来たようなコラムになりましたが、長い時間軸で考えてみると人類の今の姿はどのように写っているのでしょうか?・・・

後記:恐竜に関する情報は福井県立恐竜博物館のホームページから援用しました。

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