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  • 執筆者の写真社長

新しい世界 第257号

兎年の新年迎え、今年は思い切り跳ね回る一年にしたいと自分に言い聞かせています。

昨年は寅年で私の干支でしたが、決して良い事ばかりではなく、むしろ逆だったかも知れません。しかし、それでも足るを知るという教えの様に私には十分に幸せな一年であったと感謝しています。人は身の回りで起こる良くない事も身の処し方によっては決して悪い事ではないと解釈し受け入れる事も出来る年代があるように感じます。自分がその年代になって来たようにも感じたりします・・・欲が少しずつ減っていくように感じるのです。半面、それは諦め始めたことなのかと再考したりしますが、何故か自分の人生の年輪が変わり始めているような感覚がするのです。言い方を変えると、人生の終わり方を徐々に考え始めているからかも知れません。生きることは死へ向かっているということですからね。今までは死に無頓着でしたが、もうそろそろ考え始めなければいけないのか知れません・・・


 こんな時、大阪にある某大学の卒業式に著名人が出ていてその祝辞が話題になっていますた。その動画がyou-tubeに挙がっていましたので私の目に留まり、興味深く幾つか拝見させて貰いました・・・畏まった堅苦しい来賓者だけでなく、各界で活躍している著名人もいて祝辞にもその人なりの生き様や考え方が表れており、素晴らしい祝辞でしうた。なかなかこういった祝辞は部外者には公開されるものではありませんが、この大学の個性といえば、この事自体がその大学を表しています。壇上に上がる来賓者が一流であればこそだと思います。これらの具体的な内容を言いますと、「世界標準で考える」(楽天三木谷CEO)、「人生に失敗など存在しない」(キングコング西野亮廣)、「塞翁が馬」(山中伸弥)、「大切なことは失敗から立ち上がること」(安倍晋三元総理)、「未来を恐れず、過去に執着せず、今を生きろ」(堀江貴文)など、なかなか味わいのある素晴らしい祝辞というより講演です。

 著名な経営者でも「世の中に儲からない事業などない」(松下幸之助)、「stay hungry、stay foolish」(ステーブ・ジョブス)、「努力とは誰にも負けない努力をいう」(稲盛和夫)、「伸びる時には必ず抵抗がある」(本田宗一郎)、「ネクラな組織からは何も生まれない」(盛田昭夫)などうんちくのある言葉があります。


 こういった話をすると、多く方から「何なのこれは?」とか、「自分達に関係ない大企業の経営者の話など参考にならない」とか、「そんなことで会社が成長するなら自分達の方がもっと深刻で真剣だ」とか、「本の中の話だろ?」とか、どこかで冷ややかに思われている感じがします。しかし、これらの人達はこれを真剣にやり続けたからこそ、事業や会社を大きく出来たのではないかと素直に受け取る人も多いかと思います。例えば、ソフトバンクの孫正義さんが会社を立ち上げた頃に、何かの箱の上に立って「当社は将来、お金を豆腐のように数えられる会社にするぞ」と語ったら、この社長はおかしいと思ったのか、その年に全員が退職した話は有名です。

京セラの稲森さんも松下幸之助さんの講演を聞いて、強い想いこそが出来そうもない目標や夢を実現する源だと確信し、町内で一番、次は区内で一番、その次は京都で一番、最後は日本で一番の会社にすると誓ったそうです。

 この話は私も全く同感です。最初は人もものもお金もありません。あるのは志しかありません。最近はこの志という言葉が忘れ去られ、英字の文字や新しい言葉で語られたりしますが私は昭和世代なので志の一文字が一番しっくりします。立志伝中という訳ではありませんが・・・この志こそ、その後の人生を決める原子核のように人の行く末を決めるものです。また、少々のことでは消えるものではありません。これが消えると、その人は死んだも同然になってしまいます。問題は賛同する仲間をどれほど集められるか、共に志を共有していけるかです。これが小さな企業の将来への命運を握っています。勿論、事業の発展性や将来性も関係しますが、このことが特に重要だと思います。これを感じ取れるか、形に出来るかもがこの志にかかっています。千里眼のように創業時に何年も先まで見通すことは相当に運に恵まれた人だと思います。多くの人は創業して事業を始めてからいろいろな壁にぶつかり、悩み、もがき、苦しみ、そして何かしなければならないと思い始めて、そこから苦しみ考え始めると思います。更にその先も登るべき階段が急角度になります。ここでもまたその志が強く求められます。そしてチャレンジして新しいことをやってみるのです。

 そして、失敗するのです。成功は失敗の積み重ねの上にあります。失敗を恐れてはいけないのです。失敗するからこそ成功へ近づくのです。正にエジソンの名言の通りです。失敗を続けるとどこまでが危険かも引き返せるかも分かります。余り大きな失敗は倒産につながりますが、何度か失敗することも大事かも知れません。

 しかし、失敗を無視してやり過ぎると本当に会社は倒れます。やめ時も感覚で分かります。ですから、妙な言い方ですが多額の借財を抱えて事業をやっている人を見かけると逆に尊敬をしてしまいます。人には器の大きさがあります。いわば借入金の器です。こんな経営者には私はなれそうもありません。これがある意味では経営者の一面なのかも知れません。しかし、借りるより借りない方がいい。無借金経営の大企業もあるのですから。


 さて、こういった話をしているのは何故かというと、新年最初の月であり、私自身の近年の振り返りと志の再確認と気持ちの入れ替えをしたかったからです。自分自身にいい加減になったり、甘えが出て来たりするので、改めて気合いを入れ直したいのです。いろいろ訳の分からないしがらみや自身の中のいい加減さが、鍋の中の灰汁の様に溜まり始めていたので、一旦、ここですくい取っておきたかったのです。

 生きていると、心の中から慢心やいい加減さの灰汁がいろいろ出てきます。今ではそんなことも分かるようになりました。人生とはなかなかのものです。人生の味付けは自分次第です。周囲や環境のせいではありません。甘くも辛くも薄くも濃くも出来るようです。

欲張ることは減りましたが、逆に質を上げることには執拗になりました。


 今年一年もいろいろとあると思います。今まで経験したことがなかったこともあるでしょうし、くどくど分かりにくいかも知れません。それでもそれを避けて通ることが出来ない自分である以上、それに向かい合い、直視し、挑戦していきます。障害だけではありません。進路の判断に迷うこともあるでしょうし、注意が足りないこともあるでしょう。

 結局、事業や経営は人の問題に帰結します。人=自分=社員や幹部=お客様=社会なのです。繋がっている訳です。逆に言えば、出来ないことなど何もないのです。

貴重な365日を前向きに生きていきます。本年もよろしく。

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