top of page
  • 執筆者の写真株式会社ビジョンクリエイト

松下電器歴史館 第22号

大阪府門真市、京阪西三荘駅近くに「松下電器歴史館」はあります。 松下電器産業を創業・発展された故松下幸之助氏に関する展示物やビデオが豊富に展示されてあり、幸之助氏が築かれた松下電器産業の歴史を直かに学べる施設です。

私が初めてここを訪れたのは、以前、松下系列の某社長さんに「良いところがありますから、機会があれば是非一度見学に行かれたらいかがですか?・・・・  きっと感動されますよ」と勧められたことがキッカケでした・・・

それから、随分と月日の経ったある日、近くに来る用件があり、偶然にも歴史館を見つけ、「なんだあ、こんな所にあったのか!!・・・・」という思いで懐かしく思い出され、そんな思いと共に見学させて頂きました。 その社長さんの話をちゃんと聞いてなかったことが、場所が分らず見学するまで時間がかかった原因でした。 その訪問以来、時には社員と来たり、時には他社の社長さんと来たり、時には一人できたりしています。

歴史館は実に見事に手入れされており、入館料は無料、おまけに無料の駐車場までついています。

開館しているのは、通常は月曜日から、金曜日までなのですが、今月は特別展の最中で、例外的に土曜日も開館しています。 歴史館の中に入ると、受付で記帳してからの見学となります。 松下関係の方も多いようで、4月以降は新人社員らしい若者を大勢見かけます。また海外からの見学者もよく見かけます。

実は、先月下旬にも見学させて頂きました。 調子のいい時よりも、悩み事があったり、業績が良くなかったり、決断の基軸が分らなくなった時などに訪れます・・・・

先人の知恵のように無言の教えがあるように思います。 その上、不思議と「勇気」や「やる気」が充満して来るのを感じます。 見学してみると分るのですが、訪れる度に新しい発見が必ずあります。 新しい展示物を見つけたり、今まであったのに気付かなかったり(正確には気付く眼になっていなかった)と様々です。 先月はこんな言葉が私の目に飛び込んで来ました!

「貧乏社員」「貧乏社長」

私には次のような「教え」として迫ってきました・・・ (決して、本来の意味ではないと思います)

事業がうまくいかなくなれば、働く社員さんを「貧乏」にしてしまいます。 社長さん個人も勿論、同じく「貧乏」になります。 社員さんへの給料も少しだけしか出ません。 社員さんは「買いたい物も買えず、欲しい物も手に入れられなくなり、全ての面で我慢」しなければなりません。 ましてや、社員さんには「大切な家族」もいます。 奥さんもいるでしょうし、小さな子供だっているでしょう。そんな家族にも貧乏を強いることになります。 経営者は社員さんやその家族を絶対にそんな辛い目に遭わせるようなことをしてはならないのです。

社員さんや家族を貧乏にしているのは、世間や景気ではなく、実は経営者自身がそうしているのです。 「君は一体、何をやっているのだ!そんなことでは経営者ではない!しっかりせい!」 こんな風に私には聞こえてきました・・・・

もう一つ、心に残った話があります・・・ 乾電池を作っている事業部か、工場を幸之助氏が訪れた際の話です。

商品企画課長がある電灯のスイッチを入れたり、切ったりして説明していたら、みるみる間に幸之助氏の顔が紅潮して、こう怒鳴ったそうです。 「返してくれ、君、返してくれ!」 どうやら、その課長に今まで払っていた給料を返してくれという意味だったそうです。 「君い、これは私が作った電灯じゃないか。君は、それを、どこを、どう、改良したと言うんだ!それが君の仕事じゃないか!」 相当悔しかったのだと思います。

幸之助氏は見るからに力を落とし、椅子に座り込むと、こんなことを言いました。(意訳も含みます) 「もういいんや。もういいんや。君には期待していたんや。やってくれると思うとったのにや・・・・・・・」 ・・・・・・・・ 「そやけど、今からでもやってくれるやろ?」 その後、この社員は発奮して大いに成果を上げたそうです。 人を使うということの難しさ、幸せ、感謝、謙虚、自己反省、・・・・こんなものが全て含まれている話だと感じ入ってしまいました。

今の私には叱り飛ばす所までしか出来ません。それどころか、「もういい、君はやらなくていい。私がやる!」と言います。 私が何度となく、ここに通っているのは「心が洗われる」からです。 病んでいた自分の心が安らぐのです。

経営者は、特にオーナー経営者は御山の大将です。 自分の姿が自分ではわかりません。結果が良いと自分の手柄だと思い、結果が悪いと自分自身では無く、周囲に原因があると思いがちです。

また、施設内にはミニシアターもあり、上映される映像が実に感動的です。 幼い頃に体験したような懐かしい純な気持ちになってしまいます。 以前、「道」が上映されていた時は涙が思わず出てしまいました・・・・ 実は、このミニシアターを担当して作ったのが、紹介者の社長さんの会社でした・・・・

こんな素晴らしい歴史館が無料でゆっくり見学できるのです。 先月も殆ど一人で貸切見学したような状態でした。 見学した後、今の自分の姿に気付かされます。

人間としては成長する為に、無言の教えを頂くような所であり、慰めもあり、ハッパもかけてくれます。更に、エネルギーも注入してくれます。 歴史館での展示物は定期的に更新されていますので、何回訪れても、新しい発見が必ずあります。

幸之助氏は世界的企業の創業者であり、オーナーであり、偉大な教育者だったことは誰もが認める事実です。

その例の一つとしてこんな話があります。 「お得意様に松下電器は何を作っている会社かと聞かれたら、ものも作っていますが、人も作っていますと答えなさい」 これほど、人材教育に情熱を持って貫かれた経営者もいないと思います。 それが出来るのは、自分がそれ以上に我慢や努力や情熱を持って常に精進されていたからだと思います。

とかく今の世の中は能力とか、実力とか、実績とか、何か人間の能力の一部だけを取り上げ、そこだけを評価している価値観が主流です。 各人の能力を伸ばす、と言う手間のかかる、時間のかかる、非効率なことは後回しにされているように思います。

人を愛し、信じ、好きになる。 だから、情熱も持てるのだと思います。

松下電器歴史館のご案内 〒571-8501 大阪府門真市大字門真1006 京阪電車 西三荘駅下車 徒歩3分 電話番号 06-6906-0106 FAX番号 06-6906-1894 HP    http://www.panasonic.co.jp/rekishikan/index.html

最新記事

すべて表示

生成AI時代 第274号

最近と言うか、正確には2年も経っていませんが、私達が今まで経験したことの ない驚きが世界中に拡散しました・・・ 例えて表現すると、今から170年前の1853年、嘉永6年に永く鎖国をして いた日本へ、アメリカ東インド艦隊のペリー提督が率いる4隻の黒船が横須賀の 浦賀沖に突如として現れた時くらいの衝撃だと思われることが起きました。 その当時は日本に矢継ぎ早やに開港や貿易取引など不平等契約などを迫まり、

好奇心 第273号

生きている間には誰しも、何かの時に強い好奇心を感じたり、駆られたりすることがあ ると思います。この好奇心は人間には特に強く備わっているようで、他の生物にはない とは言いませんが、人類に備わっている特徴の一つではないでしょうか?・・・ この好奇心こそ、人類が地球上で最も高い知能や文明、繁栄をもたらした正体ではない かと思うのです。この好奇心は星や星座に名前を付けたり、神話を重ねたり、幾何学と いう学

シリコンバレーの思い出 第272号

年令を重ねて来ると、これから先の抱負や希望よりもいつの間にか自然と昔の思い出 を懐かしく思い出す時が増えて来るような気がします・・どうしてそうなるのかは自 分では分かりませんが、脳自体が特に意識しなくても何かの拍子に働き始めるのかも 知れません。それでも自分の意識があるのだろうと思います。 また、脳は新しいことに対しては活発に動くようで、その時にはエネルギーも多く必 要になるようです。昔の思い出な

Commentaires


bottom of page