top of page
  • 執筆者の写真社長

落語に出会う 第260号 


キッカケはたまたま人に誘われたのが縁で、堅苦しくないし、地域というかNPOというか、活動を支援している団体が主催していたので落語を聴きに行ったことが始まりです。

当日、出掛けてみると、観客の多くは永い働き期間を終えた年配の世代が大半で、若い方でも40代前後の方が混じったような集まりでした・・・

 

 落語を話している方から、観客は少ない催しでは1人、普通でも10名程度とのことでした。公演会場についても公的施設もあれば、小さな建物内で話す機会もありますとのことでした。私が実際に出かけた会場も今迄に知らなかった場所ばかりでしたし、探すにも苦労した場所もありましたが、それが逆に身近に感じられるような落語会でした・・・

落語を話す?喋る?方にも素人もいればプロの方もいて、それぞれに楽しい経験をしました。それでもやはり、プロは流石に違います。話し方が流暢で、場慣れもしているし、声に澱みがなく、流石だなと聴き入ってしまいました。

しかし、場所のせいなのか雰囲気が違うからなのか、失礼ながらテレビで観かける有名な落語家ではないので、どこか距離感のない感じですんなりと聴き入ってしまいました。


 また、素人の落語家も結構多く、芸名もどう読んだら良いか分からないシャレの効いたものや、何で付けたのか分からない名もありました。また、面白くて楽しかったのは皆さんが本職を別に持っていることでした。どこか不思議な感じでした・・・

本職の他の仕事ではどんな表情や言葉で仕事をしているのだろうとか、たわいのない可笑しさを想像したりしました・・・

そんない好きなら趣味ではなく、本職になりたくないのかな?と勝手に考えたりしました。恐らく、食べていける程、その道は生やさしくない世界なんだと察しました。言葉と表情だけで聞き手を魅了するなどと誰にでも出来るものではありません。更に、長い話を憶えておく必要もありますからね。高座で話す前に会場へ来るまで仕事をしていた方もいて、その仕事を少しだけ話す方もして、落語と仕事が混在した世界は面白そうだなと感じました。

趣味という簡単な世界でもないし、楽しいというのか、人が笑ってくれるのが嬉しいとか、なかなか他の趣味の世界とは違うなと思います。好きで落語をやっているので年齢も男女も関係なく中には話の途中でセリフを忘れてしまったりする方もいたり、また、話す順序が錯乱して分からなくなったりして会場も大笑いして、本人も一緒に大笑いするような場面もあり、今迄のプロの世界だった落語がこんな身近な出会いで変わりました。

実に楽しいものだと初めて知りました・・・


 さて、プロの落語家には亭号(芸名の苗字にあたる部分)を一門から与えられていて、よく聞く落語家の亭号が付いているプロは名前から違います。着物もアマチュアとは異なり、直ぐにその違いも分かります。

落語を始める際には座布団、それも割と厚いものに座って話をしますが、洋服の方は観ませんでした。ダメなんでしょうかね?・・・私の妙な疑問です。

伝統芸能だからきっとダメなのだろうと思います。手ぬぐいと扇子を小道具に使いながら話す方もいます。これはこれで使い回しが難しいだろうなと分かります。間とか使い方でしょうか。また、何人かの登場人物を使い分けるのも難しいですね。女形、若い男、若い女、年配の男、年配の女、老人など、声を使い分けるのもその話し手の腕なのでしょうか・・・

 話す声の調子や言葉遣いは重要です。話し手の味のようなものが全く変わってしまいます。話に中で役所が直ぐに分かる声の使い方が出来る話し手が上手なのは当たり前です。左右を見たりしてどちらが話しているかも分かりますが、声の調子と言うか、ちょっとした使い方の違いを話せるかも優れた才能です。

 私は以前から落語が好きだった訳ではありませんが、こうして街中で聴く落語はなかなか楽しいものだなと大いに気に入りました・・・今度は有名な小屋にでも行ってみようかと思います。そこはプロの世界なので、流石に違うだろうと思いますが、この年齢になって落語を聴くに行くとは思ったこともなかったので、意外と素人が混ざったこのような近所で聴ける落語が楽しいかも知れません。


 さて、話は変わりますが、落語には上方、江戸の二つがあります。

話し言葉も大阪弁や京都弁の上方と江戸弁や時には関西弁も使う江戸では使われる小道具も違い、上方の方が多いそうです。

また、落語家が出番になると、三味線や太鼓を使ってお囃子と言われる前奏があります。

これも落語にとっては必要不可欠なようで、お囃子がないと高座へ出るキッカケやタイミングが取り辛いのでしょうか、更にこのお囃子は落語家によってそれぞれ演奏曲が異なり、you-tubeを観れば、落語家の個性も出ているような曲で興味深いものです。


最後に、非日常的な落語など聞く機会がなかった私ですが、人前での話し方、強弱の付け方、間の取り方、口の開け方などなど参考になりそうでした・・・

人に伝える話し方は簡単そうですが、実は難しいものだと思います。

名経営者と言われた人達には使う言葉や話し方に個性や特徴があり、印象も違います。

落語家も同じで、皆それぞれ違うことは分りましたが、話口調や間の取り方、声の出し方、イントネーション、癖はその人独特の個性だと大いに感心しました。

これでまた人生が味わい深くなりそうで、老いることも楽しからずやです。

最新記事

すべて表示

生成AI時代 第274号

最近と言うか、正確には2年も経っていませんが、私達が今まで経験したことの ない驚きが世界中に拡散しました・・・ 例えて表現すると、今から170年前の1853年、嘉永6年に永く鎖国をして いた日本へ、アメリカ東インド艦隊のペリー提督が率いる4隻の黒船が横須賀の 浦賀沖に突如として現れた時くらいの衝撃だと思われることが起きました。 その当時は日本に矢継ぎ早やに開港や貿易取引など不平等契約などを迫まり、

好奇心 第273号

生きている間には誰しも、何かの時に強い好奇心を感じたり、駆られたりすることがあ ると思います。この好奇心は人間には特に強く備わっているようで、他の生物にはない とは言いませんが、人類に備わっている特徴の一つではないでしょうか?・・・ この好奇心こそ、人類が地球上で最も高い知能や文明、繁栄をもたらした正体ではない かと思うのです。この好奇心は星や星座に名前を付けたり、神話を重ねたり、幾何学と いう学

シリコンバレーの思い出 第272号

年令を重ねて来ると、これから先の抱負や希望よりもいつの間にか自然と昔の思い出 を懐かしく思い出す時が増えて来るような気がします・・どうしてそうなるのかは自 分では分かりませんが、脳自体が特に意識しなくても何かの拍子に働き始めるのかも 知れません。それでも自分の意識があるのだろうと思います。 また、脳は新しいことに対しては活発に動くようで、その時にはエネルギーも多く必 要になるようです。昔の思い出な

Comments


Commenting has been turned off.
bottom of page