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  • 執筆者の写真社長

高度救命救急センター 第264号

先月、次のようなことが私に起こりました・・・

ある日、夜中に目が醒めて起き上がろうとした時に気持ちが悪くて天井が回るような感覚に襲われ、そのままソファに仰向けになっていたら、いつの間にかそのまま寝込んでしまい、大きな声で目が醒めたのです・・・

それは女房が救急車を要請している大きな声で、私の状況を伝える内容だったのです。

「目を白黒させて、体が痙攣して、口から泡を出しています!すぐに来て下さい!」と・・・

その声が大きかったので、私は目を醒ましました。

自分でも痙攣を起こした記憶がなく、気分が悪いことだけは同じのままでした・・・

まもなく救急車が到着し、いろいろ症状を聞かれ、やがてストレッチャーに乗せられました。掛かりつけの病院へ搬送して貰えることになり、ある大学病院へ運ばれました。

丁度その日は7月の3連休初日で、専門医も休みが多いらしく、割と若い医師や看護師に囲まれて、点滴やCT、MRI、レントゲンを受けました。

そういった間にも気分が悪くて何回か吐いてしまいました。

そんな時間にも違う救急車が到着して来るので、病院のスタッフはあちこち動き回って対応していました。

やがて、症状から判断した結果、私は別の部門へ移送されました・・・

そこが表題の場所だったのです。


このセンターは厚生労働大臣が決定する特定の医療機関だそうで、大阪府にも3か所にしかありません。高度救命救急センターは救命救急センターのうち、特に高度な診療機能を提供するものとして、広範囲な熱傷や四肢切断、急性中毒などの特殊疾病患者に対する救急医療が出来る施設なのだそうです。心肺停止者の搬送が多くあり、患者の死亡率も救命救急センターよりも高いと言われています。私が入院したこの大学病院もドクターヘリが早期に配置された病院だそうです。

入院中に何回かそのドクターヘリが飛来して屋上に着陸する様子を観ました。このヘリは遠隔地の患者で時間との勝負で一刻を争うので、医者や看護師も同乗して飛んでいるそうです。


さて、このセンターには個室も含めて約20ベッドがあり、顔中包帯だらけで動けない患者や、何か呻き声を発する患者や、やたらと看護師を呼ぶ患者など様々で、全体的に患者が静かな場所だと感じました。逆に言うと、声を出せるような患者が少ないようでした。

また、部屋内には多くのモニターが置かれてあり、患者である私の枕元にも2台のモニターがグラフなを表示していました・・・呼吸数や脈拍数以外は分かりませんでした。


さて、私は部屋に向かって右端奥のベッドに先程の場所から移されました。

その時は思わず良かったと思いました・・・

周囲に患者さんがいるより端っこの方が気が楽だからです。

しかし、後でその理由も分かりました。

その高度救命救急センターは最初に運ばれた部屋の隣にあるのか、次から次に救急車の音が聞こえてきますので、私よりも重篤な患者が優先されるのです。

翌日には専門診療科のある病棟へ移されました・・・そこは4人部屋でした。


今回は、その高度救命救急センターでの様子に感動したことを記録したいと思い、ベッド上で持ち込んだ手帳に乱雑に書き止めた下書きを元に書きました・・・

そこの特徴はまず、看護師の方々が若いということです。

次に、声が大きくて元気だということです。

そして、一番、印象に残ったのは次の言葉です。

「有難うございましたー!」

「宜しくお願いしますー!」

年齢的に20代半後半から30代までの若い看護師さんが2交代制で働いていたようでした。交代は夜の8時台ではなかったでしょうか?・・・

12時間勤務だと思います。患者の面倒を看る看護師が挨拶に来て名前を告げて行きます。

勿論、全員がマスクを装着しています。


私はベッドに寝転びながら、最初は大きな声で話すなあ!と考えていたのですが、患者の多くは話せないような患者が多いのです。

各種測定機器もピーピーピーと音が鳴ったりしますし、患者は静かで大人しいので不釣り合いの感じがしたのですが、他の看護師さんらに依頼する時やその報告があると、先の言葉が必ず出るのです。それもはっきりと大きな声でです。

場所柄、依頼事項や報告を間違えたら大事になりかねない場所ですから、考えてみればそれが適切な言動なんだと感心しました・・・

このテキパキとした姿や明るい言動を間近に感じていると、とても感動を憶えたのです。


何故かというと、自分の会社の風景に照らし合せていたからです。

会社はIT開発が中心事業で、どちらかと言えば一人一人の感性や思考が大事なのですが、新型コロナ下で多くの技術者がテレワークを経験し、今も続けている人もいます。

対面ではなく、ネットワークを介したオンライン会議やチャットやSNSの活用で業務を遂行しています。

しかし、チャットやオンラインでは、この病院での「ありがとうございます!」や「宜しくお願いします!」には及ばないと感じたおです・・・

まさしく人と人の生身のコミュニケーションには及ぼないと感じました。

テレワークでは人間と人間の生身の繋がりに何か足りないなと感じました。

相手の表情を見て話すことが苦手な日本人はその場の雰囲気や表情で察するという特徴がありますが、テレワークでは難しいなと感じます。


日本人はまだまだ農耕民族の傾向が残っているので集団主義や全体行動や社会常識という目に見えないルールや制約、或いは人のことを自分より先に考える思いやりの民族性など、変わり始めているかも知れませんが、まだまだ心のやりとりが重要な国民ではないだろうかと思いました。

かと言って、それだけで十分だとも言えません。

日本は良い事や変えるべき事を取捨選択する時代に入っているのではないでしょうか?

今までにない未曽有の経済低迷、給与も上がらず物価は上がる、少子高齢化の加速的変化と影響、また近隣諸国との関係のあり方も従来とは変わって来ています。


この高度救命救急センターで働いている若い人達は人の生死に関わる仕事を担っています。

仕事へ対するやり甲斐や責任感も並大抵のものではない筈です。

仕事とはお客様や知らない人でも、その人達の為に役立つことが目的ではないでしょうか?

生きていると苦しくなって、途中で自分の道が見えなくなり、自分自身を疑い、迷い、他の道を歩いたり、また同じような経験をしたりと迷うことが多いのではないでしょうか?

道を定めることは難しいことですが、何が得られるかよりも何を与えられるかが大事だろうと思います。

こう考えると、周囲に情報が多い多い分、現代人は迷いが多いのだろうと思います。

結局、何をしたら良いのかという自分探しが出来ていないのではないでしょうか?・・・

難しい条件は捨ててシンプルに考え直してみることも大事だと私は思います、


この1泊2日の高度救命救急センターにいた経験は小さな感動を私に与えてくれました。

翌日には一般病棟へ移され、そこで更に4日間を過ごしました。

その短い間にも一期一会の出会いがあり、後から入院して先に退院した私はその方への縁がまたあったらいいですねと言葉を交わして病院を退院しました・・・


普段は健康の価値がなかなか分かりませんが、こうやって入院すると健康の素晴らしさやもっと大変な病いと闘っている人達のことを思い出します・・・

皆さん、心と体の健康を心掛けましょう。

心をピカピカに磨き、体をいたわりましょう。

生きていられることに感謝します。

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