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人の移動 第105号

9月に入って台北に行く機会がありました。 直前に格安航空券をネットで購入し、2泊3日の日程で行って来ました。 この時に感じたことがあり、今回はそのことをまとめてみました。

まず、格安というだけあって往復で27、000円程でした。 所要時間は3時間弱で、帰りは偏西風の影響なのでしょうか、2時間半程度だったと思います。 この感覚は、東京と大阪の新幹線の運賃と所要時間がほぼ同じで、航空運賃の安さに驚きました・・・ 新幹線と大きく異なるのは、食事も出るし、アルコールも飲めることでした。 正直なところ、「何でこんなに安いのだろう?」「何故、国内航空運賃は高いのだろう?」という疑問でした。 「ひょっとして国内では高い運賃で乗っているのではないだろうか?」、「安くならない理由は競争があっても実は競争になっていないのではないか?」という思いでした・・・ 以前にテレビので定年後をインドネシアで過ごしている日本人夫婦が年金生活のなかで、500円という信じられない航空運賃でインドネシアの国内機に乗っているシーンを観たことがあって、その時は本当にビックリしたことを憶えています。 日本国内で航空券を買うと高いという話は、外国の方から聞いたことがあり、その方は韓国やタイに出かけて航空券を買っても元が取れると当時話されていました。

こんなことは航空運賃だけではありません。タクシーも地下鉄も日本では高い運賃を払わされているのではないだろうか?という思いが出てくるようになりました。 日本は世界に名だたる物価の高い国なのだそうです。

事実、台北市内の101という超高層ビルの地下にあるフードコートで食べた夕食は45元(=130円程度)でした・・・ たったの130円あまり・・・ 信じられない感じがしました。 こんな食費だと給与が日本の半分でも生活面ではさほど困らないのではないかと思いました。 むしろ、日本人の方が疲弊しているような気になりました・・・

どちらが住みよい良い国なのでしょうか? どちらが暮らしやすいのでしょうか?

今、関西では日本航空の経営再建問題が絡み、関空発着の便が減りつつあります。 言わば、移動の面でも関西経済圏の地盤沈下が進んでいます。 航空機だけでなく、新幹線でも客数が減っている感じがします。 確かに全国的な不況ですので、関西に限ったことではないかも知れませんが、以前に比べ衰退していると思う人は多いのです。

私は関西経済復活のカンフル剤は、人の移動にあると考えています。 人が移動してこそ他の国や地域を見聞し、良い部分を持ち帰り、それに工夫を施し、更に付加価値も高めることが出来ると思うのです。 だから、人が移動しないと見識も活力も減退し、経済の地盤沈下が進んで行くと思うのです。 幕末や明治維新しかり、飛鳥時代しかりで人の行き来があってこそ大陸や先進国の経済や文化、あるいは産業を持ち帰ることが出来るのではないでしょうか?・・・ しかし、用がないのに人が移動する必要もないことも事実です。 どちらが先かと言われると、移動が先だと私は思うのです。 そうしないと、人は刺激を受けず、今の状態のままで良いと思い込んでしまうのではないでしょうか?・・・

この観点において、関西独自の支援策や活性化策があっても良いかも知れません。 人の移動は単なる物理的な移動にとどまりません。 そこに知識や見聞やヒントが介在している訳です。

日本に資源は人しかいません。 その人に投資しない限り変革は起きません。 利用客減少の為に関空での便数が減ることは、単なる利用客数の激減で終わるのではなく、その後に続く刺激を源にした変革が起こらないということです。 やがて、そのことは産業界へ追い討ちをかけることになると危惧してしまうのです。

台北から戻る際、朝早く台北国際空港へ行きました。 そこでは驚いたことに、同じような朝の時間帯に多くの便が日本各地へ向かっていたのです。 何故、こんなに日本行きが多いのかというと、利用客が多いということではなく、日本の空港での駐機代が高いからだそうで、台北から便は日本で日を越さずに殆どが夕方以降に台湾へ戻るそうなのです。その方が安いということなのです。 だから、その為には早朝便の殆どが、日本向けなのだそうです。 なるほどなあと思い知った次第です。

話を戻しますが、いろいろな難しい話もあるでしょうが、関西経済復活のキーワードは人の移動にあり、他から刺激を受け、学び、成長するにはジッーとしていることではないと私は思います。 井の中の蛙は井の中からしか世間を知りません。 移動を知っていれば、もっと広い世界が見えるばかりか、素晴らしい文化や技術など手に入れられるものが沢山ある筈です。 新幹線に乗る費用で台北やソウルにも移動できるのです。 大いに関西人は移動して、情報を集めない限り、経済ばかりでなく人の進歩もないと確信します。

私も自社発展の情報収集や社員育成の為になるなら、大いに移動したいし、させたいと思った次第です。

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当初、今月は別のタイトルを考えていたのですが、たまたま観ていたYouーTubeで懐かしい歌手が歌っているのを観てしまい、自分の10代後半から20代始めを思い出してしまいました。その当時の友人や東京という大都会での生活や風景などが懐かしく思い出され、年を重ねた今になって懐かしい思い出となったその頃の話をさせて貰います。 私が若い頃は日本が高度成長期へ突進し始めており、経済成長と安保、ベトナム戦争と学