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  • 執筆者の写真株式会社ビジョンクリエイト

家に帰る 第219号

今月、2年弱にわたり一人暮らしをしていた私は家へ帰ることになりました。 家を出てから一度も家へは呼ばれる以外は帰ることなく、泊まることもなく、今日まで頑張って来ました。 頑張るという理由が適切かどうかは別として、一人で過ごして来たことは事実です。 いわば、それは自分への誓いでもあり、意地でもありました。 全てをこの年齢でやることは面倒な時もあり、孤独な時もありましたが、小さな部屋の中で今考えると、それはそれで思い出の残る毎日と部屋になりました・・・

私は元々仕事が好きなので、5月の10連休でさえ最初の9日間は会社へ出社して仕事をやり、最後の一日だけは休むことにして生活のリズムを変えないことを執拗に大事にして過ごして来ました。 ともすると、だらしなくなったり、自分に甘くなったりするのですが、この一人暮らしは自分の生活リズムを考える機会になり、とても重視して来ました。 家へ帰ることが決まった今、帰るまでは土日の休日のどちらか一方は会社へ出ています。 休みにすることがないと言えば嘘になりますが、一番の理由は生活リズムを崩したくないからなのです。

年齢を重ねながら自分の生活リズムを作り、守ることは非常に重要なことだと思います。 このリズムが壊れると、体調や心の機微にも変調をきたすようになると思います。 このことに気づいたことがこの1年9ケ月の一人暮らしの一番大きな成果だと言えます。 また、この間に生まれて初めての入院も経験しましたし、自分の体というものを意識するきっかけにもなりました・・・ それまでは、自分の体は健康でそんなことが突然、訪れるとは思ってもいませんでした。健康であることが当たり前であり、突然の病気など考えてもいませんでした。

今は、「日々これ平凡」で大結構ということです。 何度も言えますが、時間を刻んでいく人生は何よりもリズムが大事だと考えます。 健康管理のリズム、働くリズム、運動するリズム、そして精神面のリズムです。 若い時は、何かにつけ変化というものが好きでしたが、変化ばかりに対応できる精神力や体力ではなくなり、いつしか自分の変化というものと対面する時がやってくるようになりました。

老いていくという自覚だけでなく、それが人の生き方であり、サイクルでもあると考えるようになりました。 だから、自分の生き方のサイクルは壊されたくないし、周囲の人からの見た目よりもはるかに気持ち良く心地よい時間でもあります。

こんな話は若い人には理解できないでしょうが、加齢と共に徐々に実感する時が皆さんにもやって来るのではないでしょうか?・・・ 少しは人生ということを語れる年代にもなったと思います。

最初、一人暮らしはそれなりに大変だったのも事実です。 話相手もいませんし、テレビを観ていても眺めているだけで実際は観てはいません。 流しているといった具合です。 そんな中で一番良かったのがインターネットでした。 自分の興味があること、知りたいこと、行ったこともない世界、知識の吸収、・・・こういったことを調べる為によく徹夜もしました。 今でも休みの日は半徹が多いです。

大学生の時のような明るさや友達付き合いがしょっちゅうある訳ではないので、せいぜい中古の6千円の自転車を手に入れた後は、遠出したりすることはありますが、普段は大阪の街中で見過ごしていた風景や人の姿、川面に映る静かな雲の流れ、高くて静かなビルのたたずまい、水面に映るキラキラした美しさ、車の少ない御堂筋の道、そして普段と異なる街を歩く人達の恰好や笑い顔、心から静かで美しい街だなあと惚れ込んでしまいます。

そんな姿が見られるのも、都会の中に住んでいるからだと思います。 都心にマンションが出来て多くの人住んでいる理由も分かるような気がします。 今や一年の三分の一はそんな時間なのです。 私はそんな休日の風景や空気がとても好きになりました・・・ スマホで写真を撮り、時々は眺めたり、会社のホームページにも使ったりしています。

ここで、そもそも何故、突然に家を出たのか、その理由ですが本面には書けないですが、私に原因があったことでもあります。 この2年間弱に、私も少しは成長というか、人間として考えに深みや抑制が備わったように思います。 以前までは、人はこうあるべきだという考えが強かったのですが、今は人それぞれといった柔軟性や寛容度が備わった気がします。 つまり、人にそこまで求めず、それはそれで良いのではないかと認める精神状態になれたようなものです。 反面、まだそうではない半熟の自分が残っているのも事実です。

具体的変化は、親は子供の為にいろいろと気を揉んで我慢もし、与えられるものは可能な限り与えがちですが、親自身も自分の人生を楽しみたいと考えることが多くなりました。 そう考えるようになるにつれ、子供への束縛感やこうあるべき感が薄れ、自分も楽しい人生を過ごしていいんだと思うようになりました。

そうした生き方が子供にも反映して、子供への負担感も減り、子供も親からの圧迫を軽減され、より自由な子供の気持ちや自主性を育てることにつながるのではないかと思うようになりました。 親自身が自分の生き方や生活の中で、自由で楽しい満足な気分となり、幸せである様子が子供にも伝われば、子供もどれだけ自由に自分の進む道を探せるようになるか、親からの姿に学ぶのではないかと考えるようになりました。

こんな訳で、私の心境変化も認められ、晴れて許されて私は実刑から執行猶予へなり、自宅へ帰ることになったのだと思います。 子供には辛い時間だっただろうし、子供自身の為よりも親の為に生きていた部分もあったと思います。 これからどうなっていくか先のことは分かりませんが、少なくとも同じことは繰り返さないだろうと思います。 私が一人で過ごしたこの期間は家族とは何かを学んだ時期のように思います。

今月は短いですが、ここまでで勘弁願います。 子供に感謝します。

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