• 株式会社ビジョンクリエイト

vol.131-「<スマホ>が変えた世の中」

「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない。唯一、生き残るのは変化できる者である。」

チャールズ・ダーウィン1859年「種の起源」・・・。


コロナ渦において、みなさんの家庭では「もはやだれもこんなもの見ることも使うことも読むこともない、”部屋は狭い”し”押し入れ”の中とかすっきりさせたい。」・・・いっそ全部廃棄したい・・・という話題を最近よく聞きます。


しかし、どうしても捨てがたいものもあります。わが子が幼い頃の”思い出”が詰まった”写真アルバム”や特別な”記念の品物”・”表彰状”・・・撮りだめした”運動会”の”光景”などのビデオテーブ、「亡くなった人の”直筆の書簡”」・・・こういうものみなさんはどうしてますか。もし、昔から”ネット”や<スマホ>があったらどれだけ便利になってたでしょうか。これから”はがき”や”手紙”や”日記”はどう変わるでしょうか。


[“(bp)ベーシスポイント”]:とは

“(bp)ベーシスポイント”は、”金融市場用語”で”金利単位”の呼び方を意味し、0.01%=1ベ-シスポイントです。basisとは「基準」、pointとは「小数点」という意味の英単語で、basis pointとは、「基準となる小数点」という意味です。通常は、「basis point=bp」と略され、金融分野で”債券利回り”や”金利の変動”などに用いられています。0.01%は1bp、0.05%は5bp、0.10%は10bpというように使用されます。


[<スマホ>の普及で”消費行動”は大きく変わりました・・・]

今般、総務省は[消費者]物価指数(CPI)に関する”基準”を改定します。5年に1度の改定では”消費量”が増えたものを追加し、減ったものは除外するというように”指数”の”構成品目”を入れ替えます。この入れ替えは、人々の”消費行動”の変化という”世相”を反映しています。


(CPI)は家計の”消費支出”のなかで”重要度”が高い”品目”を選んで”価格”を調べ、[消費者]が購入するいろいろな”商品”や”サービス”全体の”物価変動”を示せるようにしています。2015年基準から2020年基準への今回の改定では30品目を”調査対象”に追加する一方、28品目を除外します。さらに10品目については5品目に統合し、調査するのは”582品目”となります。


[“電子辞書”は短命に・・・]:

固定電話・携帯型音響機器・ビデオカメラ・写真印刷・”電子辞書”・・・今回の入れ替えで除外となった品目をながめると、<スマホ>による”創造的破壊”の威力が浮き彫りになります。固定電話で連絡を取り合うことはほとんど無くなり、音楽のダウンロード先も<スマホ>が主流です。デジカメはどうでしょうか・・・”静止画”も”動画”も<スマホ>で撮影し、印刷しないで保存するのがごく普通になってませんか。


“電子辞書”は2000年代に急速に普及しました。しかし、”言葉の意味”や”英単語”は今や<スマホ>片手に簡単に調べられます。[ビジネス機械・情報システム産業協会]によると、国内向けの”電子辞書”出荷は2007年に463億円・280万台で頂点に達し、その後下落・衰退し2020年は155億円・75万台にとどまった模様です。つまり、”電子辞書”は2010年基準で(CPI)の”構成品目”に追加されたばかりなのに、わずか10年で調査から除外されることになりました。


過去にはもっと”短命な品目”もあったようです。例えば高速道路の”自動料金収受システム(ETC)”車載器・・・2010年基準で追加されましたが、前回2015年基準で除外され、調査対象「滞在期間」わずか5年でした。ETCの普及は進みましたが、自動車購入時に”音響機器”と抱き合わせで取り付けることがほとんどとなり”ETC車載器”単体での購入が少なくなったということでしょう。


自動車関連で今回、追加されたのは“ドライブレコーダー”です。「”あおり運転”による事故がニュースになると、翌日の売上はとたんに変わる」とよく報道されています。この”あおり運転”の”社会問題”化が”需要”を押し上げた結果、”調査品目”に加わったのはまさに時代の変化を映しています。


[「時短食品」を採用]:

飲食関連もかなり変化しました。今回追加となったカット野菜・冷凍ぎょうざ・無菌包装米飯(パックご飯)などは”家事の時短化”に貢献します。豊富な栄養が”美容”や”健康”に良いとされる”アボカド”も追加されました。ある”食品関連事業者”はメキシコの”生産者”と直接契約し、”総菜”などにも取り入れるなど、”アボカド”の販売に力を入れています。


一方、”グレープフルーツ”は除外されました。皮が厚くて食べづらいため、”家事の時短化”に伴って簡単に食べられるような「即食需要」に応えきれず、消費が鈍化しています。同様な背景から2015年基準で除外されたのが”レモン”でした。しかし、最近は”サワー”など”アルコール飲料”に使われることも増えています。(CPI)の”構成品目”として将来、復活する日がくるかもしれませんね。


2020年基準改定の主な追加・廃止品目


品目入れ替えは”少子高齢化”の影響も受けたでしょう。例えば”葬儀料”や”軽度失禁用品”(吸水ケア用品)が加わる一方、”出産入院料”が除外となりました。子供ひとりにかけるお金は増えており、記念のためのスタジオでの”写真撮影代”が復活しました。


「男児用ズボン」「女児用スカート」が除外され、「子供用ズボン」が追加となったのも時代を映しています。男女兼用”子供用ズボン”は取り扱いが増えています。幼稚園保育料が除外となったのは”幼児教育”・”保育無償化制度”開始という政策の影響です。何が人気になっているのかなど人々の”消費行動”の変化を捉えるのに、(CPI)の品目入れ替えは参考になります。時代の移り変わりが激しく”消費構造”の変化は加速されます。これらは継続して調査する必要があり、基準改定は5年に一度くらいではダメかもしれません。そこで、総務省では”新製品”が急速に普及した場合などには次の改定を待たずに”品目”を改定する「中間年見直し」も行っています。


[比重の変化にコロナの影]:

2020年の日本経済は”新型コロナウイルスの感染拡大”に大きく揺れました。(CPI)の動きにとって”基準改定”でより重要な”指標”は、ある”商品”や”サービス”が”消費支出”全体に占める割合である”比重の変化”です。個別の”価格”を”加重平均”して全体の動きを示す”指数”を計算しています。


宿泊料・映画・スポーツ観戦料・テーマパーク入場料などが含まれる「教養娯楽」は、”外出自粛”の影響で2015年基準と比べて78bp低下し、「被服および履物」も59bp低下と比較的大きなマイナスとなっています。一方、”巣ごもり需要”を映した「家具・家事用品」や”マスク”などを含む「保健医療」は上昇しています。


人々が移動しなくなったため”交通”の”比重”が低下した半面、”通信料”や”<スマホ>売上”は上昇し、「交通・通信」全体としては17bp高まっています。ここにも<スマホ>による”創造的破壊”の威力が現れています。政府の意向を受けて通信各社は”通信料”を大幅に引き下げました。


日銀は2021年7月の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で「通信料引き下げの影響が比重の上昇などを反映してより大きく現れることから、(CPIの)前年比上昇率が下方修正される可能性が高い」と指摘しました。総務省は2021年8月6日、発表済みである今年6月までの(CPI)について、2020年基準で”過去”にさかのぼって改定した”数値”を公表しました。それによれば、2015年基準では2カ月連続で前年同月比プラスだった”生鮮食品”を除く”総合指数”の2021年5-6月は0.6%下落、0.5%下落といずれもマイナスへと下方修正されました。




コロナ禍の”影響”は確かに大きいはずですが、他にも”気候変動”など多様な”要素”が絡み合っていることに注意が必要です。「何が”真実の姿”を示しているか」は難しい”問題”であり、可能な範囲でなるべく”実態”を把握する”割り切りの考え方”が大事です。企業や人それぞれ”価値観”は違うし、何が大切かは自分で考えるのでほっといてほしい・・・そう考えたりします。


“基準”改定した”比重”は次の改定まで5年間固定となるそうです。しかし、総務省は”参考値”として”比重”を固定せずに毎年更新する「連鎖指数」も算出して発信する意向です。コロナ禍がもたらすかもしれない”ゆがみ” ・”ひずみ”・”揺らぎ”がどの程度の大きさなのか、この「連鎖指数」が”判断基準”となります。みなさんの”仕事”や”生活”において、どんな”行動”が得策か”自己責任”で”道しるべ”にしたらよいと考えます。


私の好きな言葉に「迷ったら顧客を見よ・・・顧客と共に動け・・・」、「答えは顧客の中にある」という”箴言(しんげん)”があります。「世の中に必要な企業は滅びない」、”世のため”・”人のため”を考えて行動する人のところへは同じ志を持った人たちが集まるはず・・・”パソコン”や”ネット”や<スマホ>が人々の役に立ち、安心・安全をもたらし、遠くにいる人々といつでも自由に連絡がとれたりする・・・こんなありがたいことはないですね。



以上