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vol.99 – 5G(ファイブジー)

5G(ファイブジー)は今のスマホに使われている無線通信規格4Gの後継通信規格で、光回線のような有線ではなく、無線の通信規格となる。 5Gになるとどうなるのかをざっとあげると…

(1) 速度がすごく速くなる。

4Gから5Gになると理論上は100倍の速度が出る。4G(今のスマホ)は高々数十Mbpsくらいの速度しかでないが、5Gになると数百Mbps以上(理論的には10Gbpsまでいく)の実効速度が出るようになる見込みである。

(2) 接続可能台数が劇的に増える。

現状の100倍ぐらいの端末がつながるようになる。4Gまでだと大都会など人口密集地域だと通信速度が遅くなったりした。5Gだとそれが解消される。そして、あらゆる”家電”や”電子機器”がインターネットにつながるような時代(IoT時代)がもうすぐ来るため、その状況に耐えうるものになる。

(3) 遅延がとても少なく、通信の可用性・信頼性が向上する。

かなり遅延が少なくなり、通信の可用性・信頼性が向上する。無線ネットワークの弱点であった遅延がほぼなくなり、1MS(ミリ秒)以下の伝送遅延となる予定である。

(4) 省電力で低コスト化

このように通信性能が圧倒的に改善されるにもかかわらず、省電力で低コスト化が実現できる。通信スペックが良くなって、低コストなので実用性が増す。今のWi-Fi並のコストで性能アップした通信が可能になる。

では、なぜ5Gにする必要があるのか? 現行の4Gでも十分速い。スマホで動画も見れるし、画像や動画のアップロードもそんなに遅くない。実際「4Gでは使い物にならない」と感じている人はあまりいないようである。 しかしこれからは5Gの出番となる。なぜか?これからの時代は”IoT”がどんどん普及し、あらゆるモノがインターネットにつながっている時代が来る。そうなると、ネットワークのトラフィック(通信量)が膨大になる。そうなると、今の4Gでは追いつかないのである。そこで5Gという格段にパワーアップしたネットワーク技術が必要となる。

5Gでできるようになる事

5Gになると、4Gでは実現不可能だった様々なサービスが可能となる。 ここではその例をいくつか紹介する。

(1) 車の自動運転

遅延なく通信が行えるようになると、車の自動運転レベルが上がる。今は自動車の中にある車載機器をオフラインで制御しているが、オンラインのサーバ問い合わせで運転ができるようになる。自動車内部の処理能力はほとんど必要なくなり、自動車はネットの受信機のような位置づけになる。そうすれば、オンラインで自動車同士の位置関係なども完全に把握できるようになるので、事故が減り、かつ通行経路も最適化され、スムーズな移動ができるようになる。

(2) 3D通信

メガネ型の通信機器やコンタクト型のコンピュータを装着し、目の前にあたかも人が存在しているような映像をリアルタイムで送受信可能になる。どこにいても、別の空間にいるような映像を見る事ができるようになる。審判目線からスポーツ中継をみるとか、ボクシングを選手目線でみられるような日が来るだろう。また、あたかも目の前に人がいるような感覚で別の場所にいる人同士が議論することも可能になる。

(3) 遠隔手術

遠隔手術などもより正確に安全に行えるようになる。これまでの遠隔手術はデータ通信遅延のせいで、それを見越した操作が必要だったが、5G環境では医者は遅延を気にせず、ほぼリアルタイムに近い形で手術する事が可能になる。医者の動きを別の場所にいる手術ロボットが遅延なく正確に再現し手術を行うことができるようになる。

(4) 遠隔介護

遠隔手術と同じ要領で遠隔で車椅子や介護ロボットを操作する事ができるようになる。今までは遅延のせいで、車椅子が壁にぶつかったりしてしまい、危険だった。

(5) リアルな遠隔会議

遠隔地にいながらでも、あたかも出席者全員が会議室にいるように見せる事ができる。会話も遅延なくスムーズに行えるようになる。

(6) 遠隔見守りサービス

高速に遅延なく通信ができるため、家の中を遠隔地にいながらリアルタイムで監視することもできる。子供を家に置いたまま、見守る事ができる。年老いた両親を子供世代がその場でつきっきりになることなく、介護することも可能となる。

(7) スポーツ観戦時のリアルタイムハイライト

超高精細なディスプレイを持った機器でも快適に動画を配信できる。例えば、スポーツ観戦中にリプレイ動画をスタジアムの観客全員に同時かつリアルタイムで送ることも可能になる。これからのスポーツ観戦やコンサートなどでは、人が密集している場所でも新しいエンターテインメントの形が実現されるだろう。

このように、5Gだとこれまでのネット利用方法は間違いなく快適になる。これが速度100倍の威力である。人口密集地域でもしっかりみんなに情報が届く。 ただ、機器が普及するのは、2020年以降なので、当面の莫大なインフラ投資をだれがどのように負担するのかといった課題はある。 しかし、今後の超高齢化社会を横にらみしつつ、災害に強い社会を構築する上でも5Gの普及は日本の国策として取り組み、官民一体となって推進すべきと考える。

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