社長コラム

情報社会に変化が起きる?

先日、某TV局の特番だったと思いますが、今の情報企業へ一石を投じる外国企業が紹介されていました。
観た方もいらっしゃると思いますが、私も少なからず共感を憶えました・・・
その企業では、個人情報を活用している企業のようでしたが、独自の企業理念があるのか何と利益の8割を緑化運動(植林のようです)へ支出しており、そのことにとても驚かされました。

社会性の高い企業だなとの一言では済まされない、理念の強さや高さを感じました。
つまり、緑化が本業でその為の運営資金を企業活動で確保してと言われても道理が通りそうなIT企業なのです。
その企業のURLは https://www.ecosia.org/ です。
ECORIAというドイツにある企業です。

この企業はシリコンバレーにあるような大手企業と異なり、はるかに企業規模は小さいですが、掲げる企業理念やその社会性が人々、個人、自然環境、大切にしたいことなど、大手企業にも負けない程、方向性や働き方、価値観まで異なる印象を持ちました。
世間や社会でそんなに有名でなくても、こんなIT企業があるのかと思いました。
大手IT企業と一線を画している姿に、やれば出来るんだという勇気や強い価値観や信念の強さを感じました。
私自身、日常の中で忘れかけていた希望や目標や使命感などを思い出しました。
何も大手や中堅のマネをすることはない。うちはうち流でいいということです。

この企業の特筆すべき点は、利益の80%(一部ではなく殆ど)を植物を増やす事業に回していることです。
これでは本業が手段で、植林事業が事業内容であっても不思議でもありません。
中央アフリカや南米やアジアへの植林を通じて、地球温暖化や砂漠化への具体的対策が事業だと思ってしまいます。

このような理念の企業は大手企業にも見かけません。
この会社では、個人情報についても独自の価値観や対処を貫いています。
個人情報を収集し蓄積することは、企業にとって大きな資産にもなり、差別化戦略に重要なビッグデータにもなりますが、その一方で個人情報を廃棄する基準やプロセスについては多くの企業から個人情報を集める前に説明もありません。
企業では、お客様情報は何がしかの目的以外には使用しませんの利用説明ばかりです。Eメール情報も同じです。
また、企業では、個人情報漏えいに神経やコストかけて防備や教育を行っています。
いつ廃棄してくれるのか、どんな方法で廃棄されるのかといった説明は本当に聞きません。いつまで品質向上やお客様対応の為に必要なのでしょうか?・・・

この個人情報の「廃棄」、「処分」という話については、原子力発電所にも共通する話だと思います。
現実に、完全にその特質を消去出来ない放射性物質なのに、地中の奥深く何十年も廃棄しているといった解決策では、地震や自然災害の多い日本ではどんなことで漏れ出すか分からない以上、どこの自治体も場所の提供に尻込みして当然です。
コストパフォーマンスは火力や水力より効率的ですが、後始末が出来ないのでは推進すきではないと思います。

しかも、未来は私達のものではありません。
未来は子供や若者のものです。
これらのツケは次世代へ引き継がれることになります。
これでは大人は無責任だと言われても仕方がありません。

20数年前、セバン鈴木さんという日系カナダ人の12歳になる女の子が、ブラジルで開かれた地球環境の国際会議で「伝説のスピーチ」を行いました。
 https://www.youtube.com/watch?v=N0GsScywvx0
大人達の前で、自然をこれ以上壊さないでと訴えた有名なスピーチです。

要約すると、大人達はどうやって元に戻せるか分からないのに、自然環境や動植物を破壊したり根絶やしにしたりしている。後に生きて行く私達にそれを引き継がないで下さいと訴えたスピーチです。
会場にいた各国代表の大人達は頭を抱えて聞き入っていました・・・
しかし、それでも今という瞬間でさえ大人はそれほど変わってはいません。
今も破壊は進んでいます・・・

ドイツは原発に反対しており、自然環境保護やゴミの分別回収やリサイクルにも熱心な国です。また、移民や難民の救済にも積極的です。
一方、日本は移民も難民の受け入れも殆どなく、国際貢献がお金中心だと言われて来ました・・・
また、未だに労働生産性が低く、休日消化も先進諸国より低い水準にあります。
個人情報取り扱いについても、Pマーク取得に依存した形での扱いが多いと思います。
私は当初、このドイツのIT企業の良心や社会性を未来の情報企業を見るかのような気持ちで観ていましたが、これは間違っていることに気付きました。
そんな企業は世界に一握りしかないのです。

この会社サイトへの登録者数は既に800万人を超えていますが、これは何を意味しているかです。
世界的には少ない企業かも知れませんが、共感する人々がそれだけいるという証でもあります。
考えることよりも行動することが大切なのです。  

ドイツはどうしてこんなに社会性の高い先進国なのでしょうか?・・・
労働時間も年間1600時間台と短く、有給休暇と傷病による休みは法律で分けられていると聞きます。
日本では風邪でも体調不良になっても有給休暇で処理されるのが一般的です。
また、その有給休暇も長期間に渡って取得出来るのがドイツや先進諸国です。
仕事のやり方が専任制のような日本ではこんなことは出来ません。   
それでいて一人当たり収入は日本よりも高い。
仕事の生産性が高く、賢い働き方だと言えます。

このドイツのIT企業の様子を観ながら、日本では今後、どんな新しい企業が生まれ、成長していくか少々悲観的になります。
日本では1970年から1990年代に成長して大企業になった例はありますが、2000年以降にはそんな凄い企業は見かけないように思います。
そこには今までと違うスタイルの新しい企業価値を持った企業が生まれて来て欲しいと切望します。バブルはバブルでしかないのです。
その新しいキーは、私なりに考えると多様性、国際性、独創性、ネット活用、社員自由度、そして立法と行政の賢さと貢献性にあると考えます。

今は亡き、スティーブジョブスの名言と言われる「Stay hungry、Stay foolish」は突き詰めて考えると、自分の人生を見直せと示唆されている気がします。
どれほど落ち込もうが、どれほど失敗や苦境に陥っても、実現したいことを決して諦めるな。そう話しかけている気がします。
もし、今日が人生で最後の一日だとしたら、今この瞬間にやっていることが今やらなければならないことなのか?と・・・
信念の創業者であり、不屈の精神を持った、短い時間を駆け抜けた天才も時間の使い方は100年分以上あったと思う次第です・・・

人生100年時代、私にはそうは長く時間がありませんが、でもやはり最後まで迷いながら夢を持ち、その道を目指していると思います。
それがたった一回の命を貰った役割だと思うからです。
人生は二度とありません。生きていることは死に一歩ずつ近づいていることです。
自分に与えられた大事な人生です。
中には仲の良かった知己や友達でも先に召された人もいます。
いつかは私も死にます。
死ぬことは仕方ないですが、悔いは残したくはありません。
だから、私は精一杯働き、生きます・・・