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  • 執筆者の写真株式会社ビジョンクリエイト

面接に想う

不況の時は採用のチャンスだと言います。 しかし、不況の時に新たに人を採用することは、勇気が要ることです。 自分の目で直接、観て感じたことを信じ通せるか、それとも世評の大方と同じで石橋を叩いても渡らないか、どちらかの道しかありません。

よく名経営者の逸話を耳にします。 昭和初期の大不況の時に、ものが売れないのに一人の社員も解雇せず販売に回して危機を乗り切った松下幸之助氏、工場の従業員が収入の保証を求めて連判状を出された京セラの稲盛和夫氏、昭和の不況時に、自分の目で直接確かめたお客様の話を基に大量採用を決断し一大飛躍の元となったCSKの大川功氏、・・・・こんな話が名経営者にはつきものです。

今、IT業界では顧客ニーズが冷え込んでおり、雇用環境は最悪に近い状況です。 反面、人材確保を考えると企業に有利な状況となっています。 雇用しようと思えば、以前には採用出来なかったような技術者や営業者が確保出来ます。 けれども、雇用環境以上にIT市場が冷え込んでしまった今、採用することは大変な勇気が必要となります。勇気ばかりか先行きの手ごたえや経済状況の回復判断が必要となります。 一歩間違えると、現状以上に会社状況を悪化させることになります。無茶では人を採用できません。

当社では今、面接を行なっています。 毎日、数人から10人前後の応募があります。 それほど、採用する会社が少ないのが実態だと思います。 応募者もワープロで職歴書や履歴書を作成し、何社にも送れる ように対応しています。 数打ちゃ面接もあると考えていると思いますが、今は採用側も非常に慎重で採否決定に多くの選択肢があり、時間もかけます。 応募者が多い分、ギリギリまで良い人材を見定めることが出来ます。

しかし、いつも世もそうですが、良い人材はすぐに内定が打たれるのは不況の時も同じです。 やはり、いいなあと思う応募者には他社から必ず内定が出ます。 不況の時もこれだけは全く変わりがありません。 そんな応募者は殆ど例外なく、第一印象が良いものです。

私は18年以上に渡って面接を行なって来ました・・・ 採用活動は常に実施していますので、随分と永い間、多くの応募者と面接しました・・・ その為、自分なりにやり方や人物評価にこだわるようになりました。 結局、それはマニュアル化しても正確に表現出来ない、人間本来の直勘を含めた鑑識眼のようなものになっています。

その例を一つだけを披露しますと、履歴書に貼り付けられた顔写真をまずはよく観ることから始めます。人の顔は一様ではありませんが、各人に各人の生き様が刻まれているように感じます。 これについては、それ以上詳しくは説明出来ないものです。

自分の直勘ですから、外れることも勿論あります。 しかし、論理的ではないからと言って決して否定することは出来ないと私は考えています。 何事も論理的に説明できることは限られており、宇宙万有の真理など、とても人間が全てを解明出来るとは思えないからです。 それどころか、分からないまま自然や宇宙は存在し続けており、分かることが限られていると考える方が自然だと思うのです。 特に、常に身近にいる人間ですらなかなか分からないのですから、人間は外見ではなく内面、つまり目で見えない部分が存在の根源だと思うのです。 姿や形が無く、常に一定しない人の心など、面接では相手よりも自分が試されているのではないかと思います。

結局、自分の持つ鑑識眼や評価尺で目に見えない人の内面を測る ことが面接ではないでしょうか・・・ 目で見えないものよりも目で見える、確認できるものが説得性もあり、万人にも理解もされ、間違いのない事実です。 しかし、それが果たしてどの程度、その人の今後の人生を決めるのか分からないのも人だと思うのです。 ですから、私はやはり人を中心に選びたいと今も思い続けています。

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