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vol.154 -「PCのスペック - ITエンジニアが提案するスペックの見方と選び方」

  • 執筆者の写真: 株式会社ビジョンクリエイト
    株式会社ビジョンクリエイト
  • 20 時間前
  • 読了時間: 6分

はじめに


過日、友人達と飲みに行った時の事ですが、友人のお子さんが大学に入学する事にノートPCを購入する必要があるそうで「どういったスペックのもの買えば良いのか?」、という話題になりました。


結論から申し上げると、アプリケーションを開発したりといった用途ではないらしく、そこまで高いスペックを必要としませんでしたが、今後何年間使うかとか、サポート有無だったりとか、色々と話をしました。


筆者は職業柄PCと触れる事が多い為、ある程度の事は分かるつもりですが、友人のお子さんの様に「何を基準買えば良いのか?」と疑問を持つの方の方が一般的には多いかと思います。


そこで今回は、「Lowスペック」「Middleスペック」「Highスペック」という3つのカテゴリに分けて、できるだけ具体的なPCの選び方やおすすめの用途をご紹介したく思います。



1. PCの「スペック」とは?

スペック(spec)とは、「仕様」や「性能」という意味があります。

規格など含め掘り下げていくとキリがなくなりますので、今回は以下4つの項目をピックアップします。


  1. CPU

    PCの「頭脳」と言える重要な部品です。あらゆるデータ処理や計算を行い、PC全体の動作速度に大きく影響します。高性能なCPUほど、複雑な作業や複数のアプリの同時起動がスムーズになります。


  2. メモリ

    CPUが処理を行うための、一時的な「作業スペース」の様なものとイメージして頂ければ良いです。メモリ容量が大きいほど、多くのアプリケーションを同時に開いたり、サイズの大きいデータを扱ったりする際に動作が安定し、快適になります。容量が不足すると、PCの動作が極端に遅くなる原因になります。


  3. ストレージ

    OSやアプリケーション、作成したファイル(文書や写真、動画など)を長期間保存しておくための「記憶装置」です。容量と速度の2つの側面があります。


  4. GPU

    映像や画像を描画するための専用部品で、グラフィックボード(グラボ)と言ったりします。

    CPUにも内蔵されている場合(内蔵GPU)がありますが、より高度なグラフィック処理が必要な場合、専用のGPUが搭載されます。

    また、最近はAIの処理にも非常に重要な役割を担っています。



それぞれのスペックが高ければ高いほど、当然価格も上がってきます。

必ずしも高いスペックが必要とは限りませんが、かといって安すぎるものを買うと、使い勝手が悪かったりと、安物買いの銭失いにもなりかねません。

ご自身が使う用途が何か、使い方に応じて、最適なスペックを選ぶことが大切です。



2. LowスペックPC


■スペックの目安

項目

推奨内容

CPU

Intel Core i3 / AMD Ryzen 3 またはそれらと同等クラス

メモリ

8GB以上

ストレージ

256GB以上 (SSDを推奨)

GPU

内蔵グラフィックスでOK

メールの送受信やWordやExcelなどでの簡単な文書作成、Webサイトの閲覧、YouTubeなどの動画視聴(画質は標準画質以内)など、比較的軽めの作業をする場合向けのものです。

価格を比較的安め(数万円程度から購入可能)に押さえる事も可能です。


ただし、複数のアプリを同時に開くと動作が重くなりやすくなります。また、高画質な写真・動画の閲覧や編集、最新のゲームを楽しみたい場合には厳しいので、その場合はスペックのアップも検討してみて頂ければと思います。



3. MiddleスペックPC

■スペックの目安

項目

推奨内容

CPU

Intel Core i5 / AMD Ryzen 5

メモリ

16GB以上

ストレージ

512GB以上のSSD

GPU

内蔵でもOKだが、用途によってはMiddleクラスの外付けGPU(GPUメモリ 8GB以内)


OfficeやWebブラウザなど複数のアプリケーションの同時利用、ZoomやTeamsなどのオンライン会議、簡単な写真・動画の編集やイラスト作成など、といった事が可能です。

また、プログラミングの学習や開発なども、この辺りのスペックから可能と言えるでしょう。


価格は10万円前後からとLowスペックのPCよりは高めにはなりますが、バランスは良く、日常的な作業は勿論、ビジネス用途も快適にこなせる様になってきます。

業務上で必要なソフトウェアの大半は問題なく動作し、多少のマルチタスクもスムーズに行えるようになります。


コストパフォーマンスが良く、多くの方にとって必要十分な性能を持っていますので、多くの人におすすめできるスペックです。



4. HighスペックPC


■スペックの目安

項目

推奨内容

CPU

Intel Core i7 / i9、AMD Ryzen 7 / 9

メモリ

32GB以上、推奨は64GB以上

ストレージ

1TB以上のSSDを2個以上

GPU

NVIDIA GeForce RTXシリーズ / AMD Radeonシリーズ(GPUメモリ12GB以上)

Highスペック向けとなると、クリエイティブ向けや専門作業に特化したものになります。

価格も20万円以上とかなり高価になります。


3DのゲームやCGの制作だったり4Kサイズの高画質動画の編集、アプリケーションの開発も仮想環境を多用する場合には高いスペックのPCが要求されます。

使用するIDE(開発ツール)も、場合によっては高いスペックのPCが必要になります。

また、最近だと、AI関連(機械学習開発など)の処理には高性能のGPUが欠かせなくなっています。

GPUの性能次第では、AI関連の処理が使用に耐えなかったり、動作しなかったりするケースが多々生じます。


ただし、用途次第では、買う必要が無いスペックとも言えます。

例えばですが、Lowスペックの所で挙げた比較的軽めの作業が出来れば良い、という場合、LowスペックのPC、または、MiddleスペックのPCで十分です。わざわざHighスペックのPCを買う必要性はありません。




5.まとめ

「Lowスペック」「Middleスペック」「Highスペック」という3つのカテゴリ分けでご紹介させて頂きましたが、大まかな用途で纏めると以下の様な形になります。

用途

おすすめスペック

備考

普段使い・ネット・メール

Lowスペック

安めの価格で良い

業務・リモートワーク・Office

Middleスペック

コスパ良し

動画編集・AI開発・ゲーム

Highスペック

性能は高いが高価がネック


価格が高くなれば性能も良くなりますが、高ければ良いというものではなく、ご自身の使い方に合った「ちょうどいいスペック」を選ぶことが大切です。


無駄に高スペックのPCを選んでしまうと、オーバースペックでコストが無駄になってしまいます。一方で、業務に必要な性能を満たしていないと、生産性が大きく落ちてしまう可能性もあります。


社内で利用するPCの選定は慎重になります。開発に使用する場合はなるだけ高性能なモデルをスペックと価格を比較しながら検討したりします。

業務内容に応じた最適な構成を選ぶことが社内の生産性向上にもつながります、


一見すると、専門用語が多く、難しく感じられるPCのスペックですが、基本的なポイントとご自身のい方を把握しておけば、最適な一台を見つけることができるかと思います。


最後になりますが、本記事が今後PCを購入する場合に、少しでもお役に立てば幸いです。


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