top of page

大切にしていたもの 第43号

  • 2005年4月1日
  • 読了時間: 3分

更新日:2022年3月18日

先日、10年以上に渡って大切に使っていました、あるものが壊れてしまいました。 いつ、どこで買ったのは憶えていないのですが価格だけは憶えています。 価格は、18,000円でした。 この大切なあるものは、私が働いている間はいつも一緒でした。 この大切なあるものは、主人がいない時でも、陰日なたなく常に働いてくれました。 本当に、なかなかの主人思いで、いい奴だったんです。 私の戦友だったんです。

3月のある水曜日、それは突然やって来ました・・・ 調子が悪くなったかのように、一部の部品が外れてしまいました。 その翌日、今度はある場所に来ると全く動かなくなって止まってしまいました。 何とかその先へ進めようと強制的に操作してみましたが、嫌なのか、先へ進みませんでした。 この大切なあるものは電池も使うのですが、電池は切れていませんでした。 結局、死因は老衰による寿命と主人である私は判断しました。

懐かしく思い返してみると、この大切なものには癖もありました・・・ 特に、腕先が擦れたりすると私から離れてしまい、よく困ったものでした。 それでも、そんな時に必ず外れる小さな部品がなくなることもなく、10年以上も付き合ってくれました・・・ 今、私は、感謝の気持ちで一杯です・・・ 用を果たさなくなった奴なのですが、捨てることが出来ず、我が家の私の机の上のそのままおいてあります。 ものなのに人の気持ちが乗り移っているような、そんな不思議な気持ちがして捨てられません。 それまでは壊れたら新しいものを買い求め、その時に捨てていました。 「ものは大切にしなさい」と、幼い頃、母親によく言われたものでした・・・ 「お米は最後の一粒まで食べなさい。お百姓さんが苦労して作ってくれたんですから」ともよく言われました。 当時はそんな家庭が普通だったと思います。 鉛筆一本でさえ、最後の最後までキャップを付けて使ったものでした。 ノートも一枚一枚が大切な時代でした・・・

ものが溢れる現代は幸せな時代ではありますが、ものを大切にする心は、その分、減ったように思います。 価格も安くなり、手間暇かけるよりその方が安くつくという人もいます。 それは恵まれた人の言い分であり、人間本来の姿ではないように思います。 地球上には、飢餓に苦しむ、食べるものさえない人達が沢山います。 今、この瞬間にも確かに生きているのです。そして、この瞬間に死んでもいるのです。 私達がものを少しでも大切にすれば、どこかで同じ人間が助かるのではないでしょうか? 大切にした分、欲しいものを我慢する分、人の命が助かるのではないでしょうか?・・・

私は経営者です。 利益を求めることが、会社を存続させる為に必要です。 しかし、人を騙したり、追い詰めたりしてまで求めることには反対です。 近江商人の精神に「三方良し」というのがあります。 「売り手よし、買い手よし、世間よし」です。 この三番目こそ、世間=社会=善行だと思います。 また、「陰徳善事」という精神もあります。

話が大きくなりましたが、ものを大切にする精神はこのように拡がり、大きな教義にも 繋がります。 最近は、人間がもの並みに扱われ、粗末にされ始めています。 「人間を大切にする」 これこそが企業発展の楚ではないだろうかと、確信のない未熟な私の感想です。 言葉は簡単ですが、実現するには、それこそ大変な時間と労苦が必要です。

私が大切にしていたあるものとは、先月のタイトルと奇しくも関係のある「腕時計」でした。 今、私の腕には思い切って買い求めた電波時計がついています。 時を刻むには最高の精度です。 やがて、この新しい友人も戦友になるだろうと思いながら見つめています。 10年、いや20年、長生きして欲しいと思う我が分身です。 そして、壊れた先代には「永い間、ご苦労様でした。ありがとう」と言いたい。 感謝。

最新記事

すべて表示
気になった出来事 第296号

今回は日常での思いがけない出来事について書いてみたいと思います。 去る三月下旬の夕方の地下鉄車内での出来事です。乗車した車両の三人掛けシートに明ら かに生活困窮者と思われる中年男性が一人座っていました。髪の毛はボサボサで長く伸び、 衣服は全体がかなり汚れていてあちこちが破れており、両足も膝下から丸見えで履いてい る草履も汚ない様子でした。当人の年齢層も定かには分かりませんが、私の推定では40 代半

 
 
貞観政要 第295号

中国の唐時代の書物に貞観政要(じょうがんせいよう)という、2代目皇帝だった 太宗(たいそう)(在位期間は626年~649年)の言動をまとめた書物があり ます。 呉 兢(ごきょう)という人が 編纂したもので、今から約1400年前の話で す。この太宗の治世下では戦乱が収まり、国情が安定し、人心も落ち着き、犯罪も 少なく、平穏だった時代だと中国の歴史上でも高く評価されているそうです。 その上に米の価格も

 
 
AIとの交流 第294号

仕事柄、私は日常的にcopilot無料版を利用しています。本当は有料版が良いのですが、 私の仕事ではそこまでは勿体ないので無料版で充分です。その使い方ですが、調べもの が多いので百科事典のように使うことが多く、IT開発技術者とは全く異なります。 無料版なので従来はデータの信憑性が怪しかったり、やり取りの履歴も翌日まで残って いないなど、利用が面倒だったのですが、機能も徐々に進化しており、ほぼ毎日の

 
 

コメント


bottom of page