アジアから世界へ 第183号
- 株式会社ビジョンクリエイト
- 2016年11月1日
- 読了時間: 5分
更新日:2022年6月20日
当社では最近、IoT事業を立ち上げました。
縁あってイスラエルのIT企業と知り合ったことが直接的なキッカケとなりました・・・
それまでは漠然とイスラエルのIT企業や製品を使ったりしてはいましたが、何せ地理的にも遠い国であり、今まで具体的な接点もありませんでした。イスラエルには優秀な企業が多いことは薄々知ってはいました。例えば、セキュリティやアドビのような画像処理や編集処理などが有名です。
それが今年の7月以降、不思議な縁で次々に人や事業が繋がり始めました。
商工会議所の商談会、イスラエル大使館のイスラエル紹介セミナー、テレビ局の取材や放映などが短い期間に次々に起こりました。その要因には必ず人が縁になっています。
また、最近では、新入社員採用に関して一人の韓国人女子大学生と面接まで繋がってしまいました。
その大学生は日本の大学へ留学して、途中で交換留学生としてアメリカの大学に2年間行き、卒業してから何とイスラエルの大学院も出ていたのです!
いろいろな大学に行っていても、イスラエルの大学へ留学したことのある学生など聞いたことがありません。こんな人材は探して見つかるようなものでもありません。
しかも、日本語、英語、韓国語の3ケ国語を話せる上、ヘブライ語も少し話せるそうです。
TOEICは何と925点です! もう発音はネイティブ並み・・・
こんな人材に出会えるとは、つい半年までは全く思ってもいませんでした。
私はイスラエル企業と出会うまでは、これからはアジアだと考えていましたが、それはもう当たり前で、その先があってもいいと考えています。
つい最近、早稲田大学経済学部のある教授のセミナーを聞く機会があり、非常に感銘を受けました。
その教授は日本と韓国を中心に、中国、アメリカ、ヨーロッパの国々との経済環境や状況をいろいろな数値を使って、今まで聞いたことのない視点から考察して説明してくれました。
経済の世界など分からない私には非常に新鮮で、面白く、且つ実感できる内容でした。
「こんな世界があるんだ! 今までの話ばかりが中心の経済とは違う。良くは分からないけれどストレートに伝わって来る!」という印象でした。
教授の話の中で最も興味深かったのは、日本は韓国との貿易ではプラス収支であり、韓国は中国との貿易では同じく収支がプラスであり、中国は日本との貿易で収支がプラスだというトライアングルサイクル(私流の言い方です)のような話でした。
何でそうなのか?は数値や事例で証明されていましたが、私にはその方法が今までの経済学者とは違って、とても新鮮で素直で納得してしまいました。
このトライアングルサイクルを事業へうまく活用し、展開すれば、今までにない新しい二国間ビジネスが実現出来るのではないかと思いました。
私の海外進出の理想形は正にそこにあるので、尚更、強く印象に残りました。
一国だけが得をするのではなく、互いが得をする。
そんな取引関係を築きたい、そんな関係も実現出来るのではないかと思います。
そうでなければ、末永くその国で事業していくことは難しいと思います。
特にアジアやアフリカではそうではないでしょうか?・・・
アジアやアフリカでは永く西洋諸国による植民地支配や統治が行われた歴史があります。
そこには平等とかいう精神はなく、西洋諸国が上でアジアやアフリカ諸国が下の上下関係しかなったと思います。今でもそんな国々が残されています。
この結果、それらの国々では自立するような教育や指導が行われず、どちらかと言えば単純作業や安い労賃や搾取が中心だったと思います。
しかし、今や全世界にインターネットが張りめぐりされ、スマホも同様に普通に使われ、瞬時に情報が世界中へ伝わる時代になっています。
また、民族意識も高くなり、独立国も増えています。
こんな時代には、相手を尊重し互いの利益を考える取引が大切になって来ると思います。
自分さえ良ければという取引は、もう通用しなくなりつつあると感じます。
自分させ良ければといった企業は、いつか必ずその国から追い出されます。
今はもう、そんな時代ではないのではないでしょうか?・・・
それは情報化社会だからです。
瞬時に、情報を介して遠くの人や企業が繋がっています。
いつでも簡単に知らない人同士が知り合うことも出来ます。
このような気持ちで教授の話を聞いいていると、これからの国際取引のあり方を考えてしまいます。
現に、我々の属するIT業界には、鉱物資源や倉庫や製造ラインや為替損益という考え方もありませんし、人の知恵、工夫、アイデア、利便性、省力化、省エネ、雇用といったメリットすらあります。
だからこそ、一国の知恵だけでなく、複数国の力で取り組んだ方が効果的だと思うのです。
異なる価値観がぶつかってこそ、新しい知恵や発見や価値が出現するのであって、同じ考え、同じやり方だけでは世の中の価値変化には追随出来なくなります。
難しい経済学は私には分かりませんが、教授の話は教授自身が外国籍でありながら、互いの国を理解しているから良く分かるのだろうと思います。
私自身も中期計画の中で海外へ拠点を作りたいと計画しているので、尚更、現実的な話に感じた次第です。
今までも何度ともなく書いていますが、本当にこれからは多国籍社員で事業を拡げて行く必要性を強く感じます。
日本国内にはそれなりの市場もありますが、残念ながら海外との取引はまだまだ大手企業に偏っていると感じます。特に、中小、零細企業は国内市場が中心です。
これからは、若い日本人は尚更、外へ出ていくことにチャレンジしないと、この国の将来は徐々に萎んでいくようにすら感じます。
世界へ出る! これが当社の未来図です。
その為にも、当社の発信型事業には外国籍社員をもっと採用していく計画です。
日本には新たな咸臨丸と船員達が必要なのです。
その船員にもう日本人である条件は必須ではありません。
私は真にそう思います。
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