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悲しみと克己 第17号

  • 執筆者の写真: 株式会社ビジョンクリエイト
    株式会社ビジョンクリエイト
  • 2003年2月1日
  • 読了時間: 4分

更新日:2022年3月18日

最近、自分の年齢を意識する機会が増えて来ました・・・ 一年毎この意識が強くなって来ている様に感じます。 「自分はあと何年生きられるのだろうか?」 「自分の夢は実現出来るのだろうか?」 「その時が来た時、家族に迷惑をかけないようにしておこう」とか、そんなことを思うようになりました。 こんなことが多くなって来たのは、自分と年齢的に大差のない方の悲報が聞こえ始めたからだと思います。 例えば、結婚式や披露宴よりもお葬式に出る回数が多くなったことでも分かります。 若い時(30代)とは違い40代に入ってからは、どうしてもお世話になった方や友人や知人の中に不幸を迎えられる方が出て来るものです。 そんな時決まって、自分自身に置き換えて考えてしまうのです。 家族の悲しみ、残された子供達の表情、知人や友人、こんな人達を見るとつい、我が身に置き換えて見てしまいます。 「自分の葬式には何名くらいの弔問客が来てくれるのだろうか?」とか、流す音楽は何が良いかとか、写真はどれがいいかなあとか、つい現実離れしたことまで考えたりしてしまいます・・・ 人間は誰でも必ずいつかは死にます。 人間だけではありません。生きている全ての生物も必ずいつか死にます。 生きていることは裏返せば、死に向かって一歩一歩、確実に進んでいることになります。 こんな中、自分の余命を意識しながら生きている人はそれ程多くはないと思います。 普通は死というものを身近に感じるような機会がなければ、そんなことを意識する機会はないと思います。 しかし、こんな言葉はよく聞きます。 「健康な人には健康の有り難さは分からない」と・・・ これと同じで身近に生命と直面する機会がなければ、こんなことは思わないものです。 最近、私と年齢的に大差のない知り合いに不幸があり、少々滅入ってしまいました・・・

最初にも書きましたが、若いときにはこんなことは思いもしませんでした。 年を重ねてもそんなことは殆ど考える事がないだろうと思いました。 しかし、年を重ねるにつれて、そんなことを考える機会が増えて来ました・・・ 老いたといえば老いたのでしょうが、残された時間に対する焦りのようなものもあるからだと思います。 それは残された時間への焦りということだけではなく、我が子のこと、妻のこと、会社のこと、社員のこと、事業のこと、お金のこと、・・・どうしてもこんなことを考えてしまうからです。どれもこれも中途半端のままで、満足出来る状態ではないからです。

自分が死んだ後のことですから、自分ではどうしようもないことなのですが、出来れば迷惑を少しでもかけないようにしておきたいと思うのです。

生きるということは、前を向いて歩くということ 生きるということは、今という瞬間を大切にすること 生きるということは、感謝するということ

常日頃はこのように考えて生きている積りなのですが、身近に不幸があったりするとめげそうになったりするのです・・・ 人の命は天命といえばそうかも知れませんが、一生という言葉が表すように生き様がそこにあるのだと思います。 私は生き様を残したいと考えています。命は一代でも生き様は形で残せるからです。 折角、頂いた命であり、健康な肉体であり、一生です。 大切に生きたいと思います・・・

私は今、52歳です。 老いは体ではなく精神から始まります。 若い世代でもチャレンジ精神の弱い人達を見かけたりしたら、いつもこんなことを言います。 「今、苦労しないでいつ苦労するのか? 今、苦労すればそれが栄養になって自分の体に行き渡り、やがて花も実もなる。年を取ってからの苦労は本当に命を賭けることになってしまう。若い時にこそ、大いに苦労したらどうか?」と。 札幌農学校のクラーク博士の言葉に「少年よ、大志を抱け」とあります。 素晴らしい言葉だと思います。 途中でくじけても、起き上がりエネルギーを充填し、また歩き始める・・・ それが人生なのではないでしょうか・・・ 追伸:今月号を見た知己より「私らしくない」とご指摘を頂きました。 確かにそうかも知れませんが、いつもこんなことを思っている訳ではありません。 しかし、以前より何か考えるようになって来たのは事実です。 これは老いなのでしょうか、それとも内なるエネルギーへの切替なのでしょうか・・・ 肉体は確かに老います。それに伴い精神力も削がれる部分があると思います。 気持ちはあっても体がついて行かないことも自覚症状の一つだと思います。 老いるのではなく、他人の迷惑を顧みずエネルギーを撒き散らしていた者が、やっ と人並みに考えるようになったとご理解下さい。 夢もビジョンもまだまだこれからやらねければならないのですから。

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