top of page
  • 執筆者の写真社長

生成AI時代 第274号

最近と言うか、正確には2年も経っていませんが、私達が今まで経験したことの

ない驚きが世界中に拡散しました・・・

例えて表現すると、今から170年前の1853年、嘉永6年に永く鎖国をして

いた日本へ、アメリカ東インド艦隊のペリー提督が率いる4隻の黒船が横須賀の

浦賀沖に突如として現れた時くらいの衝撃だと思われることが起きました。

その当時は日本に矢継ぎ早やに開港や貿易取引など不平等契約などを迫まり、か

つてない程の右往左往の対応に江戸幕府は見舞われました。後にはイギリスやフ

ランスには各種契約や開国を迫られ、日本国内は攘夷だの、公武合体だの、勤王

だの、佐幕だのと大騒ぎになり、やがては内乱も起こりました。

しかし、今回の騒動は武力も関係なければ政治的圧力もありませんでした。ただ、

頭をガツーンと叩かれたような衝撃を受けました・・・


その出来事とは一体何か?

それは2022年11月に世界中の人々が驚いたことです。今では生成AIの代

名詞となったChatGPTが登場したことです。私自身、IT業界で40年以上も働

いていますが、これほど驚いた新技術の経験はありません。正に歴史的出来事で

した。咄嗟に社会が変わる、業界が変わると直感的に感じました。

若かりし頃、日本ではICOTと呼ばれた、国が予算を出して新しい論理型プロ

グラミングを使ったコンピュータ技術を実現しようと、幾度も中断しては再起し

たプロジェクトでしたが、結局はそこまでの新技術とまでには到りませんでした。

その当時、日本中の頭脳が各種発表会を開催していました。私もprologやLispと

いう論理型プログラミング言語で簡単なプログラムを書いたことがあります。

当時のPC では直ぐにメモリオーバーとなる時代でした。また、机上学習では集合

論の勉強ばかりやっていて、正直なところ、楽しくも面白くもありませんでした。

今でも思い出すのは三段論法とか、導出法とか、バックトラックとかのキーワー

ドです・・・バグのないプログラムが書けるとか、そんな話で盛り上がっていま

した。


あれから随分と歳月が流れましたが、その間に機械学習とかGPUとかソフトもハ

ードも変わり、ついにディープランニング対応の生成AIが出現しました。まだ

回答精度やデータの問題はあるにせよ、もうChatGPTもVersion4.0からは信頼性

も随分と良くなり、そこからは皆さんがご存じの通りでオープンAIに負けじと

GoogleやMetaなども発表をしています。特にMicrosoft(以降、MSと略称)は

オープンAIへ以前から投資や提携を行っており、両社の関係は他社よりも強く

MSはOSや365など広範な顧客ととインフラアプリを持っており、データの

機密性にも有利ではないかと思います。そしてオープンAIからはGPT4oが

発表され、直ぐにGoogleからGeminiも発表されました。

僅か3、4年前にはメタバースが大きな注目を集めたばかりです。メタバースの

注目度もChatGPTが世に出てから、急激に注目度が下がった感がします。

今や世界の注目度はChatGPTの勢いに向けられており、どこまで成長するか注目

を集めています。ChatGPTの最初の発表後はたった2ケ月間で、1億人が使って

と言われています。もう、すさまじい注目度としか言えません・・・


重ねて言いますが、生成AI出現は黒船到来の出来事です。黒船と異なるのは全

世界に対する黒船だと言うことです。想定以上の事が起こったのです。

これから先の製品話も気になりますが、シンギュラリティだのAGIなど、人間と

AIの対決のような雰囲気です。その典型が、仕事が減るのではないかという話

です。例えば「士」が付く職業は無くなるとか、プログラマーも要らなくなると

か言われています。恐らく、かなりの仕事が省力化、生産性アップ、高品質化、

資料削減などへ向かっていくでしょう。

こうなると、ヘンリー・フォードが大量に車を生み出したことと同じく、大量に

生成AIも世に送り出すことになると思います。生成AIを使いこなすまでは時

間も必要でしょうが、そんな時間も思った以上に早く過ぎる気がします。また、

マルチモーダルの進化も凄まじく、私達が考えている以上に流暢さとスピードも

進むと思います。ボディシェアリングも思った以上に進むと思います。AIと人

間の脳が同調出来るようになれば、人間の思索すら代替してくれるでしょう。

今後の生成AIの進化はどこまで何が進むか予想も出来ません。GPT4oなど本当

に凄いですが、技術的にはGoogleのJeminiも優れており、進歩自体が競争です。

今は宣伝力ではオープンAIがリードしています。MSとの提携も大きいです。

GPT4oのデモを見ていると、人間の感情のように感じます。間違いを指摘すれば

素直に謝ってくれますし、言葉遣いも丁寧です。一回位は怒らせてみたいと思っ

て試したことがありますが、やはり丁寧でした。相手がAIだとこんな気持ちは

軽く無視されます。人だとむしろ謝るのは難しいと思います。


最後に、社会やIT業界の変化ですが、間違いなくやって来ます。現に、開発技術

者は利用して実感していることです。生産性と品質に驚いています。

馬車の時代に蒸気機関車や自動車が出現したのと同じことが起きたのですが、生

成AIはそれ以上です。人手をかけた業務は減ると思います。

徒歩➡馬➡蒸気機関車➡車➡飛行機と同じで、労力➡AIを使いこなす➡AIと

の共存➡AIとの共生へなると思います。

ここで敢えてAIに対する危険性もあると思います。それは使う側の人間の問題

です。技術は進んでも人間は必ずマイナス面も引き起こします。原子力平和利用

と原爆の圧倒的破壊力と同じです。一度使い始めた以上、良きことを実行し続け

れば良き事を成し、悪しきことを行えば悪しき社会になります。

その大きも人から世界規模へと変わって行きます。人間の英知と破滅は紙一重で

す。もう、後戻りが出来ません。世に出した以上、進歩は止まりません。原子力

がその典型です。AI時代には人間自身の思想も成長しなければならないです。

その段階がとうとうやって来たと私は思っています。鉄腕アトムを作り出せるか、

AIドローン兵器を作り出していくかの選択を、人間は常に考えるべきです。

それが進化と絶滅の境目です。とうとう来る時が来たと思います。道具をどう使

うかは人間次第なのです。





最新記事

すべて表示

好奇心 第273号

生きている間には誰しも、何かの時に強い好奇心を感じたり、駆られたりすることがあ ると思います。この好奇心は人間には特に強く備わっているようで、他の生物にはない とは言いませんが、人類に備わっている特徴の一つではないでしょうか?・・・ この好奇心こそ、人類が地球上で最も高い知能や文明、繁栄をもたらした正体ではない かと思うのです。この好奇心は星や星座に名前を付けたり、神話を重ねたり、幾何学と いう学

シリコンバレーの思い出 第272号

年令を重ねて来ると、これから先の抱負や希望よりもいつの間にか自然と昔の思い出 を懐かしく思い出す時が増えて来るような気がします・・どうしてそうなるのかは自 分では分かりませんが、脳自体が特に意識しなくても何かの拍子に働き始めるのかも 知れません。それでも自分の意識があるのだろうと思います。 また、脳は新しいことに対しては活発に動くようで、その時にはエネルギーも多く必 要になるようです。昔の思い出な

ボーイスカウト 第271号

今月はボーイスカウトの話です。 どうしてこんなテーマをと不思議に思った方もいらっしゃるかと思います。 実は、一つの話からの数珠つなぎの結果で今回の話題となったのですが、その経緯はこういうことなのです。 ある日の朝、会社の壁に掛けてある日めくりカレンダーをその日の数字に合わせるのですが、その日は「順調なときこそ心の備え」という松下幸之助氏の言葉でした。幸之助氏(以降は幸之助氏と書かせて貰います)は「

Comments


Commenting has been turned off.
bottom of page