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こだわりグルメ 第284号

  • 執筆者の写真: 社長
    社長
  • 2 日前
  • 読了時間: 12分

更新日:2 日前

今月も私にとっては少し変わったタイトルにしました。「こだわりグルメ」と題して、そこの店以外では同じものは食べない店を紹介したいと思います。あくまでも私個人が「この店はその料理では一番美味しい」と何度も訪れている店なので、読者の皆さんには必ずしも好みが合う訳ではありませんので、その点はご了承下さい。本当は隠しておきたい店もありますが、そんなネタもたまにはいいかなと思います。機会があれば、皆さんも出掛けてみて下さい。


その1.廣川

 京都嵐山にある江戸前のうなぎ屋さんです。もうかれこれ20年以上も通っています。通っていま 

 すと言っても年に1回か2回しか行けません。今の本店は元の本店のすぐ近くにあり、以前の本店

 に出かけたのがキッカケでした。それ以来、普段は鰻は極力食べずに我慢し、鰻を食べたい!とな

 れば、高速道路を走ってでもここへ行きます。


 折角だからと、「特上」を食べたが最後、ここの虜になってしまいました。

 鰻自体も美味しいのですが、うまき、うなきゅうも美味しくておかわりをしたこともあります。

 廣川へ行くようになったのは京都のうまい店を紹介した小さな本で知ったのがキッカケでした。

 あれから随分と有名になり、一時はインバウンドの外国人観光客が押し寄せ、予約なしだと1時間、

 1時間半は当たり前に待たされました・・・

 今は予約制となり、慌てずとも落ち着いて食事をすることが出来ます。

 かつては勝進太郎ご夫妻もちょくちょくお見えになっていたそうです。


 廣川の特徴は何と言っても、江戸風で鰻の身がふっくらとしていて、しかもタレも丁度、私の好み

 の味で、特上ではご飯の上とご飯の中に鰻が二重に敷かれてあり、一度食べたら、次もここで食べ

 たいとなった訳です。

 江戸前は背開きです。江戸には武士が多くいたので腹から裂く関西風は切腹に繋がるので好まれな

 かったようです。廣川はミシュランガイドにも掲載されたことがあり、一時は本当に凄い賑わいで

 した。我が家では鰻を本当に食べたくなった時には財布には痛いですが、折角なのでここへ来ま

 す。決して近場の店ではないのですが、一口食べた瞬間、「美味いなあ~」となります。恐らく我が

 家の味の好みに合っていると思います。思い出すだけで食べたくなって来るお店です・・・


その2.河道屋養老

 河道屋という蕎麦を主体にした同じ店名が京都には何店舗かあるようですが、私はここしか知りま

 せん。ここに初めて来た時には、これぞ京都の奥座敷!!みたいな雰囲気と風情を感じ、一目で気

 に入りました。ここにもかれこれ10年以上前から出掛けています。直ぐ近くに天台宗派の聖護院

 がありますので、分かり易いのも有難いです。


 私が気に入っているのは路地へ向かって風情ある暖簾が掛かっていて、いかにも京都らしい感じが

 いいなと思う点と、その暖簾をくぐってからの玄関までの短い通路に蕎麦引きの石臼をそのまま埋

 めだ道に苔が生えていて、何とも言えない趣きを感じるからです。

 店はどこにでもあるようで、そうは見ない日本家屋で古く、廊下を歩けばミシミシと音もします。

 どかか田舎の家屋の雰囲気があり、これが逆にいい感じなのです。気負わない、敷居が高いという

 感じもありません。

 それに加えて最高なのが、年配の仲居さんの京言葉が本物の京都弁で生まれ育ったままの素の言葉

 です。店の雰囲気とマッチして凄く心地よい上品さを感じます。生の年配女性の京言葉です。

 九州の田舎育ちの私には、幕末に京都にいた薩摩武士になったような感慨を連想させるのです。


 ここの名物はその名も「養老なべ」という京野菜と蕎麦の入った鍋で、素朴ながら土鍋で味も京風

 であっさりしていて、尚且つ「美味い!」のです。

 冬場なら猶更美味です。また、単品で鰊の甘露煮が美味い!。鰊の甘露煮はここのが一番美味いと

 我が家では言っています。鰊は別名「春告魚」といい、春先が旬のようです。鰊の甘露煮が旨い店

 は意外と少ないと思っている私には流石と感じます。他の蕎麦屋ではどこか癖が必ずあるようで、

 生臭かったり、味が薄かったり、生姜が効いていなかったりと、甘露煮はここが一番の好みです。


 店の風情も良し、店に入る前の道も広くもなく狭くもなく京都らしい趣きも良し、仲居さんの京都

 弁も良し、養老鍋もよし、そして建物も古い日本家屋で歩けばミシミシを心地よい音もして、どこ

 か自分が幼い頃の住んでいた家屋を思い出せます。個室もありますし、その個室も今風ではなく、

 昔風の建付けの宜しくない、田舎の部屋みいな感じでこれもまた良しです・・・

 部屋の中は畳敷きですが、今でも誰かが住んでいてもおかしくない普段着の店構えです。最近は暫

 く足が途絶えていますが、ふっと思い出すと行きたいなあとなる店です。

 古き京都らしい飾らない趣きのある店です。


その3.大淀蕎麦

 今度は大阪の店です。店名はどこにでもありそうな名前ですが、ここは正直に言えば紹介したくない

 私の大好きな蕎麦屋です。ここにも20年以上は通っています。何と言っても蕎麦つゆが旨い。だし

 が美味いのです。ここのだし巻き卵はそのつゆが使われていてこれまた旨い!


 更に気に入っているのが、言い方は悪いですが、今にもそれなりの地震があれば倒れそう古びた2階

 建ての建物なのですが、お世辞にも見た目は決して良くはありません。

 お店の入り口横にあるサンプル品も日に焼けて色変わりしているし、そのケース自体も霞んでいるの

 です。のれんも古くて汚れている感じで、正直なところ、初めてだと入店する人は限られているだろ

 うと思ってしまう雰囲気の店です。店内も同じように狭くて小さくて古い感じがします。


 私はこの店が大好きです。顔見知りということもありますが、素直に美味しいから好きなのです。

 お客の多くは常連さんです。お客さんが増えすぎると、お店側も常連さんも迷惑を掛けないか

 と心配されるようです。私は住まいが遠くに変った今でもたまに出掛けています。庶民的な価格で安

 心です。我が家では全員がこの店が大好きです。

 店構えや内装も拘らない人達で賑わっているおで、これ以上は混んで欲しくない店です。最近ではこ

 んな店は少なくなったと思います。場所は地下鉄中津駅から徒歩3,4分の所です。正直、教えたく

 なかった・・・


その4.太閤

 この店は今は無くなりました。ご夫婦でやっていた中華屋さんです。大淀蕎麦の直ぐ近くにありまし

 た。随分前に石川県へ引っ越しされました。石川県の田舎の方だったと思います。

 中華丼も天津飯もギョーザもチャーハンもスープも美味しかった。今はもう食べられないのが残念で

 す。店のマスターがいつも頭にタオルを巻いて、中華鍋を動かして大声で「いらっしゃい!」と声を

 掛けてくれました。奥さんが配膳や精算をやっていました。元気のいい、味も良い中華屋さんでし

 た・・・


 ネットで転居先を調べるてみたら、ようやくそれらしい店を見つけて、そこか!とは思いながらも行

 く機会もなく、気にはなっている店です。いつかは訪ねて行ってみようと思っているましたが、もう

 ネットで見つけられなくなりました・・・恐らく廃業した感じがします。心残りの店です。

 今は思い出だけの店になりました・・・未だにこの店の中華丼に勝る味はありません。勿論、味には

 店の雰囲気や大将の大きな声も含まれています。鍋を書き回す音ですら懐かしいです・・・

 残念ながら出掛けてみることは難しいですが、心に残る良い店だったと思います。


その5.流れ寿司

 ここは回転寿司屋だったチェーン店を縮小し、少し上のクラスを狙った店構えになりました。

 私が行っていた店は別の場所の別名でしたが、その店のチェーンです。

 これらの店の創業者は今は寿司屋ではなく、中小企業活性化の各種研修を行っています。

 その創業者に以前、研修に招待して貰い、得ることが多かったのです。もう30年前のことです。

 その研修ではそれまでに経験したことがない内容の研修でしたので参加してとても驚きました。

 そこで自分の生き方や人生を考えさせられました・・・今でも感謝しています。

 ですから、そのお店に行くと自然と当時の事を思い出します。人生の味を教えて貰った気がします。

 感謝です。

 

その6.プラザ

 「広場」とでもいう意味ですが、実はお好み焼き屋さんです。JR東淀川駅直ぐ近くにあります。

 広島焼きです。ここも結構永い間、通っています。10年以上20年未満でしょうか・・・

 お好み焼きも焼きそばも美味いし、豚キムチも美味い!ちょっとした一品も美味いし、飽きない味

 なのです、この店は。

 勿論、お好み焼きや焼きそばが美味い。ソースが美味いのでしょうが、昔はプロ野球選手のサイン

 がいろいろ飾ってありました。小さな店ですが、ここも常連さんが多いです。一人でも入れる店で

 カウンター席にはお一人さんがよく座っています。

 焼きそばやお好み焼きの具を選べるし、具を追加することも出来ます。お好み焼きも焼きそばも店

 で食べたい時にはここへ来ます。何だかんだと言っても一番は美味いから来る訳です。


その7.鼎泰豊 (ディンタイフォン)

 この店は言わずと知れた台湾料理の店です。本店は台北にあり、ビルになっていて待ち時間や番号

 が電光掲示されているちょっとハイカラな本店です。日本語対応スタッフもいます。

 日本にも主要都市に店舗かあり、海外進出に積極的な店です。

 美味しいものはいろいろありますが、特に有名なのが小籠包で、スープが美味いと思います。

 それか根菜も美味いです。ニラやらネギやらもやしやら美味い。不意加減が上手で、炒め過ぎず、

 炒め足らずでもナク、揚げ物も美味い。ハズレがありません。

 流石に海外戦略に力を入れている店だと思います。ですから、味も台北に一般の庶民向けの店の味

 とは違うかなと思います。台北には4,5回行ったことがありますが、夜市で食べた胡椒パンが何

 故か印象に残っています。麺類は使われている肉が甘かったのでちょっと閉口しました。

 流石にこの店は海外でも繁盛していると感じます。

 

 また、台北市内には小籠包の美味い店がいろいろあり、中正記念堂の直ぐ近くにも安くて美味い小

 籠包専門店があります。椅子やテーブルは粗末ですが、小籠包は美味かった!台北の庶民に愛され

 ている庶民の店でした。残念ながら店名は憶えていませんが、この店は歩いている現地の方から聞

 いた店でした。地元の人は良く知っているのは当たり前でしょうか・・・

 台湾の方は親日的なので、迷っていたりすると親切に道やお店も教えてくれます。日本語を話す方

 もそこそこいます。

 

その8.

 野間の森MIGIWA

 ここは一冊の本から見つけた森の中の店です。正に本に紹介されるような店の造りです。

 一回しか行っていませんが、初めて出掛けたのが昨年の晩秋で寒かったのですが、運良く店のオー

 ナーさんに出会えて、店が出来るまでの話を聞くことが出来ましたので印象深かったお店です。

 土地が広く、元々は森だった土地を伐採から始めて、時間もお金も労苦も時間もかけて造り上げた

 そうです。オーナーは大阪でデザイン関係の会社を経営されていて、いつか自分の気に入った場所

 に自分が納得出来る店を作りたいと、軽井沢やあちこちの土地を探し求めている時に運よく紹介さ

 れた土地がここだったそうです。結構、主要道路からも離れていて、着くまではどんなところか想

 像が出来ませんでした・・・駐車場は木材が敷かれていて、しかもお店はそこから見えないように

 なっていました。

 やはり、オーナーの拘りがあり、伺った話では最初にそのままの木々の伐採から始めたそうです。

 土地の掘り起こしや整備、新しい樹木の植栽も自分達で時間をかけてやったそうです。

 建物も自分達で何年かに分けて今の姿になったそうです。田舎の山村の中に目立たない場所に建て

 られており、道から少し距離があります。

 

 私も道に迷いました・・・しかし、着いてみると別世界の空間だと思いました。町の喧騒もなく、

 あるのは只の静寂と風と雲と広い庭と木々でした・・・喫茶なので何があるのかなと思いました

 が、食事も出来るのであれこれ頼みましたが、どれも一流でした。シェフは著名なホテルで働いて

 いたそうで成程と思いました。街中の同類のお店よりランクが上だと思いました。お値段もそれな

 りにしますが美味いです。場所代と雰囲気代と美味しい料理代だと思えば良いかと思います。

 結構、山奥なのでURlを紹介しておきます。店の雰囲気も分かるかと思います。


その9.名を知らぬ店

 韓国の済州島にある名前も知らない美味しい鍋を食べた海沿いの店です。今から約7年前に韓国の

 済州島の南側にある海鮮料理屋の鍋が美味かった・・・ムール貝やら魚やらもやし、麺が入ってい

 て気に入りました。翌日の朝食もここで違う鍋を食べました。これも本当に美味しかった・・・

 済州島は今でこそ酪農やゴルフ場やテニス、散歩道などが揃っているリゾート島で有名ですが、悲

 惨な歴史もあります。榛名山という山に沿って西から東へ風が良く流れています。静かで風景が良

 く、海岸線に沿って主要道路も繋がっていて、韓国本土とは異なる土地柄です。大阪にいる韓国の

 方の多くがこの島の出身者だそうです。

 関西空港からもT’wayというLCCの 直行便が飛んでいるので一度は行かれてみては如何でしょう

 か?・・・とてもリゾート感のある島です。


さて、人間の持つ本能の一つに食欲があります。食欲は生命をつかさどる重要な本能です。しかも人

間だけは料理のやり方次第で食材の味を変えられます。それだけに人間の食欲には限りがありません。

私が今回取り上げたお店は私自身では美味しいと感じている店であり、価格も高いものや安いものも

あります。結局、高いから美味しいとも限らないし、安いからまずいとも限らない訳です。

食いしん坊としては、より美味い食べ処を探していることも人生の一部です。美味いものを食べたら

幸せな気分になりますし、その逆はお金を返してと言いたくもなります。

結局、食べることの満足はお金で決まるものではないけれど、何らかの関係があることも言えると思

います。味覚を感じる機能は人間が欲しいと願って付与されたものではありません。そこには何か生

命の不思議な仕組みが関係していると思います。ただ口に入れるだけではないのは人間以外も同じだ

ろうと思います。どうして美味い、美味くないという判別が必要なのかを考えると不思議な機能だと

思います。あればあるで色々だし、無ければないで困ることもなかったのかも知れません。

どうして美味い、まずいを判別できる機能が必要だったのでしょうか?・・・無ければ無いで済んだ

機能かも知れないのに・・・

 

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