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こだわりグルメ 第284号

  • 執筆者の写真: 社長
    社長
  • 5月1日
  • 読了時間: 13分

更新日:5月29日

今月も私にとっては少し変わったタイトルにしました。「こだわりグルメ」と題して、そこの店以外では同じものは食べない店を紹介したいと思います。あくまでも私個人が「この店はその料理では一番美味しい」と何度も訪れている店なので、読者の皆さんには必ずしも好みが合う訳ではありませんので、その点はご了承下さい。本当は隠しておきたい店もありますが、そんなネタもたまにはいいかなと思います。機会があれば、皆さんも出掛けてみて下さい。


その1.廣川

 京都嵐山にある江戸前のうなぎ屋さんです。もうかれこれ20年以上も通っています。通っていま 

 すと言っても年に1回か2回しか行けません。今の本店は元の本店のすぐ近くにあり、以前の本店

 に出かけたのがキッカケでした。それ以来、普段は鰻は極力食べずに我慢し、鰻を食べたい!とな

 れば、高速道路を走ってでもここへ行きます。


 折角だからと、「特上」を食べたが最後、ここの虜になってしまいました。

 鰻自体も美味しいのですが、うまき、うなきゅうも美味しくておかわりをしたこともあります。

 廣川へ行くようになったのは京都のうまい店を紹介した小さな本で知ったのがキッカケでした。

 あれから随分と有名になり、一時はインバウンドの外国人観光客が押し寄せ、予約なしだと1時間、

 1時間半は当たり前に待たされました・・・

 今は予約制となり、慌てずとも落ち着いて食事をすることが出来ます。

 かつては勝新太郎ご夫妻もちょくちょくお見えになっていたそうです。


 廣川の特徴は何と言っても、江戸風で鰻の身がふっくらとしていて、しかもタレも丁度、私の好み

 の味で、特上ではご飯の上とご飯の中に鰻が二重に敷かれてあり、一度食べたら、次もここで食べ

 たい!となった訳です。

 江戸前は背開きです。江戸には武士が多くいたので腹から裂く関西風は切腹に繋がるので好まれな

 かったようです。廣川はミシュランガイドにも掲載されたことがあり、一時は本当に凄い賑わいで

 した。我が家では鰻を本当に食べたくなった時には財布には痛いですが、折角なのでここへ行きま

 す。決して近場の店ではないのですが、一口食べた瞬間、「美味いなあ~」といつもそうなります。

 恐らく我が家の味の好みに合っていると思います。思い出すだけで食べたくなるお店です・・・


その2.河道屋養老

 河道屋という蕎麦を主体にした同じ店名が京都には何店舗かあるようですが、私はここしか知りま

 せん。ここに初めて来た時には、これぞ京都の奥座敷!!みたいな雰囲気と風情を感じ、一目で気

 に入りました。ここにもかれこれ10年以上前から出掛けています。直ぐ近くに天台宗派の聖護院

 がありますので、分かり易いのも有難いです。


 私が気に入っている点は路地へ向かって風情ある暖簾が掛かっていて、それがいかにも京都らしい

 質素でとても感じがいいなと思う点と、その暖簾をくぐってからの玄関までの短い通路に蕎麦引き

 の石臼をそのまま埋め込んだ小道に苔が生えていて、何とも言えない趣きを感じるのです。

 店はどこにでもありそうで、決してそうは見えない日本家屋です。古くて廊下を歩けばミシミシと

 音もしますし畳も凹みます。のどかな田舎家の雰囲気があり、これが逆にいい感じなのです。

 気負わない、敷居が高いという感じもしません。なんか昔の田舎の家みたいなのです。

 それに加えて最高なのが、年配の仲居さんの京言葉が本物の京都弁で、生まれ育ったままの素の言

 葉です。店の雰囲気とマッチしていて凄く心地よい上品さを感じます。今風ではないような年配女

 性の京言葉ではないでしょうか・・・

 九州の田舎育ちの私には、幕末に京都にいた田舎侍の薩摩武士になったような感慨を連想させます。


 ここの名物はその名も「養老なべ」という京野菜と蕎麦の入った鍋で、素朴ながら土鍋で味も京風

 であっさりしていて、実に「美味い!」のです・・・

 冬場なら猶更に美味です。また、単品で鰊の甘露煮が更に美味い!。鰊の甘露煮はここのが一番美

 味いと我が家では言っています。鰊は別名「春告魚」といい、春先が旬のようです。鰊の甘露煮が

 旨い店は意外と少ないと思っている私には「ここが一番!」と思います。他の蕎麦屋ではどこか癖

 が必ずあるようで、生臭かったり、味が薄かったり、生姜が効いていなかったりと、甘露煮はここ

 が一番の好みです。


 店の風情も良し、店に入る前の道も広くもなく狭くもなく京都らしい趣きも良し、仲居さんの京都

 弁も良し、養老鍋もよし、そして建物も古い日本家屋で歩けばミシミシを心地よい音もして、どこ

 か自分が幼い頃の住んでいた家屋を思い出せます。個室もありますし、その個室も今風ではなく、

 昔風の建付けの宜しくない、田舎の部屋みいな感じでこれもまた良しです・・・

 部屋の中は畳敷きですが、今でも誰かが住んでいてもおかしくない普段着の店構えです。最近は暫

 く足が途絶えていますが、ふっと思い出すと行きたいなあとなる店です。

 古き京都らしい飾らない趣きのある店です。


その3.大淀蕎麦

 今度は大阪の店です。店名はどこにでもありそうな名前ですが、ここは正直に言えば紹介したくない

 私の大好きな蕎麦屋さんです。ここにも20年以上は通っています。何と言っても蕎麦つゆが旨い。 

 だしが美味いのです。ここのだし巻き卵はそのつゆが使われていて、これが旨い!


 更に気に入っているのが、言い方は悪いですが、今にもそれなりの地震があれば倒れそうな古びた2

 階建ての建物で、お世辞にも見た目は決して良くはありません。お店の入り口横にあるサンプル品も

 日に焼けて色変わりしているし、そのケース自体も霞んでいます。のれんも古くて汚れていますし、  正直なところ、初めてだと入店する人は少ないだろうと思ってしまう程の店です。店内も同じよう 

 に狭くて小さくて古い感じがします。


 しかし、私はこの店が大好きです。顔見知りということもありますが、素直に美味しいから好きなの

 です。お客の多くは常連さんです。お客さんが増えすぎると、お店側も常連さんに迷惑を掛けないか

 と心配されるようです。私は住まいが遠くになった今でもたまに出掛けています。庶民的な価格で安

 心です。我が家では全員がこの店が大好きなのです。

 店構えや内装も拘らない人達で賑わっているお店で、これ以上は混んで欲しくない店です。最近はこ

 んな店が少なくなったなあと思います。場所は地下鉄中津駅から徒歩3,4分の所です。正直、教え

 たくなかったあ・・・


その4.太閤

 この店は今は無くなりました。ご夫婦でやっていた中華屋さんです。大淀蕎麦の直ぐ近くにありまし

 た。随分前に石川県へ引っ越しされました。石川県の田舎の方だったと思います。

 中華丼も天津飯もギョーザもチャーハンもスープも美味しかった。今はもう食べられないのが残念で

 す。店のマスターがいつも頭にタオルを巻いて、中華鍋を動かして大声で「いらっしゃい!」と声を

 掛けてくれました。奥さんが配膳や精算をやっていました。元気のいい、味も良い中華屋さんでし

 た・・・


 ネットで転居先を調べるてみたら、ようやくそれらしい店を見つけて、そこか!とは思いながらも行

 く機会もなく、気になっている店です。いつかは訪ねて行ってみようと思っていましたが、もうネッ

 トで見つけられなくなりました・・・恐らく廃業した感じがします。心残りの店です。

 今は思い出だけの店になりました・・・未だにこの店の中華丼に勝る味はありません。勿論、味には

 店の雰囲気や大将の大きな声も含まれています。鍋を書き回す音ですら懐かしいです・・・

 残念ながら出掛けてみることは難しいですが、心に残る良い店だったと懐かしく思い出されます。


その5.流れ寿司

 ここは回転寿司屋だったチェーン店を縮小し、少し上のクラスを狙った店構えになりました。

 私が行っていた店は別の場所の別名でしたが、その店のチェーン店です。

 これらの店の創業者は今は寿司屋ではなく、中小企業活性化の各種研修を行っている知る人ぞ知る

 方です。

 その創業者に以前、研修に招待して貰い、得ることが多かったのです。もう30年前のことです。

 その研修ではそれまでに経験したことがない内容の研修でしたので、参加してとても驚きました。

 そこで自分の生き方や人生を考えさせられました・・・今でも感謝しています。

 ですから、そのお店に行くと、自然と当時の事を思い出します。人生の味を教えて貰った気がしま

 す。感謝です。

 

その6.プラザ

 「広場」とでもいう意味ですが、実はお好み焼き屋さんです。JR東淀川駅直ぐ近くにあります。

 広島焼きです。ここも結構永い間、通っています。10年以上20年未満でしょうか・・・

 お好み焼きも焼きそばも美味いし、豚キムチも美味い!ちょっとした一品も美味いし、飽きない味

 です。

 勿論、お好み焼きや焼きそばが美味い。ソースが美味いのでしょうが、昔はプロ野球選手のサイン

 がいろいろ飾ってありました。小さな店ですが、ここも常連さんが多いです。一人でも入れる店で

 カウンター席にはお一人さんがよく座っています。

 焼きそばやお好み焼きの具を選べるし、具を追加することも出来ます。お好み焼きも焼きそばも店

 で食べたい時にはここへ来ます。何だかんだと言っても美味いから来る訳です。


その7.鼎泰豊 (ディンタイフォン)

 この店は言わずと知れた台湾料理の店です。本店は台北にあり、ビルになっていて待ち時間や番号

 が電光掲示されているちょっとハイカラな本店です。日本語対応スタッフもいます。

 日本にも主要都市に店舗かあり、海外進出に積極的な店です。美味しいものはいろいろありますが、

 特に有名なのが小籠包で、スープが美味いと思います。それか根菜も美味いです。ニラやらネギやら

 もやしやら美味い。火加減が上手で、炒め過ぎず、炒め足らずでもなく、揚げ物も美味いです。

 ハズレがない味の上品な台湾料理屋です。値段は少し高めですがハズレがありません。

 

 流石に海外戦略に力を入れている店だと思います。ですから、味も台北に一般の庶民向けの店の味

 とは違うかなと思います。台北には4,5回行ったことがありますが、安い小籠包屋さんもいろい

 ろあります。有名な夜市でも勿論店が出ています。夜市では他に有名な胡椒パンを食べましたが、

 これも独特で美味かったです。麺類は日本と違い、肉が乗っていてそれが甘かったので、ちょっと

 閉口しました。

 

 また、台北市内には小籠包の美味い店がいろいろあり、中正記念堂の直ぐ近くにも安くて美味い小

 籠包専門店があります。椅子やテーブルは粗末ですが、小籠包は美味かった!しかも安かった!

 台北の庶民に愛されている庶民の店でした。残念ながら店名は憶えていませんが、この店は歩いて

 いる現地の方から聞いた店でした。地元の人は良く知っているのは当たり前でしょうか・・・

 台湾の方は親日的なので、迷っていたりすると親切に道やお店までも教えてくれます。日本語を話

 す方もそこそこいます。ご老人には日本語を話す方が多いです。親日国なのがよく分かる国です。

 有名な観光名所の九份や十份では階段や坂道やランタンなど珍しい、面白い観光スポットもあり、

 日本人だけでも安心して出掛けられます。大みそかの台北の101ビルの花火は本当に驚くほどの

 スケールで、高い高層ビルの角から花火が一斉に花咲く光景は圧巻です。是非、実物を見て欲しい

 です。

 

その8.

 野間の森MIGIWA

 ここは一冊の本から見つけた森の中の店です。正に本に紹介されるような店の造りです。

 一回しか行っていませんが、初めて出掛けたのが昨年の晩秋で寒かったのですが、運良く店のオー

 ナーさんに出会えて、店が出来るまでの話を聞くことが出来ました。その話が印象深かったお店で

 す。

 土地が広く、元々は森だった土地を伐採から始めて、時間もお金も労苦も時間もかけて造り上げた

 そうです。オーナーさんは大阪でデザイン関係の会社を経営されていて、いつか自分の気に入った

 場所に自分が納得出来る店を作りたいと願い、軽井沢やあちこちの土地を探し求めている時に運よ

 く紹介された土地がここだったそうです。結構、主要道路からも離れていて、着くまではどんなと

 ころか想像が出来ませんでした・・・駐車場は木材が敷かれていて、しかもお店はそこから見えな

 いようになっていました。

 やはり、オーナーの拘りがあり、お聞きした話では最初に茂っていた木々の伐採から始めたそうで

 す。土地の掘り起こしや整備、新しい樹木の植栽も自分達で時間をかけてやったそうです。つまり、

 土地を耕し、地に力を付かせて、その後で木々を植え込んでいったそうです。一朝一夕ではなく、

 時間を掛けて作り上げた土地と建物でした。自分達で何年かに分けて今の姿になったそうです。

 田舎の山村の中に目立たない場所に建てられていて、近くの道からも少し距離があります。

 

 私も道に迷いました・・・しかし、着いてみると、別世界の空間だと思いました。町の喧騒もなく、

 そこには只の静寂と風と雲と広い庭と木々でした・・・喫茶と食事がメインのようです。

 食事が出来るのであれこれ頼みましたが、どれも一流で美味しいでした。シェフは著名なホテルで

 働いていたそうで成程と思いました。街中の同類のお店よりランクが上だと思います。お値段もそ

 れなりにしますが、味は美味い!

 料金は高めですが、場所代と雰囲気代と美味しい料理代だと思えば納得できます。結構、山奥なの

 でURlを紹介しておきます。店の雰囲気も分かるかと思います。


その9.名を知らぬ店

 韓国の済州島にある名前も知らない美味しい海沿いの店です。その時に食べた熱い鍋が殊の外美味か

 ったのです。今から約7年前に済州島の南側にある海鮮料理屋でした・・・海のすぐ近くにあって

 こじんまりとした普通のお店でした。ムール貝や魚やもやし、麺が入っていてとても気に入り、翌

 朝もこの店で違う鍋を食べました。これも本当に美味しかった!・・・

 

 済州島は今でこそ酪農やゴルフ場やテニス、散歩道などが揃っているリゾート島で有名ですが、悲

 劇の歴史もあります。元社員さんがここの出身だったので、その話を聞いたことがあります。

 さて、榛名山という韓国で一番高い山に沿って、西から東へ強い風がよく流れているそうです。

 それでも全体的に静かで風景が良く、海岸線に沿って主要道路も繋がっていて、韓国本土とは違う

 土地柄でした。大阪にいる在日韓国人の多くがこの島の出身者だそうです。

 関西空港からもT’wayというLCCの 直行便が飛んでいるので一、一度は行かれてみては如何でしょう

 か?・・・とても気に入ると思います。牧場あり、ゴルフ場あり、散歩道あり、テニス場ありで島

 全体がリゾート地です。中国にも近いので中国からの観光客も多いようです。


さて、締めとして人間の持つ本能の一つに食欲があります。食欲は生命をつかさどる重要な本能です。しかも人間だけは料理のやり方次第で食材の味を変えられます。それだけに人間の食欲には限りがあ

りません。私が今回、取り上げた店は私自身では美味しいと感じている店であり、価格も高いものや

安いものもあります。

結局、味は各人の好みも異なるので、高いから美味しいとも限らないし、安いからまずいとも限らな

い訳です。食いしん坊の私としては、より美味い食べ処を探していることも人生の一部なのです。

美味いものを食べたら自然と幸せな気分になりますし、その逆はお金を返してと言いたくもなります。

結局、食べることの満足はお金で決まるものではないけれど、何らかの関係があると言えることも半

面、そうだとも言えます。

味覚を感じる機能は人間が欲しいと願って付与されたものではありません。そこには何か生命の不思

議な仕組みが関係していると思います。ただ口に入れるだけではないのは人間以外も同じだろうと思

います。どうして美味い、美味くないという判別が必要なのかを考えると不思議な機能だと思います。あればあるで色々だし、無ければないで食べ物に困ることもなかったのかも知れません。

どうして美味い、まずいを判別できる機能が必要だったのでしょうか?・・・皆さんも考えてみたら

面白いと思います。ではこの辺で。

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