本コラムを読んで頂いている皆さんも、毎朝、新聞を読まれていることと思います。 人によって新聞も異なればその読み方も人様々だと思います。
私は某紙を読んでいますが、休刊日は永年の習慣からなのか一日の始まりがピンを来ません。 今やTVや雑誌や携帯機器が発達して便利な世の中なのですが、情報によっては新聞に優れるものはないのではないでしょうか・・・ 好きな時に、好きなような格好で、好きな記事から、自分流に読めるのも有難い。 一方的に送り出される他メディアとは一味も二味も違うと思います。 また脳細胞も活発に動いてくれるようでボケ防止にも効果的ではなでしょうか。 最近のやたらとインパクトだけが強くて強制的に伝達するメディアとは全く違います。 記憶時間も新聞の方が長いように思います。
記事の読み方に至っては各人の目的や趣味や習慣による傾向が表れると思います。 私の場合、まず最終項の「交遊抄」を読み、次に「私の履歴書」を読みます。 その後、表紙に戻って二、三面まで読みます。そして今度は最終項から一項戻った社会面を読み、スポーツ欄を観て、最後に再び、表側に戻り、経済面を読みます。 この間、時間にして15分~20分、朝6時過ぎが平均の時間帯です。 また、仕事に出掛ける前にもう一度、気になった記事を読み返すので合計20分前後をかけて読んでいます。
記事についての感想もあります。 「交遊抄」は面白くて興味を引く記事もありますが、多くは当事者同士でないとその妙味が分らない内容も多く、一応読んでいるといった状況です。 この記事の次に読むのが、最も興味を持っている「私の履歴書」です。 政治の記事や経済の景気動向、企業業績、株価情報も一通り見ます。 また、企業の人事異動は注目して読んでいる記事です。 スポーツ面は野球の結果程度しか見ません。ものの1分位のものです。
「私の履歴書」・・・ 生意気な書き方になりますが、各界の著名人が赤裸々に自分の歩いてきた人生を振り返り、その道のりの途中途中の出来事を赤裸々に語っているのが、楽しく大いに興味を覚えるのです。 楽しい出来事より、苦しく辛い出来事の多かった人達なのに、読んでいると楽しく、ワクワクしてエネルギーが湧いて来るような気分になることがあります。 苦労して成功された名を挙げた方々ですので、そこに共通した生き方の基軸みたいなものを感じますが、それが私にとって心地よくエネルギーが充満してくるのだと思います。 今まで、沢山の履歴書を読ませて貰いましたが、詳細は殆ど憶えてはいません。 が、その時の感覚は覚えています。 その主だった感覚を書いてみたいと思います。
日清食品会長であり、創業者である安藤百福氏の履歴書。 面白く、時には滑稽で、ユーモラスで、ド根性丸出しの研究開発・・・ 家族総出の“ラーメン小屋”での大奮闘なども今も魅力をたっぷり記憶しています。
京セラの稲盛名誉会長の履歴書。 貧しい少年時代から大学生時代。人の真似出来ない頑張りには頭が下がります。 七輪や布団を研究室に持ち込んでの生活・・・時間が勿体無い、寝る時間も勿体無い、食事する時間も勿体無い、お金がない、何としても結果を出さねば・・・ 幼い頃の風景や話なども私も同県人ということもあり、身近に感じます。 随所で故郷の匂いや風景が思い出されます。 「議を言うな!」と言う言葉は私も憶えている言葉です。敬天愛人は南州翁の遺訓です。
セコム創業者の飯田亮氏の履歴書。 ごく平凡な私には、大変に型破りで滅茶苦茶な人だなあと思いました。 その明るさや行動力やひたむきさには誰も真似出来ない凄さを感じました。 掛売りは江戸時代中頃に当時の商人が作ったルール。そんなこと知るもんか、と前受けで始めた凄さ! 偉大な創業者を言われる人達は物凄いエネルギーを持っています。
元西鉄ライオンズの稲尾和久氏の履歴書。 決して恵まれてはいない家庭環境に育ちながら、自分に与えられた天運や親子の絆の強さを思いました。 漁師を継ぎたくなかったから、プロ野球選手になったとか、櫓を漕いでいたので足腰が強くなったとか、およそ後年の活躍からは想像出来ないキッカケや背景には驚かされました。特に、お母さんの影響が大きく、偉大な人物には必ず母親の存在があるように思います。
元GE会長のジャック・ウェルチ氏の履歴書。 世界的な名経営者を作ったのは、実はお母さんだったとは思いもよりませんでした。 何かにつけて、お母さんに褒められ、更にまた褒められたいと思って頑張った・・・ これが幼い頃のウェルチ少年の日常生活。 幼い頃の家庭境遇、特にお母さんの子に対する愛情はその後の人生に大きな影響を決定付けるを思います。
イトーヨーカ堂名誉会長の伊藤雅俊氏の履歴書。 小さな衣料店で頑張っているお母さんの姿を見て、お客様の大切さや信用の重さを教えられたそうです。お兄さんが一生懸命働いて自分が果たせなかった上の学校へ行かせてくれた。そのお兄さんがこれからという時に死んでしまいます。お母さんやお兄さんへ対する強く、深い敬愛の念を感じます。 若くして無くなったお兄さんのお陰で、今のイトーヨーカ堂があるという深い感謝の念は強く心に残りました。 また、毎年多くの新入社員が入社する時期に心が塞いで重たくなる理由を知り、本物の経営者たる姿を垣間見たように思います。
先月は三洋電機会長の井植敏氏の履歴書。 アメリカのクリントン元大統領と旧知の間柄だったとはビックリしました。 アメリカ工場での運動会やそれを2時間かけて観に来たクリントン氏も凄いと思いました。 人の縁というものは深いな、親父にしろ、金型を見ろ、と言った寿電子の社長にしろ、クリントン元大統領にしろ、人と繋がって生きていることを驚きながらも実感しました。
これ以外にも沢山の方の履歴書があります。 私が読み続けている理由は次の点からです。 1. 自分も零細企業の経営者であり、同じように成功したいをいう願望がある。 2. 成功した経営者や著名人はどのように物事を捉え、判断し、行動したのか? 3. 苦しい時、辛い時の考え方や乗り越え方。 4. 家族のこと 5. 自分の使命、やらなければならないこと。
ここで改めて思い出した話があります。 日本全図を作成した、伊藤忠敬は家業を継がせて隠居した後、50代で天文学を学び、それから全国をくまなく歩いて、偉大な偉業を成し遂げました。
今、日本に最も不足しているものの一つに、我々中年のエネルギーがあるのではないでしょうか?
댓글