最近、安倍内閣から2020年の名目GDP目標を600兆円にする発表がありました。
現行が500兆円ちょっとですから、あと4年半で100兆円増やすという大きな目標です。
この記事を最初に見た時、何を根拠にこんな数値を掲げたのだろう?と思いました。
過去には1986年から1991年にかけて90兆円余り伸びた時期もありましたが、その当時は
バブル期であり、今どき、その比較は不適切なことは明確です。
一億総活躍という達成への一つの手段も、正直なところ、その政策実態も不透明で、どこから
そのような根拠が生まれたのか私達には分からない話です。
そこで、自分なりに少し調べてみました。
その結果、いろいろなことを知ることとなりました。
2004年から2014年までの10年間、日本のGDPは先進諸国での中で唯一、マイナス1.
2%の減少になっており、アメリカやヨーロッパ諸国に比べても劣っています。
例えば、世界第4位のGDPを誇るドイツではプラス37%、アメリカでもプラス、隣の中国では
プラス400%以上、南米のブラジルでもプラス100%以上の伸び率を達成しています。
どうして日本はマイナス成長なのでしょうか?・・・
専門家からはいろいろなデータや経済情報を元に後付けの説明が行われますが、私はズバ
リ、立法府と行政府の問題から起因いているのではないかと考えます。
ヨーロッパでもアメリカでもアジアでも1年や半年で国のトップが替わることなどありません。
少なくとも政策の起案、実行など状況推移を見守ることが出来ます。
この点、日本の宰相で起案力や実効力を持っている人材が少ないし、国の長と言うより党の
リーダーで仕方かないというのが実感です。総理大臣が一身上の問題や不名誉なことで替わ
り過ぎます。
故に、それなりの期間をかけて実効性のある政策を実現できないことも一因だと思います。
次に、その起案力の問題です。
長期店視野に立った国の政策がありません。長期的視点と中期的視点、短期的視点と正に
企業活動と同じく戦略や戦術が見えません。
例えば、少子高齢化、製造業の衰退、若年層の働き方の変化、勤勉だった日本人の減少、アジア諸国の
台頭、第4次・第5次・第6次産業へのシフト、国の強み・弱み、素直さなど、日本人自身も変わ
りつつあります。
この上で、起案しなければなりません。
例えば、日本がLOOK EASTに没頭している間、着実にアジア諸国は日本を手本にLOOK
EASTして政策を起案して実行しています。
今の日本にはもう見本がないことを自覚すべきです。
自らが創り出す必要に迫られています。
そこには日本人特有の価値観や文化や勤労観があっても良いのです。
No2とNo1の違いです。No1は目標や方法を自らが創り出さなければならないのです。
ここが大きく遅れているように思います。
さて、話を戻しますが、先進諸国の中で何故、日本はマイナス成長だったのでしょうか?
また、どこかに日本のヒントになりそうな国がないものしょうか?
実はよく言われるようですが、ドイツがお手本になるかも知れません。
ドイツは2014年までの10年間でGDPが37%も伸びました。
その背景には3つのことが挙げられるようです。
1.EUの一員としてユーロが有利に働いたこと
2.積極的な設備投資
3.外国人労働者の積極的採用
早い話がメルケル首相のリーダーシップです。
日本のGDPは世界第3位ですが、一人当たりGDPにすると、何とトップ10どころかトップ20
にも入りません。アジアではシンガポールが唯一、トップ10圏内にいるだけです。
世界で10番目に人口が多いので、合計値では世界3位になるのです。
一人当たりGDPが高いのは、ヨーロッパ諸国や北欧が中心です。しかも彼らは労働時間も短
いのです。
つまり、時間当たり生産性も高いのです。
今回のGDP600兆円の骨子案を見ましたが、サービス業の増加、ITやロボット産業の成長や
助成、支援があるのでしょうが、具体策に欠けている印象を持ちます。
所謂、学識経験者や有識者が諮問機関として作成したものをそのまま発表しているように思
えるのです。
一億総活躍など聞こえはいいですが、私はこれよりは優秀な外国人労働者を重職に採用した
方が早いし即効性もあり、日本企業活性化には有効でると観ています。
日本は少しでも早く能力のある国際人を集めるべきです。
トヨタ自動車がスタンフォード大学の近くに、研究拠点を立ち上げた記事が新聞に掲載されて
いました。
そのリーダーには、アメリカの著名な人物を採用し、その人物のもとへアメリカ中から優秀な各
分野の人材が600名も集まったそうです。
私はこれこそ優秀な人材確保だと思います。
その記事の中で驚いたのは、トヨタの達成したい目標でした。
自動車事故件数と死傷者数を撲滅する事業目標として掲げてあり、その著名なアメリカ人の
責任者も夜、ホテルで感動して眠れなかったそうです。
さすがにトヨタです。さすがにアメリカです。
アメリカのような国はなかなか世界中にも現れないと思います。
我々のIT業界でも、その新しい技術や概念は殆どがアメリカ発です。
当社はいつか必ずアメリカに出たい、進出したいと願っています。
GDPの目標達成手段の一つという世俗的な目標達成にも、異種の融合が必要です。
当社は可能な限り、優秀な国際人を集めたいと考えています。
来たれ、優秀な国際人!
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