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ある社員の退職 第133号

2012年6月1日
読了時間: 4分

更新日:2022年6月20日

先月29日に、入社以来3年8ケ月の間働いてくれていた社員が退職しました・・・

この社員は私の人生でも大きな存在となるばかりか、思い出深い人物となりました。 理由は、初めての外国人社員だったからです。

今から4年余り前、私はソウルのあるIT専門学校を訪問していました。 日本で働きたいという30名以上の生徒と終日、面接を行いました。 日本で専門学校生と言えば、18歳とか20歳とか、そんな年代を思い浮かべるのですが、ソウルでは違っていました。 社会人経験もあり、普通の会社で働いていた人や、中には牧師さんもいたり、30代半ばでITを勉強しに来ている人もいました。 それも結構多くの女性もいました。

また、日本の専門学校といえば、夕方にはアルバイトや遊びに出掛けて行く生徒が多いようですが、ソウルでは全く違いました。 何と夜の8時、9時まで明かりがついていて、皆、自主的に勉強をしているのです?!・・・ この光景には本当に驚きました。 韓国は凄いなあ!これじゃ日本の若者は向学心でも向上心でも負けてしまうなと確信しました・・・

何故、こんなにも勉強するのか?・・・ それは韓国社会そのものが日本よりはるかに競争社会であり、皆がよく勉強する国なのです。 その年の大卒者就職率が48%ですと韓国の方に教えて貰いました。 日本のように80%しかないとかの社会ではないのです。 超学歴社会といえばそれまですが、現実は理論でなく、誰もが競争せざるをえない社会が韓国なのです。 当社にもう一人韓国の男子社員がいますが、高校時代は毎晩のように学校を出て家に着くのが夜の10時だったそうです。 だから、弁当は2つ持って行っていたそうです。 今の日本の若者には考えられない社会です。 それでいて男子には徴兵制もある。 これが韓国の姿であり、韓流ドラマとは違う厳しい社会なのです。

そんな国から来て貰った女性のIT技術者でしたが、幾ら韓国で日本語を習ったとは言いながらも、実際には来日した当時はスーパーで買い物一つ出来なかったようです。

そんな中で、彼女は日本語を憶え始め、不平や不満もあった筈なのに文句一つ言わずに働いてくれました・・・ 時にはプログラム開発を、時にはパンフレットやチラシやサイトのデザインを、時には展示会で説明役を、時には企業との商談調整をと、そして通訳をと、本当によく働いてくれました・・・

そんな社員が家庭事情で退職して韓国へ戻るとは思ってもいませんでした・・・ いつかは帰らなければならない人なのですが、そんなことは起こらないのではないかとさえ、心の中で思っていました。 今でもポカンとした心境なのです・・・ こんなことならもっとこうしてやれば良かったとか、ああしてやれば良かったとか、そんな引きずる想いばかりがあります。

韓国へ帰って今日で3日目ですが、これからの人生で再会出来るのだろうか、元気で永生きしてくれるだろうかとさえ思ってしまう自分がそこにいます。 情が移ったというのが正確な表現かも知れません。 親のような気持ちでしょうか・・・

今、日本は海外へ出て行くことが求められ、当たり前になってきつつあります。 しかし、まだまだ日本人だけで固まったり、外国人とコミュケーションが苦手だからと一切何も話さない若者も多くなっています。 よくそんな光景を展示会やレセプションで目にします。 これでは国際化は文字だけの世界で終わってしまいます。 英語をこれだけ永い間習っていながら、話せない国民など他国には少ないと思います。

読み書きは一人で出来ますが、話すことは一人では出来ません。 世界では話すことがコミニュケーションであり、聞く、書くではないと思います。 ここが日本人の欠点だと私は思います。 以心伝心では外国人には何も伝わりません。 英語は学問ではなく、話す言葉なのです。 下手でも話せばいいのです。 少しも恥ではないのです。

このことを改めてこの韓国人社員からも感じました・・・ 最初は下手でも慣れて行くのです。 話せば徐々に習熟して行くのです。 この韓国人社員には本当に「有難う!」と言いたいです。 今月の社長メールは是非、韓国からアクセスして見て欲しいなあ。

最後になりますが、早速、私は次の韓国人女性を探しています。 「日本語」で面接をします。 どんな方が来るのか大いに楽しみです。

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