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名言 第199号

  • 執筆者の写真: 株式会社ビジョンクリエイト
    株式会社ビジョンクリエイト
  • 2018年3月1日
  • 読了時間: 5分

更新日:2025年4月29日

私の自分への戒めの言葉として、会社の応接室にも掲げてある名言があります。

「財を遺すは下、事業を遺すは中、人を遺すは上なり。されど、財なくんば事業保ち難く、事業なくんば人育ち難し」

この言葉を残した人は、幕末から昭和初期まで生きた、医者であり、官僚であり、政治家であった、岩手県出身の後藤新平翁です。 むしろ、日本ボーイスカウト連盟初代総長とか、満州鉄道初代総裁とか、いろいろな大臣を務めた人です。 人物略歴も今日まで詳しくは知りませんでしたが、初めてこの言葉をネットで見つけてからは、永い間に渡って共感し、最初の財すら全く出来ていない自分への戒めだと思いながら今日に至っています。

企業は利益さえ出していれば、それで良いのかと問われており、それだけではいけないという示唆なのですが、私はむしろ、その前に利益が出せない様では罪悪なんだと最近は思うようになりました・・・ かつて、松下幸之助翁は「利益のでない事業などはない」、「利益は出るようになっている」とか、「利益が出ないのは、出ないことをやっているから出ないだけだ」と言っています。

私は凡人なので、利益が出ないことも経験していますし、その原因は自分にあることも分かっています。 「全ての源は自分にある」ということです。 経営者は、恨まれたり、疎ましがられ、裏で悪口や不満不平を言われて一人前だとさえ思っています。 後藤新平翁が言われる財を遺すことすら出来ていないのに、事業を遺すなどまだまだ私には出来る自信がありません。 今の自分は中途半端で、人を遺すことなど遠い道のりに感じます。 しかし、この名言の内容は痛いほど分かります。 事業というものは、人が行う全ての行為や考え方によって、そこに関わる全ての人々へ影響を与えます。 このことは何度も苦渋を舐めて実感して来ています。

また、たまには、人に恵まれるということを非常に羨ましく思うこともあります。 例えは悪いですが、見栄えの悪い石ころを一生懸命に磨いたら輝く石になると信じることもありますが、その反対に、磨いても磨いても輝きの出ない石ころもあると思います。 どんな石ころでも磨けば輝く石になるとは今の私には言えません。 人の出会いには巡り合わせやら運もあると思います。 巡り合わせた人達は幸せな人達です。そんな名経営者もいるのも事実です。 しかし、凡人の私はそれを信じてやり続けるのみです。

後藤新平翁の言葉の後半にも私は共感を憶えます。 それはお金がなければ、事業は継続できないし、事業が継続できなければ人材の育てようもないということですが、ここに経営の難しさがあると思います。 会社で働く人達はいろいろなものを望んでいます。 少しでも多い給与、有名な企業、大きな規模、労働時間の短さ、休みの多さ、一生働ける、働き甲斐・・・・こんなものではないかと思います。 確かに、大手といわれる企業は確率的に、これらの条件に当てはまるでしょうが、大手は大手でリストラも大量にやりますし、早期退職制度も中小企業から見れば手厚いものです。

さあ、これから日本は産業構造が変わると思います。 変わらないといけないと思います。 変わらなければ無理にでも変えないといけない。

業種の垣根が低くなり、業際事業が増加することは避けられません。 一言で言えば、業界全体が「IT化」していくでしょう。 ハードも進化するでしょうが、それ以上にソフトに大きな進化が生まれると思います。 その引き金はAIです。

我々IT業界では、既にその変化が始まっています。 以前から顧客のIT部門にはIT技術者も在籍していましたが、AI技術はその企業の生命線にもなりかねい技術になりつつあり、顧客自体がIT技術者を採用することが日常化し、且つ加速しています。 日本のAI技術は世界の先進諸国に比べ遅れているからです。 よって、尚更のこと、IT業界と顧客業界とのIT人材の奪い合いが急速に始まっています。

IT業界で優秀な人材を確保することがますます厳しくなってきますし、他社との違い、有利さ、独創性といった差別化が求められて来ると考えています。 つまり、今までも言われていましたが「質」が明暗を分ける業種になると観ています。 勿論、従来型のITサービス・ビジネスも残るとは思いますが、そこに働き方改革も加味されると来ると、多くのIT企業は高くなるハードルを超えられなければM&Aのような形で吸収されていく道を受諾せざるを得なくなるのではないでしょうか? 実は、IT企業のM&A活動が盛んになっているのは、創業者経営者がいて、事業承継者がいなくて、このまま進むか、事業を他社へ売却するかを選ぶ経営者が増えて来ていることを示しています。

こうなると、財務的に強いところが生き残りますが、それでも時代の変化に対応できない規模の会社は生き残ることが難しくなると思います。 ダーウィンのいう進化論のように、強いから生き残るではなく環境の変化に対応した企業が生き残っていくと考えるからです。

規模が大きいということは、環境の変化に追随できなくなったら逆にマイナスの力も大きいということです。 その証拠に今、産業界で顕著な成長を遂げつつある企業は、IT技術や知識を駆使する企業が大半です。 ネット化社会は国境も政府も言葉すら超えていきます。 もはや、日本だからというルールでは戦えない国境なきビジネス社会になっていると思います。

当社もこの先、どの方向へ向かっていくのかと問われれば、今、分かっている答えは一つだけです。 それは「質」です。 質の時代がやって来ると予感します。

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