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付加価値とは 第262号

  • 執筆者の写真: 会長
    会長
  • 2023年6月1日
  • 読了時間: 8分

更新日:2025年1月31日

いきなりの質問で不躾ですが、皆さんはご自身が勤めている企業の付加価値とは何ですか?と聞かれたら、何だと答えられますか?・・・

人によっては不明瞭ながらもこれですと答えられる方もいるでしょうが、多くは少し考え込んでしまうのではないでしょうか?

ズバリ、何々ですと答えられる方は、自社のことを良く知っている方です。多くの方は答えられないか、難しい質問ですねーと、そこまでしか答えられない方が多いと思います。


付加価値もそうですが、更に、御社の目的とは何ですか?と聞かれたら、多くの方がもっと答えられないと思います。例えば、利益を出すことですと答えられる方もいると思います。利益がなければ企業の継続は出来ないので、目的とは異なるものでもそう答えるかも知れません。

しかし、企業の目的とは存続させる為の方法や手段とは違います。利益は目的ではなく、事業を継続させ、更に発展させる為に必要不可欠です。


名経営者に言わせると「利益の出ない企業は罪悪だ」と指摘されて方もいます。罪悪とは広辞苑に依ると「道徳や宗教の教えなどに背く行い」と書かれてあり、道徳も「人の行うべき道。 ある社会でその成員の社会に対する、あるいは成員相互間の行為の善悪を判断する基準として一般に承認されている規範の総体」だそうです。

つまり、規範の総体とは俗に言えば、世間で使われる常識ということでしょうか・・・

そう考えると、利益とは罪悪感を伴うものではなく、尊いものであるとも解釈出来ます。

何故なら、世の中に貢献することに繋がるからです。納税や雇用、或いは社会貢献まで含まれています。確かにそうだなと私も思います。


私は永い間、この利益に苦しんで来ました・・・

ここで披露したい話ではありませんが、儲かったと思うと、儲からない時もありました。

世間には儲かり続けている企業もあります。しかし、私は儲かる仕組みが出来るまでには至っておらず、ずっとそのことに苦悩して来ました。慢心している訳でもないのに儲かった後に儲からなくなることがあるのです。その理由は自分の油断だと思います。

次への備えを有頂天になって怠っているのでしょう。儲かったら次は更に儲かるか、儲からなくなる時しかありません。

本当は儲かった後は気を引き締め、備えを注意深くやるべきなのです。一勝は出来ても連勝することは難しい筈です。つまり、心構えが弱いのです。

自分でも攻めは強いが、守りは弱いと思います。トップであれば一層、戒めるべきだと思います。著名な経営者が話されていましたが、事業というものは気を抜くと儲からなくなると。また、松下幸之助氏も「事業というものは元々儲かるようになっている。儲からないのは儲からなくなることをやっているからです」と仰っています。

事業環境の変化もあるでしょうが、それ以上に原理原則を実践し続けることを指摘されています。かつての近江商人も同じ心構えを掲げています。商い、家業、事業とどれにも当てはまる話だと感じます。


さて、日本の法人企業の99%以上が中小零細企業ですが、毎日のようにどこかでそんな企業が倒産しています・・・

それでも中には素晴らしい業績を出し続けられて企業もあります。永年に渡って利益を出し続けるにはそれだけの経営指針がある訳です。その企業はTVで放映されたこともあり、永年に渡って増収増益を続けていたので無理をお願いして訪問させて頂いたことがあります、立地条件からも材料の仕入れ環境が悪い場所なのに、どうしてこんな所で創業しているのか?と思いましたが、それでも増収増益なのは経営者次第ということが分かりました。

それでも、私には分かると出来るは違うのです。経営者次第なのです。

このようなことが分かると自分の情けなさをいつも反省します・・・


かつて野球界の野村監督がこんな語録を残されています。

「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」と。

拡大解釈すると、勝ちには不思議なこともあるが、負けには不思議な訳はないということです。それでも勝ち続けることは難しく、引き分けか勝てば、負けはない訳です。

野村監督は経営者ではありませんが、経営者と立場は同じで、勝敗の全責任があります。

凄い逸話は他にもあります。この話も私は大好きです。それは「野球は1点でも相手より点を取れば勝つ。一番良い勝ち方は1点で勝つことだ」と。名言だと思います。

結局、野球も経営も勝てば負けないのです。勝つ相手とは競争相手であり、業界であり、自分であり、世間の景気であっても勝てばいいのです。

10点差で勝とうが、一点で勝とうが、負けなければ勝つ訳です。

考えてみると凄い話だと感じ入ります。

 

この話は企業にも言えます。利益が1円でも出ていれば、損失が1円でも出ている場合とは真逆だということです。天と地ほど異なることです。

友達から教えて貰った話ですが、借りたお金でも1円しか返せない場合と、一円も返せない場合は全く違うと言われました。最初は何を言ってるんだ!と思いましたが、1円でも返すことは返す意思はあっても満額は返せないのであって、1円も返せないこととは違うと。

大袈裟な話ですが、理屈はその通りだと思いました・・・実際には通らない話ですが。

私自身の1円の重みの話をしたことがあります。100万円と99万9999円は全く違います。その差はたったの1円ですが、前者は100万円であって、後者は100万円ではないということです。1円の重みとはそういうことだと私は思います。

この違いが分からない人は事業をやったら危険だと思います。


さて、お金の話から当初の付加価値の話へ戻します。

企業の付加価値とは本当に何なのでしょうか?・・・

私も永い間、この事を考えていました。

そんなある日、たまたま読んでいた本の中にその答がありました。

そこには企業の付加価値とはこれだ!と書かれてあり、目がハッとしました。

こんなことは松下幸之助さんの本にも、稲盛和夫さんの本にも、本田宗一郎さんの本にも、盛田昭夫さんの本にも、アンドリュー・カーネギーの本にも、ジャック・ウェルチの本にもどこにも書いてありませんでした。

皆さんには馬鹿馬鹿しい話かも知れませんが、私には大真面目な発見でした。

たった一言、「企業の付加価値は粗利」だと明記されていたのです!

この文字を観た瞬間から頭の中が変わりました・・・


私は永年、付加価値が何なのか分かっていなかったのです。

技術的な優位だとか、自社の特徴だとか、形なり何かの数字なりを考えていました・・・

その本の著者はそれまで知らない人でした。今でも忘れて出て来ない時があります。

しかし、それ以来、偶然なのか他の本にも、そのキーワードが出て来ることに気付きました。何気ないキーワードですが、私には永年の苦悩を指し示すキーワードでした。


例えば、この30年間、日本の成長率が世界の先進国内で低いのはどうしてなのか?

日本の労働者給与が諸外国に比べてなかなか上昇しないのはどうしてなのか?

何故、K社の社員給与の平均は2千万以上もあるのか?

はたまた、日本を再生していくにはどうして行くべきか?

そんな原因や今後の回答が、その本には書かれてありました。


損益計算書は或る一定期間の売上や経費など損益を表します。

業種や規模には関係のない共通の評価方法です。

貸借対照表はその時点での資産状況を表します。損益の結果が反映されます。

ここで思い出されるのは、稲盛昭夫さんが指導されていた算式です。

それはどんな業種であろうが、「売上―経費=利益」という算式しかないという単純な話です。如何に売上を最大に経費を最小にするか、そこを押さえて死ぬほど努力すれば、利益は出るという話と通じる部分があります。 

私が心の中で凄いなあと感じる企業は付加価値が高いのです。

私は行き着くところ、高い生産性と高い品質に行き着きました。

バブル経済破綻後、日本はずっとGDP(国内総生産)や労働者の給与が低迷しています。また、その間にも新興国にも追い越された指標もあります。

例えば初任給であり、GDPも500兆円台から伸びてはいません。

逆に国の負債は増えています・・・

 

ますます少子高齢化が進む日本には新たに国や企業の目標が必要です。

まず、生産性を上げなければなりません。社会保障費ももっと必要となる筈で税金も上げる必要もあります。それ以上に日本の産業構造を変えていく必要があります。

国が抱える負債も既に1270兆円を超えました。

国の算出歳入を考えると、何を伸ばして何を減らしていくかを決めないと、あれもこれもは出来ないばかりか国債漬けになります。このままでは生活も次第に苦しくなっていくように

感じます。


結局、日本も企業経営と同じで歳入歳出があり、それで賄えるか、借入れするかしないかしか道はありません。

永く日本が諸外国に勝ると言われている人間性、勤勉さ、他を思いやる優しさ、何度もの自然災害などに立ち向かって復興させた不屈の精神、優れたものから学んでそこを超えて行く向上心など他国にも見られない日本人の良さを活かし、努力し続ければ世界に誇る優れた独創性のある国作りも可能ではないでしょうか?・・

産業構造を思い切って変える政策を目指すべきです。


この話は今迄の企業のあり方や独創性でも世界に貢献する可能性があると考えます。

今、世界は大きく二分化された国々になりつつあり、このままでは行き着く先は決して明るい未来とは言い難い。

IT社会はこれからもスピードを早めながらどんどん変わって行きます。

当社も従来のやり方や方法ではなく、目標すら変えるかも知れません。

情報社会に対し、どこまで何が出来るか、これからの生き方や働き方で今後が決まります。


今回の話の終わりにダーウィンの進化論を書き添えます。

皆さんもリアルだと思いませんか? 

「強いから生き残るのではない。環境の変化に対応するから生き残る」

正にこの話が地球や人間社会にも当てはまる時に差し掛かったと確信します。

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